■ 柘 榴 の 間 ■
 
 
 
   

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†断食月†
騒がしい魅惑の時
午後の解放
市場へと歩み
断食月の喜びは高まる
11月28日

†仕掛け†
ターンする針が
同じ角度を指し示すと
仕掛けられた罠が
全てを奪い去ってしまう
11月28日

†破片†
魂が凍り
言葉が凍る
凍れば砕ける
砕けて捨てられる
11月28日

†郷愁†
海が迫る時、郷愁に満ちて
見ず知らずの町に
生れ落ちでもしたかのように
憧れは募り昨日を忘れる
11月26日

†回想†
旅程の中の誘惑
誰の声も届かない密室
目を閉じて波に耳を傾け
写真の束に手を触れる
11月25日

†金曜の声†
金曜のクルアーンが響く
遠く流れるような幻影の声
ゆるやかな高まり
魂を招き寄せて連れ去ろうとする
11月24日

†誘惑の源†
夜更け誘惑について語る。
全ては過ぎ去った
あの幻のような空間を思う
強制移住の中の苛烈な閃光。
11月20日

†到来†
海辺のリゾート地を抜けて
内陸へ向かう自動車
暮れてゆく秋の路上に
何ものかの到来を視る。
11月19日

†瑣末な時†
繰り返される日常の影
言葉を引き千切り打ち捨てる
何の意味も持たない仕種が
まるで王侯のように支配する
11月18日

†鳥†
明日は名前のない鳥
優しく絞め殺してしまえ
もがく羽音を止めて
夕暮れのさざめきへ返しておやり
11月17日

†閉じる II †
夢中、愛の言葉を聞く
途絶えた言葉
ノイズの海に遠ざかり
自転する地球に引き裂かれていく
11月16日

†流星†
純粋な直線の源に
二つの差などありはしない
輝く軌跡も空には架かり
虚しく走る流星も落ちる
11月15日

†朝の裏切り†
眠れない朝の中には
奇妙なひずみが潜む
凍えたクレバスにのぞく
激しく振動する炎
11月14日

†愚者の喜び†
愚者の情熱は激しく滾る
宝玉を求める
奪い合い争い合って
嘲り合いを友情と呼ぶ
11月13日

†貪欲な使者†
夕べ訪れた使い達は
貪欲に全てを漁っていった
幾マイルも遠く先から
死の匂いを嗅ぎつけて
11月12日

†沼地を抜ける†
一人きりの曳航
愚者の沼地を滑走する
絡みつく腐敗した肉を引きちぎり
汚泥は地上へ払い戻す
11月11日

†飢餓†
灰よ灰よ
燃えるものを探しておいで
私は絶叫を聞きたい
他者の苦痛を喰いたい
11月11日

†焦がれ月†
黄昏を待って
クルアーンの詠唱に身を焦がす
飛ぶようにして闇をすべる思い
冬の月が巡り来る
11月10日

†待つ泉†
応える声を待っていた
訪れる人を待っていた
泉は古びて腐った
草叢は青い吐息で全てを覆った
11月10日

†沈黙の扉†
説教者は今日を語った
説教者は昨日を語った
そして誰も応えなかった
扉は沈黙のうちに開かれた
11月9日

†舞踏会†
棺に花を飾らないで
香を焚き染めて腐臭を隠す
紅の緞帳をたらして
死者の上での舞踏が続く
11月8日

†海辺†
海辺を歩いて風の中
耳を塞いで歌を呼ぶ
誰も足跡を残すことはできない
声は砕けて断崖を落ちた
11月7日

†記念日†
裏切り者の祝祭日を
陽気な仮装行列が祝う
昨日を語る人は囚われるだろう
薔薇を撒いたあの道の陰で
11月6日

†閉じる†
ぽとりと落とす指輪
声が遠のいて映像は消えた
時の円環は螺旋
回れども帰らない後姿
11月6日

†秋の夜半†
夕べ 熱いThe a la menth
秋の夜風は広場を抜けていく
大人達のゲームの声も
メディナの壁に吸い込まれた
11月5日

†秋の想念†
秋の風が海を泡立たせていた
カフェからはシーシャの甘い匂い
渦巻いて不意に飛び立つ想念
風と煙草に紛れて空へ昇る
11月4日

†奇妙な祝祭日†
雷雨の季節
枯れた月の季節
静かに巡りきた再び
予感に満ちた奇妙な祝祭日
11月3日

†愚者の鏡†
昼間の嘲笑
報復されない絶対愚者
醜悪さは
決して写す鏡を持たない
11月2日

†思い出†
ゆるんだ指輪が回る
魂はやせて
思い出は知らぬ間に
抜け落ちてしまう
11月1日

 
 

 
 
 
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