■ 柘 榴 の 間 ■
 
 
 
   

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†雲散する運命†
それはすでに運命づけられている
私たちは解き放たれる
烙印を押された散り散りの小鳥
そしてあなたはそれを生きねばならない
12月30日

†行†
もしも輪がかけているなら
そのままにしておくがいい
沈黙を行う
もう眠りを妨げるものはない
12月29日

†ラジオ†
掠れたラジオから響く声
染み入るようにのびる
古い音楽の微妙な旋律
言葉をなさない希求よ
12月28日

†カリグラフィー†
白と黒の静寂な文様
読み取れない聖句
わずかな朱が踊る
額の中の神の名前
12月27日

†海の言葉†
灰色の海が窓に寄せて去る
海にすら身を守ろうとする人々
魚はとうから冷めていた
海の言葉は誰も聞かなかった
12月26日

†仙人の迷い†
魂は碧山を想い
身は俗塵に伏す
陶酔によって天界に遊び
幻想によって地を迷う
12月23日

†不在確認†
夢中に入れ替わる面差し
名前を捜し求めた挙句
名前のないものは呼べない
呼べないものは存在しない
12月19日

†交信†
あの熱い言葉はどこから聞えてくるのか
夜は遠く孤独なままの目覚めに
返るかどうか分からない問いかけ
どこで歌っているのかどこで呼んでいるのか
12月18日

†恐慌†
猫が飛び降りて騒ぎ立てた
禍禍しい予感に満ちて
カーテンを閉ざす
窓に触れることさえ出来ずに
12月17日

†夜明けの祈り†
時を告げる大砲の音
空白に満ちる雷鳴の音
夜明けは黄金の
祈りは立ち昇る宝玉の瑞気
12月16日

†フリーク†
ねじれた古木を愛する
風を捕えるような隙のない
細枝の網目
身を捩って逃れようとする仕種
12月16日

†透過†
冷涼な夜空の元に
全存在を透過する
空想の命名した名を捨てる
名のない星に鋲止めされる
12月15日

†夜更けの目覚め†
夜更けに巡ってくる太鼓の音
眠りを妨げ呼び覚ます為の
地響きの中を揺らされると
閉じた蓋すら開かれようとする
12月14日

†祭りを去る†
祭りは騒擾を意味する
きらびやかな楽しみ
語りすぎた挙句の
無言の責め苦
12月13日

†飢餓II†
待ち焦がれる響き
断食の開けるのを待って
味わう一杯の水のように
甘い声を耳朶は求める
12月12日

†水流†
水音に打たれて息を止める
死の思考が流れ去る
鼓膜を破った残響の雫
不意打ちの衝撃も掠れてゆく
12月12日

 
 

 
 
 
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