■ 柘 榴 の 間 ■
 
 
 
   

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†傾斜のある会話†
封じ込めたガラスの中に
取り出せない果実があるように
留めた楔は
朽ちるまで残る
7月28日

†散逸†
いつの間にかこの糸は
途切れていたのだ
よりあわせた繊維が
枯れた茎のように散っていく
7月27日

†蜜集め†
蜂を追い散らして
蜜を奪い取る
蜜蜂は消えるが
痛みも感じはしない
7月26日

†渇き†
ねじり搾り上げるようにして
一滴を飲み干す
雨に溺れていても
干上がる木の葉のように
7月24日

†驚きはしない†
薄紙を破って開いて
それが金色の菓子であっても
もう、そこから新たな芽が
びっしりと生えていたとしても
7月21日

†刻印†
扉を閉じれば、と念じていたが
それは叶わない
刻まれているのだから
全ての内奥においても
7月19日

†これ以上†
もう、注がないでくれ
この盃には何も
とうに、知っていたからには
それが何で出来ているのかを
7月17日

†色相環†
どのようなことも
色彩で説明してきた
今日と昨日の分水嶺と
受け入れなかった許諾の印も
7月16日

†また一つの†
また一つの希望が潰える時
泥濘が時計の息を止める時
扉を閉じて捨て去ることも
許されない
7月14日

†緑の家†
悪夢が再びあって
緑の繁茂する
隘路に閉鎖される
希望はない
7月13日

†標識灯†
もう頁を繰れとは言わない
赤い貝殻の色素を奪えとは
そこにあるとしめすだろう
何一つ残らなかったものを
7月11日

†チョコレートの時間†
喉に時間が詰まっいる
船の傾きがチョコレートの
とろみを混ぜるように
混濁が定義を変えて行くように
7月9日

†水を読む†
湿気で張りついたページを
薄く皮膚を摘んで剥がすように
紙と紙の間隙の繊維に
絡む水滴を読むように
7月8日

†曇りガラス†
繰り返しのためのミシン
縫い止めて
身動きのとれない
スパンコールの陰り
7月7日

†まばたきの隙間†
飲み込まれて行くものだけが
わずかに振り返るように
銀色の閃きが信号を送る
まばたきの間隙を刺す
7月6日

†移設する†
壺がキルシュで一杯だった
もう意味さえ失った通貨が
ばらは水で購ってもいい
今日の石を唾液で購ってもいい
7月5日

†水滴†
跳ねだした緑が
緑を食い荒らし
夏の丘の香料と
水を貪ったあと
7月4日

†午餐†
突風のようなものとして
また菓子のうちにひそむ
白いばらの一滴のように
蝕むもの苛むものがあり
7月3日

†ある朝のこと†
床に膝をついて聞く
朝の音楽について
それはまだ来たことがない
まだどこかでまどろんでいる
7月2日

†前線便り†
緑のなかから蔓が
せめぎあう辺境から
青いは夜に
黒いは炎に

7月1日

 
 

 
 
 
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