■ 柘 榴 の 間 ■
 
 
 
   

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†一方通行†
蛙がしなやかに通りぬけていった
青い夕暮れを頭に抱いて
傍若無人な身軽さと幼さで
誰もが羨んで目を見張っている
8月27日

†呪縛†
川端を歩いている匂い
その期間をどのように定めるのか
決まりはないのだから
季節を呪われているとは言えない
8月27日

†探索†
永遠に回る切れ目のない呼び出し
香料の構造体
雀蜂のような「ポワン」を隠し持つ
水平線にも解決は見出せない
8月27日

†収穫の季節†
そうだ、風が泡立てて
熟れきらぬ果実をもぎ取ってしまう
開かれた海への捧げ物をと
奪い尽くしたものを携えてゆく
8月19日

†夜のひび割れ†
再び波に目を向ける
水晶の玉が濁ってひび割れる
読むことができない雷鳴の宣託
銀の網よ、何もかもを拾い上げなければ
8月18日

†翼あるもの†
水の中で叫ぶのは無駄なことだ
藻を見限って
なめらかな泥を見限って
飛び跳ねる魚の銀が散る
8月13日

†逆らわない体†
薄い肉片が干からびて骨に纏わり
眼窩は水をためておくだけの器
流れ出していく意図を留めようとしてはならぬ
揮発性の経験が刻むものなど何もない
8月12日

†流出†
雲の杯から溢れ出した光が
受け止めるものもないままに散っていた
燃え上がる薫り高い油
頭蓋骨の杯に溜められたものは
8月10日

 
 

 
 
 
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