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†昨日のこと†
あなたはもう何も要らないと言う けれどもあなたの手は差し伸べられる 緑色の包み紙を開いては薫る 曙に見とれているうちに忘れてしまう
7月28日
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†花摘みの歌†
硝子の中で狂ってしまった花 記憶に残っている雪女は 森の中で溶けてしまったのか 花摘みの歌歌って探しに行こうか
7月28日
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†薄用紙†
新しい夢の皮を剥いでいく 皮は濡れて巻き上がる 薄用紙に書かれていた恋人は 桜の花びらと風に流れる
7月27日
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†耳飾り†
音を立ててあなたは夏をとめる クリップされた記憶ならば 耳を飾る重い銀細工よりも 痛々しくはない
7月26日
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†証し†
あなたは水盤を傾ける 透明な水が白い石に落ちて あなたの無窮が跳ねる 水音だけを証しに
7月25日
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†小さな住人†
鼠たち鼠たち 足音が駈け抜ける屋根上に 目ばかり尖ったものたち 天井の端で叩き落されてしまう
7月24日
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†花畑†
空しく悔いの残る眠り 不意によぎるパレードに目覚める 去って行く歓びの時 目覚めこそ不安な花の咲く頂上
7月24日
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†洗礼†
告げられた偽りを記して ページの数を数えてひざまずく 幾何学的礼拝 蜜は河の流れに洗われてしまった
7月24日
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†告知板†
ある森の奥へと誘われ 木の葉を踏みしだく時 それは電文となる 森に名前を告げよ森に名前を告げよ
7月23日
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†開花期†
女神と呼び慣わしたその女の 眠る面差しに指で触れる 夏の気温に開く花びらから 誘う者が呼び攫われる
7月19日
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†掲示板†
夏を釘打って掲げようとしている もう隙間のない白い壁の上 しがみつく悪霊の染みを塗りこめ 時計のねじをきつく巻き上げると
7月18日
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†晩餐†
そして開かれた腹からは 宝玉の臓物を露わにして 指先は思念を探りながら 年譜を一つ一つ消し去る
7月17日
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†水中庭園†
この空間は安楽死のためのもの オレンジ色の薔薇は萎れ うなだれた午後へ落ちる 溺れる頭(こうべ)を差し入れる
7月17日
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†海の祝福 II†
海風とは思考を砕くもの 無人島へさらわれる歓び 帰還できない自由 全て失われたものの豊饒
7月17日
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†海の祝福†
流れ出した血も凝固する もし海が満ちるなら 洗われた日差しと空気が触れて 痛みなく宝石のように
7月17日
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†宴の終わり†
誰かを待っている門の端 石を蹴る草を抜く 不毛の土地を切り開く 蝋燭の灯りも尽きる
7月13日
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†典礼音楽†
夜更けを縫う弦楽器の 微妙な旋律が舞踏を誘う 巻き舌の天へ駆け上る叫び 騒がしい夏の宴は躍動し続ける
7月13日
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†会話しない者†
言葉だけは流れた落ちた散った 波紋を描く水滴のように 銀の柔らかな揺らぎが溶ける 消え失せた花びらが流れる川の果て
7月13日
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†円環†
そうして螺旋階段を上がった 来ては去る人影の階段 出会ったものが別れて この円環は閉じられる
7月12日
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†歓待†
溢れる葡萄酒を杯に 注げば注ぐほどテーブルは 遠くに浮かぶ小船と 手を振る岸辺の遠さと
7月12日
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†占い言葉†
戯れごとに杞憂する 夢想は裏切るもの 期待は流れる水の下で 絡め取られて息絶える
7月12日
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†夏の公園†
騒がしい夏の夜の宴 夜空を司る舞踏と声 上昇する香煙に乗り 天空に至るまで回れ
7月10日
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†午後の野原†
日差しの野原を歩いていると 遠く呼びかけてやってくる 急がせる声がやってくる 熟した葡萄酒を注いで待っている
7月9日
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†旅行†
夢をさまよう足取りで 過ぎる階梯 登る楼閣 手を引くものはない 踊場を過ぎても続くままに
7月9日
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†食卓†
テーブルに寄り集まる影は笑う クリームの匂いは甘く 酒盃の響きは高く 沈黙は生けた花のようにとどまる
7月6日
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†天使降臨†
眠りの中に消え失せる 炎をとどめ言霊を呼ぶ 船を下りるものは沈む 流れに掉さして沈む
7月3日
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†散灰†
揮発する思考断念された思弁 朝の光に燃えてゆく虚ろな言語は この焼いた灰を撒き散らして この空中が曇るまで撒き散らして
7月3日
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†暴走する渦†
私の壷を掻き回している 誰もが無造作に差し入れる 私の不安を掻き回している 泡立ち溢れれば全て終わる
7月1日
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