■ 柘 榴 の 間 ■
 
 
 
   

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†硝子の腐食†
磨耗させられたままの朝が
浜辺に残る
絡みつく海藻の怒りに苛まれて
忘れられた硝子の器
11月30日

†日記†
震える流れを掻き回そうとする
その手を、何と名付けるべきか、
首飾りの糸に鋏を入れるような混乱
思いがけず苛まれている
11月29日

†雲母の思案†
輝きが全て奪われてしまったかのようだ
いつまで?とたゆたう
試金石の痛み
コロイドの不安
11月28日

†洗礼†
幾度も示される導きの星の
鮮烈な幾何学は
傷痕のように顕される
輝ける預言に浸されて
11月25日

†冬の幻†
夜の流れを下り
言葉もなくいるとき
未払いの負債を催促する天使が
手摺りのところに立つのを見るのだ
11月17日

†苦痛の果実†
指先で一つづつ摘み上げられていたのだ
朝の太陽に奪われないうちにと
せわしく羽ばたきを繰り返して
鼓動のようにに鳴り響く痛みは
11月15日

†権行†
いつも、捻れた無言のよそよそしい
森のただ中で、感応することのない
ベル
朝はとめどない奔流となる
11月15日

†宿命を口にするもの†
それでここには何もないと
いっそのこと投げつけられるならば
でも鍵を握ったままの手は
指を固く折り曲げて動きはしない
11月14日

†夕闇が†
熱い夜の手に乗せられて運ばれてゆく
身を焦がす匂いがつきまとい
耳を塞いでも
離れてゆかぬものばかり
11月14日

†蜘蛛の巣座†
胸元にメッセージが輝いていた
星座が降り立つように
意図が明らかな光を放つ
あまりに巨大なウインカーのまばゆさ
11月3日

†絵解き†
森の中にかすかにひかる
揺れる徴に気づく
この判じ絵はまぶたを閉じた皮膚に
隠されて折り畳まれたものだ
11月1日

 
 

 
 
 
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