■ 柘 榴 の 間 ■
 
 
 
   

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†水の花†
泥の中から咲く花が白くても
仮面の舞踏が続いていた
夜の中に浮き沈みする顔は
まだ混じりあおうとはしない
6月28日

†謡手の放浪†
幾多の言語が蠢いては去っていったのだろう
乳酪が浮いている
滑らかな流れではなかった筈だ
それでも流されてここまで来たではないか
6月27日

†切り紙†
雲形定規を探しているのだ
カレンダーの日付は歪んで引き伸ばされている
色彩の感覚が無くなる
日没のあわいに
6月27日

†飛び石遊戯†
飛び石のように渡されたその
小島を伝って
今は海流に沈んでいる道を思う
いいえ、これは線引きのゲームよ
6月20日

†地下茎の呼吸†
黄昏のないところで待ちはしない
経度は混在する湿気の中に
記憶を呼吸する水滴
嵐は密林からやってきたのか
6月19日

†駱駝引きの歌†
あなたは駱駝にのるべきか
砂の向こうから群がってくる極彩色の群れに
あなたは黄色い紙幣を差し出さなかった廉で
鞭打たれて歩くがいいのだ
6月17日

†笑劇†
夏の夜だからと言うのか、どこかで
底を這うような腐臭
耳の聞こえないもの同士の叫びがあがる
笑い声は止まないだろう
6月16日

†異神に貢いでいるものに告ぐ†
時刻はとうに過ぎたではないか
そのローブの裾に火がついたではないか
嘲笑う声が聞こえてきたではないか
この身は神にあらずと告げるがいい
6月16日

†捧げる†
愛しい人が戻ってきたと言うので
瓶詰めにしたチョコレートを投げる
夜の川へ
ガラスが光輪にあたり砕ける音を
6月16日

†旅人の名†
旅をしている人の名
それは風を抜けて運ばれてきた
雨の中に潜んでいた
夜は迎える、流れてきた声
6月13日

†弔いの為に†
沼の中から生える草は多い
誰かが悪い報せを伝えたので
私たちは群がって貪った
末期を看取る優しさ
6月11日

†無花果†
夜を思い出すためには一果あればよい
高貴なる名前
内に燃えさかる花
夜を踊りにゆこうと音楽が言う
6月6日

 
 

 
 
 
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