■ 柘 榴 の 間 ■
 
 
 
   

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†冬の情景†
香煙焚き染められた市場を行く
鶏の断末魔
揚げ菓子の黄金の蜜の滴り
音楽は埃にまみれて人待ち顔
11月23日

†音の庭†
それは中庭の耳の記憶
降り注ぐ時の刻み
鶏の声と犬の狂乱した叫びと
木魂する呼び声の聖域
11月23日

†打て†
打て、打て、響け
今、壁を叩き落している音がする
打ち砕かれるものは素直だ
偽りなく倒れている
11月22日

†拙劣な方向転換†
回路を切断するには
呪詛が必要だ
熱くした半田ごてで
焼印を入れる
11月22日

†帰路†
あなたの姿を追い抜かしてしまった
このスピードは何だったのか
あなたは何処で角を曲がったのか
見なれた信号の地名に辿りつく
11月17日

†水没の前†
体中を浸す痛みに目覚めた
朝の寝台を濡らす氷
水だ、水は昇ってくるのだ
時刻が来て棘は内より突き刺さる
11月17日

†傍観者†
渦があるのにその縁で
指を差しているのは誰か
切断点から破裂していく
相反し分離する宇宙
11月14日

†或る形†
あなたは一点を始めとして
また終わりとした
よって全ては定められた
これが是の形だ
11月12日

†すくい上げた水の文字†
波打つ風の描く曲線の
跡をなぞることはできる
とぎれた文字をなぞるように
描きなおされてしまう呼び声
11月12日

†限度†
片端を繋ぎとめられた
投げ出された
旋回はゆっくりと力を失った
投棄する形は超えることなど出来ない
11月11日

†圧力†
前触れもなく訪れる
迷惑な訪問者が皿を空にしてしまった
そうして眠れない夜におきる
耳の奥の痛み
11月11日

†泡†
飲みなさいと言うただ一言に
変色してしまったそれは
搾り取られた果実の残滓
腐敗する日々
11月11日

 
 

 
 
 
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