■ 柘 榴 の 間 ■
 
 
 
   

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†立てる一輪挿し†
引き伸ばされた夕景
マンゴーとレモンの想念
ありとあらゆる意味を詰め合わせた
展示会をひらめかせている
8月27日

†ある絶滅†
逆しまな螺旋
分肢しないので
夜描くアルファベットが
そのまま呪詛になる
8月26日

†芥子†
夏の最中に選り分けられるもの
それは種子と殻
この篩は芥を選り分ける
捨てられたものは叫ぶこともない
8月19日

†香辛料の海†
荒い香気だけが音楽のように
血に潜む端子に触れて
奏でて揺さぶって舐めて
磨き上げるのだ
8月13日

†神の遁走†
それは祈りを握りしめているのだった
縋りついて身を寄せる
インゴットには託宣の波
もうこの搭では言語も奪われたのだから
8月7日

†夜行くもの†
暗く林立する立ち枯れの
間隙を満たさんとて音階は
沈澱する涼気の半透明な
伽藍を震え昇ってゆく
8月6日

†雲母の移送†
毎朝の激動は慣れきってしまうもの
引き千切られた糸と
脆い言語の落魄
毎夜、絶滅した生物が流れ去る
8月6日

†地下帝国の下降†
詰まらぬ描線だ、と
眼もくれないような書き割りが
この地下帝国のバイパスとなった
見知らぬ移送車が引きも切らぬ
8月1日

 
 

 
 
 
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