■ 柘 榴 の 間 ■
 
 
 
   

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†冬の焔†
木々が逆立っている
情熱が燃えている
冷たい冬の焔が
海のほうから押し寄せている
1月31日

†夜を行く†
澄み切った水銀の空
冷気は地を洗う
硝子細工の静寂は張り詰め
行く手には三日月
1月30日

†風†
この風は海からの風
冷たく澄んで突き刺さる
この風は砂漠からの風
熱く燃えて盲目にする
1月26日

†開放†
夜明け前の悪夢に声のない叫びを上げた
開かれた唇は凍えて割れる
熱は脳裏を手探りで求め
追憶の中から愛を開け放とうとする
1月25日

†翼の歌†
椰子の葉に戯れた小鳥たち
陽ざしの中に滑り落ちる
飛び上がる
声のない翼の歌
1月24日

†選択回路†
夢の中にまでついて回る長蛇の
そんな叫びは耳には入らない
我に与えよ
選択指向性十三要素八木アンテナ
1月23日

†浴場†
冷たい石の壁を濡らして
仄暗い蒸気は立ち籠もり
垣間見える肌の白さに打たれる
見知らぬ画廊を歩くように
1月22日

†嘆き女†
気狂い女が叫んでいた
あれは真昼の孤独の最中のことだった
気狂い女が腕を伸ばしてドアを叩く
夜を壊してくれと嘆いていた
1月21日

†聖痕†
嵐が近づくと浮かぶ
手のひらの痛覚に読みとる
幾度も蝋燭に手をかざした
愚者の喜びを嘆きを
1月20日

†雨の日の慣わし†
冷たい雨の海を泳いで
碧の石を探しておいで
時計は沈んでしまったのに
長針に突き刺された鳥の声と共に
1月19日

†鍵†
言葉を拾うと
嘆きがついてきた
美しい真珠に火傷を負い
投げうたれ棄てられた涙
1月18日

†嘲笑†
窓下で歌っている
何の祭りもやって来はしない
恐怖に窓を閉ざすか
見下ろして嘲ってみようか
1月17日

†誓い†
私の息の根を止める約束が
待っている
黒い文様で彩られている
諦めだけが知らされている
1月16日

†手紙†
あなたに宛てた手紙を
何日もポケットにいれたまま
封筒は折れ曲がる
ためらいに宛名はにじんでしまう
1月15日

†名残†
血が流れ去ってしまっていた
声はどこにもなかった
夜書き付けた文字は読めない
苦痛だけが残っていた
1月14日

†渇き†
私は狂気を求める
この言葉の一つ一つが
禍々しいものならば
私の手が震えているのならば
1月13日

†埋火†
愚かしさのわなに捕らえられ
身動きさえも痛みとなる時
何が残るのだろうか
炎はどこに残るのか
1月12日

†遊戯†
アーモンドを砕いて
この甘すぎるグラスを飲み干そう
騒がしい孤独には
優しすぎるゲームを
1月11日

†夜降るもの†
雨のような音で目覚め
扉を開けると
庭に星が零れている
支えきれぬ幻が降っている
1月10日

†箱庭の月†
私の庭は箱庭の中
白い四角の水入れに
一杯の月光を受ける
銀の雫で満たされる
1月9日

†快楽の源泉†
てのひらにいっぱいの血
受ける風を捕らえる
欺瞞の感覚
世界を支配する快楽
1月8日

†鏡†
鏡よ鏡
何もかもを射抜く眼差し
怖れを抱いて
澄んだ湖に身を投げる
1月4日

†秩序の糸†
混乱に満ちた日々
あなたの声だけが
秩序を響かせた
一本の糸が解けるように
1月3日

†沈黙†
私の夜は
あなたを待って過ぎていった
電話の向こうは
沈黙する神
1月2日

†記憶†
古い苦痛を掻き毟るために
酒を飲み干す
一杯の純粋な苦痛よ
このひび割れた喜びの記憶
1月1日

†歪曲†
見えない幻とダンスを踊る
火影の中で
巨大に歪む影
真実を失ったものの姿
1月1日

 
 

 
 
 
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