■ 柘 榴 の 間 ■
 
 
 
   

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†無為の断絶†
犬は遠吠えするもの
夜と昼を吼え交わしては
時をやり過ごすもの
妨げられた思考はもう戻らない
5月30日

†午睡の夢想†
太陽は脳髄を直轄統治する
閉ざされた部屋だけが自由
騒音を遠くに聞く静寂
忘却される孤独な喜び
5月29日

†時の声†
怠惰な金曜日が降りる
晴れた朝の光がはらむ
晴天の声は楽の音
ゆるやかな予兆と
5月25日

†憑依†
朝は忌まわしい魔術の時
声は忍び入る
夢うつつの廻間
取り憑かれたままの目覚め
5月25日

†獣の眠り†
これは新たな狩りの夢
獣は飢えた眼差しで
獲物の記憶を呼び寄せる
あの味わいはどこに残されていたのか
5月24日

†果実酒†
夢の中の僅かな記憶
は白昼の希求と分かつことができない
長く浸された果実は溶ける
もう疾く酒精は色づいて沈む
5月24日

†午後の隊列†
陽射しの立ち昇る道を行く
武装して午後三時
睥睨
埃っぽい街路にただ一人
5月24日

†反復する罪†
夢現に辿り繰り返す
同じ路上
同じ夢想
同じ忘却
5月20日

†浄化†
体を裏返す
時間を掻き落とす
執着を掻き落とす
血塗れの朝に辿りつく
5月19日

†朝の儀式†
朝は偽りを弄ぶ時
記憶が途切れて降り注ぐ
通りぬけた夢の地点を
辿り歪めて回る道
5月15日

†婚礼の歌†
ダルブッカと笛の音に混じり
愛しい人を呼んでいた
過ぎ去った時を呼んでいた
名のない婚礼の記憶が降りしきる
5月14日

†午後の目覚め†
もしも眠りの名前さえ忘れなければ
呼び続けることなどないのに
昼間の幻がまとわりつくのを払い
目を刺す恐怖から逃れようとする
5月13日

†接触†
見えない指先だけで触れる
隔てたものを越える手段
触れては融けると知って
溶鉱炉の叫びを送ろうとする
5月13日

†絶句†
何気なく落ちる言葉に打たれて
倒れている
雨に落とされた花びらのように
そして飲み込まれたカプセル
5月13日

†水の夢†
途絶えた言葉の夢を見る
砂をすくう手のひらには
惜しげもなく落ちる時刻
黄金は流れて去っていく
5月11日

†冷たい絵†
襲いかかるほどの力もない
白い壁に散らばった絵の具
誰が呼んで来たのだろうか
忘れ去られた木霊の影を
5月11日

†応答不能時刻†
不在通知を残して
偽りの安逸を貪る
快楽はかりそめ
追憶は手放せぬ習慣
5月10日

†白昼の幸福†
翳りを知らない城壁の精神
目玉のない自由
呪いを聴かない耳の呪い
数えられる愚者の幸福
5月8日

†導き†
ピアスのない耳元には
追憶を下げる
笛の音と天空は近しい
視線だけは窓を抜けて泳いでゆく
5月7日

†固執†
まとわりつくものの名前
海の波は引いては押し寄せ
飲み込まれる意識は
塩の味を覚えている
5月7日

†覚醒の儀式†
私を呼び覚ます声が響いている
世界は空中を漂う水滴
激情 空白 奔流 犬の叫び
攫われて落とし込まれる箱の中
5月6日

†空白†
眠りに満たないものでさえ
焦がれ求める一瞬
連続する歯ぎしりの隙間
空白を過ぎる鋭い涼風
5月3日

 
 

 
 
 
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