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†名残†
白い薔薇がうなだれて開ききっている もうすぐ花びらが落ちそうになっている 思いがけない香りが微かに残り 昨日を包んだリボンが丸まっている
3月23日
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†名残†
白い薔薇がうなだれて開ききっている もうすぐ花びらが落ちそうになっている 思いがけない香りが微かに残り 昨日を包んだリボンが丸まっている
3月23日
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†暦†
あなたの耳はあまりに聡いので 夜の水の滴りに 呼び声を聞き取り 朝にはすっかり花開いてしまうのだった
3月16日
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†朝の女†
引き出しの奥の宝石箱を開けたような グリーンの甘い香りをさせて 冬の枝が芽吹くように 出立の時刻が読み上げられるのを聞いている
3月15日
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†野原†
夢うつつに見る 平原の名を重ねては継ぎ重ねて 果てしなくなだらかに広がる丘陵は 黄金の実りを待つ
3月15日
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†朝の往還†
屋内にまで雨が降り始めたように 絶え間ない囁きが交わされて 錆びついた車輪に滴り落ちると 切り離さなければ耐えられない呻き声が応える
3月9日
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†昨日のベンチに†
名前のないものをおくことはできません 頑ななクロークの前で立ち往生し 公園は焼け落ちてしまった 菜の花の一輪も手向けられることなく
3月8日
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†鏡面でダンス†
一粒の砂が耳障りにも接合面に忍び込んでいたのだ この蓋は閉めることはできない ひずみは鏡像を違うものに作り替えてしまった 手を伸ばしたとてすれ違うこともできない
3月6日
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†滲む†
湿度が口元まで押し寄せてきて いつしか息を止めている 望みもせぬまの侵食 騒がしい路上が地上に吹き上げてくる
3月5日
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†テーブルの夢想†
このようにして失われていくのか 角砂糖には緑のしずくが滴り もう形をとどめることができないでいる わずかでも休息をと渇望しながらも得られぬままの今日
3月3日
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†ある和音†
窓の外 夜の奥 呼びかける声のような 音楽の 疾走する変調する波打つ終息する 幌馬車で運ばれていった日々
3月3日
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