■ 柘 榴 の 間 ■
 
 
 
   

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†喜びの泉†
人気のない街路は澄み切っている
蓋のない開ききった硝子の
心臓をさらけ出して太陽に差し出す
一切の恐れのない時が来たのだ
3月27日

†夜を躊躇う†
薔薇の花を摘んでも
恐れることはないのに
何一つ所有しようとはしない
この手に何を置いても
3月27日

†待機†
きっと時計ではないのだ
洗い流すような空の情景を重ねて
きっと呼び鈴ではないのだ
この耳の中から粉々に落ちていくものは
3月17日

†有閑の考古学†
楼閣は重みで崩壊し
言語の砂丘に築かれた帝国は沈む
砕かれて意味は残される
考古学者を待ちながら
3月15日

†約束された夜†
水晶のお守りは役に立たない
紅玉の祈りは役に立たない
夜が窓を越えて襲うように
記憶は息を止めに必ず来る
3月14日

†森の中†
鳥たちが時を謳歌している
明日は来ないと知っていて
喜びに急ぐ
森は一夜で世界を覆ったのだと
3月13日

†陽光†
陽光の中で眠る者
旅行者有閑者
許された者
忘れ去られた者
3月12日

†慰撫†
アイスクリーム一杯の慰め
諦めと野心のダブル
春の光が扉を開けて
冷たい甘味に魂を溶かす
3月10日

†躊躇い†
待ち侘びた囁きに怖れをなして
繰り返した誘惑に飽和して
このまま破り捨てようか
紙屑の証明
3月10日

†形容†
禁じられた言葉で呼んではならない
ただ樹木が生えるように
午後の光は贅沢に費やされていく
このまま引きとめはしない
3月10日

†金曜日の声†
法悦の声に満ちた午後が過ぎた
風は砂漠から春を呼んで来る
金曜日に気付く
空中には至高の楽園が架る
3月2日

†月の歌†
夜の歌を歌う
眠れなかった月のために
怒りは真珠
悲痛は水晶
3月1日

 
 

 
 
 
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