説文解字私註 口部

口部

人所以言食也。象形。凡口之屬皆从口。
吼也。从口敫聲。一曰噭、呼也。
喙也。从口蜀聲。
口也。从口彖聲。
口邊也。从口勿聲。
喉也。从口龍聲。
咽也。从口侯聲。
咽也。从口會聲。讀若快。一曰嚵、噲也。
咽也。从口天聲。
嗌也。从口因聲。
咽也。从口益聲。
大口也。从口軍聲。
張口也。从口多聲。
小兒嗁聲。从口瓜聲。詩曰:“后稷呱矣。”
小兒聲也。从口秋聲。
小兒聲。从口皇聲。詩曰:“其泣喤喤。”
朝鮮謂兒泣不止曰咺。从口、宣省聲。
秦晉謂兒泣不止曰唴。从口羌聲。
楚謂兒泣不止曰噭咷。从口兆聲。
宋齊謂兒泣不止曰喑。从口音聲。
小兒有知也。从口疑聲。詩曰:“克岐克㘈。”
小兒笑也。从口亥聲。
口有所銜也。从口兼聲。
含味也。从口且聲。
嘗也。从口叕聲。一曰喙也。
噍也。从口集聲。讀若集。
嘗也。从口齊聲。周書曰:“大保受同祭嚌。”
齧也。从口焦聲。
欶也。从口允聲。
𠻜
小㱃也。从口率聲。讀若㕞。
小𠻜也。从口毚聲。一曰喙也。
啗也。喙也。从口筮聲。
食也。从口臽聲。讀與含同。
小食也。从口幾聲。
噍皃。从口尃聲。
嗛也。从口今聲。
哺咀也。从口甫聲。
滋味也。从口未聲。
食辛嚛也。从口樂聲。
𠿡
口滿食。从口窡聲。
飽食息也。从口意聲。
喘息也。一曰喜也。从口單聲。『詩』曰、嘽嘽駱馬。
口液也。从口𡍮聲。
南陽謂大呼曰咦。从口夷聲。
東夷謂息爲呬。从口四聲。『詩』曰、犬夷呬矣。
疾息也。从口耑聲。
外息也。从口乎聲。
内息也。从口及聲。
吹也。从口虛聲。
噓也。从口从欠。
大息也。从口胃聲。
口气也。从口𦎫聲。詩曰:“大車啍啍。”
悟解气也。从口疐聲。詩曰:“願言則嚏。”
𡂒
野人言之。从口質聲。
口急也。从口金聲。
口閉也。从口禁聲。
自命也。从口从夕。夕者、冥也。冥不相見、故以口自名。
我、自稱也。从口五聲。
知也。从口折聲。
尊也。从尹。發號、故从口。
使也。从口从令。
謀事曰咨。从口次聲。
𧦝也。从口刀聲。
訊也。从口門聲。
諾也。从口隹聲。
導也。从口昌聲。
相譍也。从口禾聲。
大笑也。从口至聲。詩曰:“咥其笑矣。”
笑也。从口亞聲。易曰:“笑言啞啞。”
大笑也。从口豦聲。
笑也。从口、稀省聲。一曰哀痛不泣曰唏。
笑皃。从口斤聲。
多言也。从口世聲。詩曰:“無然呭呭。”
𡂢
聲𡂢𡂢也。从口䲷聲。
相謂也。从口出聲。
譍也。从口矣聲。讀若埃。
言之閒也。从口𢦔聲。
聚語也。从口尊聲。詩曰:“噂沓背憎。”
聶語也。从口从耳。詩曰:“咠咠幡幡。”
吸呷也。从口甲聲。
小聲也。从口彗聲。詩曰:“嘒彼小星。”
語聲也。从口然聲。
大笑也。从口奉聲。讀若詩曰“瓜瓞菶菶”。
盛气也。从口眞聲。詩曰:“振旅嗔嗔。”
疾也。从口𤐫聲。詩曰:“匪車嘌兮。”
唬也。从口虖聲。
音聲喅喅然。从口昱聲。
吹聲也。从口肅聲。
說也。从口㠯聲。
喜也。从口䍃聲。
開也。从戶从口。
聲也。从口貪聲。『詩』曰、有嗿其饁。
皆也。悉也。从口从戌。戌、悉也。
平也。从口壬聲。
助也。从口从又。
第三篇又部に重出。
語時不啻也。从口帝聲。一曰啻、諟也。讀若鞮。
善也。从士、口。
密也。从用、口。
大言也。从口庚聲。
𠼡
誰也。从口、𢏚、又聲。𢏚、古文疇。
含深也。从口覃聲。
飯窒也。从口壹聲。
咽也。从口𥁕聲。
不歐而吐也。从口見聲。
寫也。从口土聲。
气啎也。从口歲聲。
違也。从口弗聲。周書曰:“咈其耇長。”
語未定皃。从口憂聲。
言蹇難也。从口气聲。
嗜欲、喜之也。从口耆聲。
噍啖也。从口炎聲。一曰噉。
語爲舌所介也。从口更聲。讀若井級綆。
誇語也。从口翏聲。
啁、嘐也。从口周聲。
諂聲也。从口圭聲。讀若醫。
𠱫
語相訶歫也。从口歫䇂。䇂、惡聲也。讀若櫱。
讘吺、多言也。从口、投省聲。
苛也。从口氐聲。
苛也。从口此聲。
遮也。从口庶聲。
妄語也。从口夾聲。讀若莢。
多言也。从口盍聲。讀若甲。
謌聲。嗙喻也。从口㫄聲。司馬相如說、淮南宋蔡舞嗙喻也。
高气多言也。从口、蠆省聲。春秋傳曰:“噧言。”
高气也。从口九聲。臨淮有叴猶縣。
嘮呶、讙也。从口勞聲。
讙聲也。从口奴聲。詩曰:“載號載呶。”
訶也。从口七聲。
吒也。从口賁聲。一曰鼓鼻。
噴也。叱怒也。从口乇聲。
危也。从口矞聲。
驚也。从口卒聲。
驚也。从口辰聲。
驚也。从口于聲。
懼也。从口堯聲。詩曰:“唯予音之嘵嘵。”
大呼也。从口責聲。
眾口愁也。从口敖聲。詩曰:“哀鳴嗷嗷。”
㕧也。从口念聲。詩曰:“民之方唸㕧。”
唸㕧、呻也。从口尸聲。
呻也。从口嚴聲。
吟也。从口申聲。
呻也。从口今聲。
嗟也。从口兹聲。
哤異之言。从口尨聲。一曰雜語。讀若尨。
嘑也。从口丩聲。
嘆也。从口旣聲。詩曰:“嘅其嘆矣。”
語唌嘆也。从口延聲。
吞歎也。从口、歎省聲。一曰太息也。
㵣也。从口曷聲。
不容也。从口肖聲。
動也。从口化聲。詩曰:“尚寐無吪。”
嗛也。从口朁聲。
恨惜也。从口文聲。易曰:“以往吝。”
異辭也。从口、夊。夊者、有行而止之、不相聽也。
不也。从口从不。
弔生也。从口言聲。詩曰:“歸唁衞侯。”
閔也。从口衣聲。
號也。从口虒聲。
歐皃。从口㱿聲。春秋傳曰:“君將嗀之。”
口戾不正也。从口冎聲。
𠴫
嗼也。从口叔聲。
𠴫嗼也。从口莫聲。
塞口也。从口、氒省聲。
使犬聲。从口族聲。春秋傳曰:“公嗾夫獒。”
犬鳴也。从犬、口。
噑也。从口包聲。
咆也。从口皐聲。
鳥鳴聲。从口皆聲。一曰鳳皇鳴聲喈喈。
豕驚聲也。从口孝聲。
雞聲也。从口屋聲。
喔也。从口戹聲。
鳥口也。从口朱聲。
鳥鳴也。从口嬰聲。
鳥食也。从口豖聲。
嗁聲也。一曰虎聲。从口从虎。讀若暠。
鹿鳴聲也。从口幼聲。
麋鹿羣口相聚皃。从口虞聲。詩曰:“麀鹿噳噳。”
魚口上見。从口禺聲。
促也。从口在尺下、復局之。一曰博、所以行棊。象形。
山閒陷泥地。从口、从水敗皃。讀若沇州之沇。九州之渥地也、故以沇名焉。

新附

吟也。从口我聲。
嗃嗃、嚴酷皃。从口高聲。
賣去手也。从口、雔省聲。詩曰:“賈用不售”。
噞喁、魚口上見也。从口僉聲。
鶴鳴也。从口戾聲。
食也。从口契聲。
𧦝也。从口奐聲。古通用奐。
蚩笑也。从口从台。
謔也。从口朝聲。漢書通用啁。
張口皃。从口牙聲。

排列 (舊版)

口部

新附

補遺

口部 (舊版)

説文解字
吼也。从敫聲。一曰噭、呼也。
康煕字典
口部十三劃
『唐韻』『正韻』古弔切『集韻』『韻會』吉弔切、𠀤音叫。『說文』吼也。一曰噭呼也。『廣韻』噭噭、深聲。『禮・曲禮』毋噭應。《註》噭號、呼之聲也。《疏》噭謂聲響高急、如叫之號呼也。
『揚子・方言』啼極無聲、楚謂之噭咷。『前漢・韓延壽傳』噭咷楚歌。
『公羊傳・昭二十四年』昭公于是噭然而哭。《註》噭、哭聲。 補註: 恐らく昭二十五年の誤り。
『集韻』詰弔切、音竅。口也。『前漢・貨殖傳』馬蹏噭千。《註》師古曰、噭、口也。蹄與口共千、則爲馬二百也。『音義』噭、江弔反。又口弔反。
『集韻』詰歷切。與同、詳前喫字註。
吉歷切、音激。聲之激也。『史記・樂書』嘄噭之聲興而士奮。
『公羊傳・噭然釋文』噭、古弔反、一音古狄反、二音皆可讀。
ケウ
さけぶ。ほえる。よぶ。なく。
解字(白川)
形聲。聲符は敫。㰾は架屍、祭梟(首祭)。屍靈を毆つて人を呪詛する行爲を意味する。そのとき高く聲を上げて呵することを噭呼といふ。凶事のときにもいひ、『公羊傳・昭二十五年』昭公於是噭然而哭、諸大夫皆哭。、『莊子・至樂』而我噭噭然隨而哭之のやうに用ゐる。もとは呪的な行爲のときに叫ぶ聲であつた。
解字(藤堂)
形聲。に從ひ敫聲。

説文解字
喙也。从口蜀聲。

説文解字
口也。从口彖聲。

説文解字
口邊也。从勿聲。
人名用漢字

説文解字
喉也。从口龍聲。

説文解字
咽也。从侯聲。 段注は矦聲とする。
コウ
常用漢字(平成22年追加)

説文解字
咽也。从口會聲。讀若快。一曰嚵、噲也。

説文解字
咽也。从聲。
人名用漢字

説文解字
嗌也。从因聲。
常用漢字(平成22年追加)

説文解字
咽也。从口益聲。

説文解字
大口也。从口軍聲。

説文解字
張口也。从口多聲。

説文解字
小兒嗁聲。从口瓜聲。詩曰:“后稷呱矣。”

説文解字
小兒聲也。从口秋聲。

説文解字
小兒聲。从口皇聲。詩曰:“其泣喤喤。”

説文解字
朝鮮謂兒泣不止曰咺。从、宣省聲。

説文解字
秦晉謂兒泣不止曰唴。从口羌聲。

説文解字
楚謂兒泣不止曰噭咷。从口兆聲。

説文解字
宋齊謂兒泣不止曰喑。从口音聲。

説文解字
小兒有知也。从口疑聲。詩曰:“克岐克㘈。”

説文解字
小兒笑也。从口亥聲。

説文解字
口有所銜也。从口兼聲。

説文解字
含味也。从口且聲。

説文解字
嘗也。从口叕聲。一曰喙也。

説文解字
噍也。从口集聲。讀若集。

説文解字
嘗也。从聲。周書曰、大保受同祭嚌。

説文解字
齧也。从口焦聲。

説文解字
欶也。从口允聲。

𠻜

説文解字
小㱃也。从口率聲。讀若㕞。

説文解字
小𠻜也。从口毚聲。一曰喙也。

説文解字
啗也。喙也。从口筮聲。

説文解字
食也。从口臽聲。讀與含同。

説文解字
噍皃。从口尃聲。

説文解字
嗛也。从聲。
當用漢字・常用漢字

説文解字
哺咀也。从聲。
常用漢字(平成22年追加)

説文解字
滋味也。从聲。
當用漢字・常用漢字

説文解字
食辛嚛也。从口樂聲。

𠿡

説文解字
口滿食。从口窡聲。

説文解字
飽食息也。从口意聲。

説文解字
喘息也。一曰喜也。从聲。詩曰、嘽嘽駱馬。

説文解字
唾𠾊口液也。从𡍮聲。
唾或从水。
康煕字典
口部八劃
『唐韻』湯臥切『集韻』『韻會』『正韻』吐臥切、𠀤音毻。『說文』口液也。『禮・曲禮』讓食不唾。又『內則』不敢唾洟。『左傳・僖三十三年』不顧而唾。
『說文』本作𠾊。或作涶『廣韻』作涶。涶字作水𡍮。
解字(白川)
聲符は垂。垂は枝端の華が垂れて地に達する形で、落ちる意がある。
解字(藤堂)
會意、垂は亦た音符。垂は、作物の穗の垂れた形と土の會意字。唾は、口からだらりと垂れ下がる唾。
常用漢字(平成22年追加)

説文解字
南陽謂大呼曰咦。从口夷聲。

説文解字
疾息也。从口耑聲。

説文解字
外息也。从聲。
當用漢字・常用漢字

説文解字
内息也。从聲。
當用漢字・常用漢字

説文解字
吹也。从口虛聲。

説文解字
噓也。从从欠。
當用漢字・常用漢字

説文解字
大息也。从口胃聲。

説文解字
口气也。从口𦎫聲。詩曰:“大車啍啍。”

説文解字
悟解气也。从口疐聲。詩曰:“願言則嚏。”

𡂒

説文解字
野人言之。从口質聲。

説文解字
口急也。从口金聲。

説文解字
口閉也。从口禁聲。

説文解字
自命也。从。夕者、冥也。冥不相見、故以口自名。
當用漢字・常用漢字

を參照のこと。

説文解字
知也。从折聲。
當用漢字・常用漢字

説文解字
尊也。从。發號、故从
當用漢字・常用漢字

説文解字
使也。从从令。
當用漢字・常用漢字

説文解字
謀事曰咨。从口次聲。

説文解字
𧦝也。从刀聲。
當用漢字・常用漢字

を參照のこと。

説文解字
諾也。从隹聲。
當用漢字・常用漢字

説文解字
導也。从聲。
當用漢字・常用漢字

を參照のこと。

説文解字
大笑也。从至聲。『詩』曰、咥其笑矣。

説文解字
笑也。从亞聲。『易』曰、笑言啞啞。

説文解字
大笑也。从口豦聲。

説文解字
笑也。从口、稀省聲。一曰哀痛不泣曰唏。

説文解字
笑皃。从口斤聲。

説文解字
多言也。从聲。『詩』曰、無然呭呭。

説文解字
嘄𡂢 聲𡂢𡂢也。从䲷聲。
康煕字典
口部十一劃
『唐韻』古堯切『集韻』堅堯切、𠀤音驍。『說文』聲嘄嘄也。『前漢・伍被傳』狂夫嘄謼於東崖。
嘄陽、獸名。『淮南子・氾論訓』山出嘄陽。『揚雄・校獵賦』𦊌嘄陽。
『集韻』吉弔切、同。詳前叫字註。『類篇』別作𡂢。
ケウ
さけぶ

説文解字
相謂也。从聲。

説文解字
譍也。从口矣聲。讀若埃。

説文解字
言之閒也。从𢦔聲。
人名用漢字

説文解字
聚語也。从聲。『詩』曰、噂沓背憎。
人名用漢字

説文解字
聶語也。从口从耳。詩曰:“咠咠幡幡。”

説文解字
吸呷也。从口甲聲。

説文解字
小聲也。从口彗聲。詩曰:“嘒彼小星。”

説文解字
語聲也。从口然聲。

説文解字
大笑也。从口奉聲。讀若詩曰“瓜瓞菶菶”。

説文解字
盛气也。从口眞聲。詩曰:“振旅嗔嗔。”

説文解字
疾也。从口𤐫聲。詩曰:“匪車嘌兮。”

説文解字
唬也。从虖聲。

説文解字
音聲喅喅然。从口昱聲。

説文解字
吹聲也。从口肅聲。

説文解字
說也。从口㠯聲。

説文解字
喜也。从口䍃聲。

説文解字
開也。从戶从口。

説文解字
聲也。从口貪聲。詩曰:“有嗿其饁。”

説文解字
皆也。悉也。从口从戌。戌、悉也。

説文解字
平也。从𡈼聲。
康煕字典
口部四劃
『唐韻』直貞切『集韻』馳貞切『韻會』馳成切、𠀤音程。『說文』平也。从口𡈼聲。
『玉篇』解也。
『廣韻』示也、見也。『正韻』露也。
姓。『正字通』古今印藪有呈紳。
通。『史記・秦始皇紀』上至以衡石量書、日夜有呈、不中呈不得休息。
『廣韻』『集韻』𠀤直正切、音鄭。『廣韻』自媒衒。『唐書・韋澳傳』恐無呈身御史。
『集韻』丑郢切、音騁。與同、通也。一曰快也。
あらはれる。あらはす。しめす。すすめる。
解字(白川)
𡈼の會意。口は祝禱を收める器、これを高く揭げて挺立し、神に呈して祈ることをいふ。
解字(藤堂)
𡈼の會意、𡈼は亦た音符。𡈼は、人が直立した脛のところを一印で示した指示字。呈は、口で眞つ直ぐに述べる、隱さずずばりと表現すること。
解字(漢字多功能字庫)
甲骨文は囗とに從ふ。士は斧鉞の形を象る。構形本義不明。甲骨文では地名に用ゐる。小篆に至り𡈼に從ふ形に變はる。𡈼は挺の初文で、呈字の聲符。
古璽「呈志」の呈は逞の通假字で、讀んで「逞志」となし、志を達成し快感に至るを表す。楚簡では盈の通假字となす。
當用漢字・常用漢字

康煕字典は、口に𡈼の呈字とは別に、口に王の呈字を錄す。

康煕字典・呈(口王)
『集韻』古作呈。註詳屮部四畫。
『字彙補』古文字。註詳犬部四畫。
『郭氏正誤』呈、从王从口。與呈字異。呈字从𡈼。

を參照のこと。

説文解字
語時不啻也。从口帝聲。一曰啻、諟也。讀若鞮。

説文解字
善也。从
當用漢字・常用漢字

説文解字
密也。从
𠄗 古文周字从古文
康煕字典
口部五劃
《古文》𠱬𠄗
『唐韻』職流切『集韻』『韻會』之由切、𠀤音州。『廣韻』徧也。『易・繫辭』知周乎萬物。
至也。『書・泰誓』雖有周親、不如仁人。《傳》周、至也。
忠信也。『書・太甲』自周有終。《傳》用忠信有終也。『詩・小雅』行歸于周。『論語』君子周而不比。《註》忠信爲周、阿黨爲比。
終也。『左傳・昭二十年』以周事子。《註》周、猶終竟也。
『說文』密也。『管子・樞言篇』先王貴當貴周、周者不出于口、不見于色、一龍一蛇、一日五化、之謂周。《註》深密不測、故周也。
曲也。『詩・唐風』生于道周。《傳》周、曲也。
『詩・周南疏』周、代名、其地在岐山之陽、漢屬扶風美陽縣。
『廣韻』備也。『前漢・路溫舒傳』鍛錬而周內之。《註》晉灼曰、精熟周悉、致之法中也。
『廣韻』周帀也。『前漢・劉向傳』周回五里有餘。『韻會』俗作、非。
鳥名。『爾雅・釋鳥』巂周。《疏》今謂之子規。又『韓非子・說林篇』鳥有周周者、重首而屈尾、將欲飮于河則必顚、乃銜其羽而飮之。一作
不周、山名、在崑崙。『屈原・離騷』路不周以左轉兮。
風名。『白虎通』西北曰不周風。不周者、不交也、言隂氣未合化也。
陽周、平周、定周、皆縣名。『前漢・地理志』上郡陽周縣、西河郡平周縣、鬰林郡定周縣。
姓。『廣韻』本自周平王子、別封汝川、人謂之周家、因氏焉。又魏獻帝次兄普氏、後攺爲周氏。又複姓、魏初徴士燉煌周生烈。
通。『論語』君子周急不繼富。『孟子』君之於氓也、固周之。
叶市朱切、音殊。『季歷哀慕歌』梧桐萋萋、生于道周。宮榭徘徊、臺閣旣除。
シウ
まはり。めぐる。あまねし。そなはる。
解字(白川)
たての會意。周の國號に用ゐる字は、卜文では方形の干を四分して雕飾の點を加へた形、金文に至つて下に祝禱の器の形を加へる。金文に周玉(琱玉)、玄周戈(玄琱戈)のやうに用ゐ、周は、雕の初文。その雕飾の稠密であることから、周帀(補註: めぐりまはる、あまねくゆきわたる)の意となる。その雕盾が恐らく周族の徽號的な聖器であつたらしく、その器に祈つて行動したので、周がその國號、王朝の號となつた。周が雕盾の象であることは、や劃の字形に含まれる田の形が、周の元の字形であることからも知られる。
解字(藤堂)
田の中いつぱいに米のある形と印の會意。切れ目なく全部に行き渡る意を含む。稠密の稠の原字。口印はくちではなく四角い領域を示し、全部に滿遍なく行き渡ることから周圍の意となる。
解字(落合)
甲骨文は、田に小點を加へた象形字。穀物などを植ゑた狀態を表してゐる。田を變形させただけの異體字もある。
西周金文で下部にを加へる。
解字(漢字多功能字庫)
甲骨文の釋義に二説ある。一説は、耕作地の樣子を象るとする。一説は、周は彫や琱の初文であるとし、本義を彫琢の玉器といふ。按ずるに、周字は實や畫などの要素となつてゐて、耕作地と理解するのは難しく、且つ、金文では周を琱の本義に用ゐる例があり、故に後説を採用する。周を國名に借用するため、金文では下方にを加へた字がある。甲骨文、金文では、國名の字に往々にして口を加へて分化の符號となす。西周晩期に字形の上部がやうやく用と同じ形になり、戰國文字は多くこれを承け、小篆もまた誤つてに從ふ。
甲骨文では方國名に用ゐる。姬姓の周とは別である。別に、周字を姬姓の周國に用ゐる例もある。
金文では本義に用ゐる。別に、金文では多く姬姓の王朝を指す。また周朝の都城を指す。
周は、花紋の細密なることから派生して周密、謹嚴の意を有す。更には親密の義を派生する。
別に、周には遍く行き渡るの意があり、更にはめぐる、とりかこむの意を派生する。
當用漢字・常用漢字

説文解字
大言也。从聲。
古文唐从口、昜。
康煕字典
口部七劃
《古文》啺𣉺𡃯
『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤徒郎切、音堂。『說文』大言也。从口庚聲。『莊子・天下篇』荒唐之言。
『史記・司馬相如・上林賦』瑉玉旁唐。《註》郭璞云、旁唐、盤薄。
國名。『玉篇』堯稱唐者蕩蕩、道德至大之貌。『書・五子之歌』惟彼陶唐、有此冀方。《疏》韋昭云、陶、唐皆國名、猶湯稱殷商也。○按書傳皆言堯以唐侯升爲天子、不言封於陶唐。陶唐二字、或共爲地名、未必如昭言也。又『詩・唐風疏』唐者、成王母弟叔虞所封其地、帝堯夏禹所都之墟、漢曰太原郡。
漢縣名。『前漢・地理志』中山國唐縣。《註》故堯國也、唐水在西。『詩・唐風疏』皇甫謐曰:堯始封於唐、今中山唐縣是也。後徙晉陽、及爲天子、都平陽、於詩爲唐國、則唐國爲平陽也。
魯地。『春秋・隱二年』公及戎盟于唐。《註》高平方輿縣北有武唐亭。又『戰國策』左濟右天唐。《註》謂高唐。『前漢・地理志』平原郡高唐。《註》桑欽言、漯水所出也。又『武帝紀』南巡狩至於盛唐。《註》韋昭曰、在南郡。又『地理志』會稽郡錢唐。《註》武林水所出。又『後漢・光武紀』進屠唐子鄉。《註》唐子鄉有唐子山、在今唐州湖陽縣西南。『廣韻』唐州、楚地。戰國時屬晉、後入於韓、秦屬南陽郡、後魏爲淮州、隋爲顯州、貞觀攺爲唐州、因唐城山爲名。
姓。『廣韻』唐堯之後、子孫氏焉。『史記・秦本紀』孝文王立、尊唐八子爲唐太后。又『屈原傳』楚有宋玉、唐勒、景差之徒。又唐山、複姓。『前漢・禮樂志』高祖唐山夫人。
『詩・𨻰風』中唐有甓。《傳》中、中庭也。唐、堂途也。《疏》爾雅釋宮云、廟中路謂之唐、堂途謂之𨻰。李巡曰、唐、廟中路名。孫炎引詩中唐有甓。堂途、堂下至門之徑也。然則唐之與𨻰、廟庭之異名耳、其實一也。故云、唐、堂途也。『周語』陂唐汚庳、以鍾其美。《註》唐、俗本作。『說文』無塘字。『莊子・徐無鬼』其求唐子也、而未始出域、有遺類矣。《註》唐子者、堂途給使令之人、猶周禮云門子耳。
草名。『詩・鄘風』爰采唐矣。《傳》唐、蒙菜名。『爾雅・釋草』唐蒙、女蘿。女蘿、菟絲。
弓名。『周禮・夏官・司弓矢』唐弓、大弓、以授學射者。
叶徒紅切、音同。『歐陽修・楊諫議銘』震官太尉、四世以公。於陵正直、僕射於唐。
タウ
ほら。ひろい。むなしい。
(國訓) から。もろこし。
解字(白川)
の會意。庚は康の從ふところで、杵で脱穀する形。口は祝禱を收める器の形。その前に杵を置いて祈る意。
殷の始祖大乙は、卜辭には「唐」、金文には「成唐」、『詩』『書』には「湯」「成湯」といふ。『爾雅・釋宮』に宮中衖、謂之壼、廟中路、謂之唐、堂途、謂之陳。とあり、また隄唐、場ともいふ。場は祭祀壇場の意で、唐と聲義が通ずる。それで殷の唐を、のち湯と稱するのであらう。
解字(藤堂)
と、(ぴんと張る)の會意。もと、口を張つて大言すること。その原意は荒唐といふ熟語に保存されたが、單獨では專ら國名に用ゐる。大きな國の意を含めた國名である。
解字(漢字多功能字庫)
甲骨文、金文は、に從ひ、聲。小篆の本とする所である。戰國文字はまた口に從ひ昜聲の字形がある。説文解字ではこれを唐の古文とする。
説文解字では本義を大言、大話とする。『莊子・天下』に莊周聞其風而悅之、以謬悠之說、荒唐之言、無端崖之辭、時恣縱而不儻、不以觭見之也。とあり、成玄英の疏に荒唐、廣大也。といふ。韓愈『桃源圖』に神仙有無何眇芒、桃源之說誠荒唐。とある。
甲骨文、金文にこの用法は見えず、人名に多用され、商王大乙を指す。傳世文獻では、『尚書・泰誓中』有夏桀弗克若天、流毒下國、天乃佑命成湯、降黜夏命。の如く、「湯」或は「成湯」と稱す。
唐はまた族名或は方國名に用ゐる。
傳世文獻中に、唐は大言の義から廣大の義を派生する。また空虚の意を派生する。
池塘の塘はもと唐につくる。
唐はまた廟堂の前あるいは庭院の中の路を表す。(補註: 『爾雅・釋宮』(前掲)など)
また『詩經』に見える草の名。蔓生植物の一種で、俗稱は「菟絲」(補註: ねなしかづら。Wikipediaを參照する限り、ヒメネナシカヅラに當てる)。また、薔薇科に屬する「唐棣」(補註: 采振り木)がある。
當用漢字・常用漢字

𠼡

説文解字
誰也。从口、𢏚、又聲。𢏚、古文疇。

説文解字
含深也。从口覃聲。

説文解字
飯窒也。从口壹聲。

説文解字
咽也。从口𥁕聲。

説文解字
不歐而吐也。从口見聲。

説文解字
寫也。从土聲。
當用漢字・常用漢字

説文解字
气啎也。从口歲聲。

説文解字
違也。从口弗聲。周書曰:“咈其耇長。”

説文解字
語未定皃。从口憂聲。

説文解字
言蹇難也。从口气聲。

説文解字
嗜欲、喜之也。从口耆聲。

説文解字
噍啖也。从口炎聲。一曰噉。

説文解字
語爲舌所介也。从口更聲。讀若井級綆。

説文解字
誇語也。从口翏聲。

説文解字
啁、嘐也。从口周聲。

説文解字
諂聲也。从口圭聲。讀若醫。

𠱫

説文解字
語相訶歫也。从口歫䇂。䇂、惡聲也。讀若櫱。

説文解字
讘吺、多言也。从口、投省聲。

説文解字
苛也。从口氐聲。

説文解字
苛也。从口此聲。

説文解字
遮也。从口庶聲。

説文解字
妄語也。从口夾聲。讀若莢。

説文解字
多言也。从口盍聲。讀若甲。

説文解字
謌聲。嗙喻也。从口㫄聲。司馬相如說、淮南宋蔡舞嗙喻也。

説文解字
高气多言也。从口、蠆省聲。春秋傳曰:“噧言。”

説文解字
高气也。从口九聲。臨淮有叴猶縣。

説文解字
嘮呶、讙也。从口勞聲。

説文解字
讙聲也。从口奴聲。詩曰、載號載呶。

𠮟

説文解字
訶也。从聲。
康煕字典
口部二劃
『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤尺栗切、音𩾔。『說文』訶也。『倉頡篇』大訶爲𠮟。『禮・曲禮』尊客之前不𠮟狗。『左傳・昭二十六年』子囊帶從野洩、𠮟之。『公羊傳・莊十一年』手劒而𠮟之。『史記・淮隂侯傳』喑噁𠮟咤、千人皆廢。
『集韻』亦作。『禮・內則』不嘯不指。《註》嘯讀爲𠮟。
『集韻』『韻會』𠀤戚悉切、音七。『集韻』聲也。『莊子・齊物論』𠮟者吸者。《註》若𠮟咄聲。『陸德明・音義』𠮟、昌實反、徐邈音七。
『毛晃曰』从口从七。或从𠤎、誤。
解字(白川)
聲。𠮟りつけることをいふ。𠮟咤はいづれも聲氣をうつす擬聲語。
解字(藤堂)
會意。は切の原字で、鋭い刃でさつと切ること。𠮟はしつと鋭くどなる意。
常用漢字(平成22年追加)
《漢字表字體》𠮟(U+20B9F; JIS:1-47-4) (U+53F1; JIS:1-28-8)

説文解字
吒也。从賁聲。一曰鼓鼻。
當用漢字・常用漢字

説文解字
噴也。叱怒也。从口乇聲。

説文解字
危也。从口矞聲。

説文解字
驚也。从口卒聲。

説文解字
驚也。从聲。
常用漢字

説文解字
驚也。从口于聲。

説文解字
懼也。从口堯聲。詩曰:“唯予音之嘵嘵。”

説文解字
大呼也。从口責聲。

説文解字
眾口愁也。从口敖聲。詩曰:“哀鳴嗷嗷。”

説文解字
㕧也。从口念聲。詩曰:“民之方唸㕧。”

説文解字
唸㕧、呻也。从口尸聲。

説文解字
呻也。从口嚴聲。

説文解字
吟也。从口申聲。

説文解字
呻也。从聲。
當用漢字・常用漢字

説文解字
嗟也。从口兹聲。

説文解字
哤異之言。从口尨聲。一曰雜語。讀若尨。

説文解字
嘑也。从聲。
康煕字典
口部二劃
『唐韻』『正韻』吉弔切『集韻』『韻會』古弔切、𠀤音訆。『說文』嘑也。『詩・小雅』或不知叫號。『釋文』叫本又作。又叫叫、遠聲也。『揚雄・解難』大語叫叫。
叫奡、高舉貌。『司馬相如・大人賦』糾蓼叫奡。
色叫。『麈史』王德用召入兩府、有干薦舘職者。王曰、某武人、素不閱書、若奉薦則色叫矣。今人以事理不相當爲色叫、本此。
『集韻』『韻會』𠀤古幼切、音救。『集韻』聲也。『莊子・齊物論』叫者譹者、郭象讀。『前漢・昌邑王傳』遂叫然號曰。
『玉篇』同。『集韻』或作𠶼
俗作、非。
ケウ
さけぶ。なく。
解字(白川)
形聲。聲符は。説文解字に嘑ぶなりといふ。は虖聲。みな擬聲語。
解字(藤堂)
會意、は亦た音符。丩は糾の原字で、繩をよぢり合はせたさまを描いた象形字。叫は金切り聲(しぼり聲)でさけぶこと。
解字(漢字多功能字庫)
に從ひ聲。本義は呼喊。『詩・小雅・北山』或不知叫號、或慘慘劬勞。の毛傳に叫、呼。といふ。
鳴叫を表す。漢馬融『長笛賦』猿蜼晝吟、鼯鼠夜叫。
また招き呼ぶことを表す。漢王逸『九思・疾世』言旋邁兮北徂、叫我友兮配耦。
近現代の漢語では稱すること、名を呼ぶことを表す。また、受身、使役を表す。
當用漢字・常用漢字

説文解字
嘆也。从聲。『詩』曰、嘅其嘆矣。

説文解字
語唌嘆也。从聲。

説文解字
吞歎也。从、歎省聲。一曰太息也。
當用漢字・常用漢字
《漢字表字體》嘆(U+5606; 1-35-18)
《人名用許容字體》嘆(U+FA37; JIS: 1-15-15)

説文解字
㵣也。从聲。
常用漢字

説文解字
不容也。从肖聲。
人名用漢字

説文解字
動也。从聲。詩曰、尚寐無吪。
康煕字典
口部四劃
『唐韻』五禾切『集韻』『韻會』『正韻』吾禾切、𠀤音囮。『說文』動也。『詩・王風』尚寐無吪。《傳》吪、動也。『釋文』吪、本亦作。又『小雅』或寢或訛。『玉篇』引『詩』作吪。『廣韻』本作訛、亦作。『小雅釋文』韓詩作譌。譌、覺也。
『廣韻』化也。『詩・豳風』周公東征、四國是吪。《傳》吪、化也。『釋文』吪、又作訛。
『廣韻』謬也。
『集韻』『韻會』𠀤乎瓜切、音譁。口開也。
『集韻』或作𨅌
クヮ
うごく。かはる。あやまる。なまる。

説文解字
嗛也。从口朁聲。

説文解字
恨惜也。从口文聲。易曰、以往吝。

説文解字
異辭也。从、夊。夊者、有行而止之、不相聽也。
當用漢字・常用漢字

説文解字
第十二篇不部に重出。
不也。从
(1) フ。フウ。(慣用) ヒ。
(2) ヒ
(1) いな。しからず。あらず。
(2) わるい
解字(白川)
會意。は祝禱の器。その上を蓋ふことによつてこれを拒否し、妨げる意を表す。
別に、、否、といふ系列に屬するものがあり、不は萼不、その花蔕が成熟する過程を丕、否、咅といひ、實のはじけ割れることを剖判といふ。
諾否、否定の否と、不、丕系列の字と、もと別系であらうが、いま否に兩義がある。
解字(藤堂)
形聲。は、膨らんだつぼみの象、菩の原字。否定詞に假借する。否は、口を添へて言語行爲であることを示した字で、否定を表す言葉。呸と同じ。
解字(落合)
に意符としてを加へた繁文。
解字(漢字多功能字庫)
金文はに從ひ、不は聲符。晩期金文に見える。古くは不と否はもと一字で、否は最初は不を借用して表され、晩期になりやうやく口を加へて否字がつくられた。
金文では否定の副詞となし、用法は不と同じ。また讀んでとなす。戰國竹簡でも否定の副詞に用ゐる。
當用漢字・常用漢字

説文解字
弔生也。从聲。『詩』曰、歸唁衞侯。

説文解字
閔也。从衣聲。
當用漢字・常用漢字

説文解字
號也。从口虒聲。

説文解字
歐皃。从口㱿聲。春秋傳曰、君將嗀之。

を參照のこと。

𠴫

説文解字
嗼也。从口叔聲。

説文解字
𠴫嗼也。从口莫聲。

𠯑

説文解字
塞口也。从、氒省聲。
𤯁 古文从
康煕字典
口部四劃
《古文》𤯁
『唐韻』『集韻』𠀤古活切、音括。『說文』塞口也、从口、氐省聲。氐音厥。
『玉篇』下刮切、音頢。塞也。
『廣韻』亦書作
クヮツ
けづる。ふさぐ。
解字(白川)
氏との會意。氏は劂刀(把手のある曲刀)の形。口は祝禱を收める器の形。劂刀でその器の蓋をこじあけ、けづる意の字で、刮の初文とみてよい。刮は更に刀を加へた重複の字。
解字(藤堂)
と氒の會意、氒は亦た音符。
先端が括れた彫刻刀の象。丸い穴を彫り、その穴の入口が括れてゐる意を含む。(『漢字源』括字條)
氒の甲骨文は丸く括れた彫刻刀の象で、𠯑は丸く括れる意、括の原字。(『漢字源』活字條)
丸く抉る刃物(劂刀)の形の下に口印を添へた字。(『漢字源』話字條)

は別字。活、括、刮、筈、話などは、舌ではなく𠯑に從ふ字。

説文解字
使犬聲。从口族聲。春秋傳曰:“公嗾夫獒。”

説文解字
犬鳴也。从犬、口。

説文解字
噑也。从口包聲。

説文解字
咆也。从口皐聲。

説文解字
鳥鳴聲。从口皆聲。一曰鳳皇鳴聲喈喈。

説文解字
豕驚聲也。从口孝聲。

説文解字
雞聲也。从口屋聲。

説文解字
喔也。从口戹聲。

説文解字
鳥口也。从口朱聲。

説文解字
鳥鳴也。从口嬰聲。

説文解字
鳥食也。从豖聲。
人名用漢字

説文解字
嗁聲也。一曰虎聲。从口从虎。讀若暠。

説文解字
鹿鳴聲也。从幼聲。

説文解字
麋鹿羣口相聚皃。从虞聲。『詩』曰、麀鹿噳噳。

説文解字
魚口上見。从禺聲。

説文解字
促也。从在尺下、復局之。一曰博、所以行棊。象形。
康煕字典
尸部四劃
『廣韻』渠玉切『集韻』『韻會』衢六切、𠀤音跼。『說文』促也。从口、在尺下、復局之。一曰博、所以行棊、博局外有垠堮周限可用、故謂人材爲幹局。『廣韻』曹局也。『禮・典禮』左右有局。《註》軍之左右有部分、不相濫也。『又』各司其局。《註》軍行須監領也。
拘也、促也、曲身也。『屈原・離騷』僕夫悲余馬懷兮、蜷局顧而不行。《註》曲促、回顧不前也。『史記・魏其傳』今日廷論、乃局趣效轅下駒。
鬈髮也。『詩・小雅』予髮曲局。《註》局、卷貌。
『增韻』匣也。又『唐文粹』有負局生。
叶居亦切。『詩・小雅』謂天蓋高、不敢不局。叶下蹐蜴。蹐音積。
つぼね。かぎる。ちぢまる。まがる。せまい。
解字(白川)
尺との會意。尺は身を屈してゐる形、いはゆる屈肢葬。口は祝禱を收める器。この屍骨の呪靈に對して祝禱する形で、局促して迫る意がある。屈肢の屍による呪儀であるから、迫り促す意があり、また屈肢の象から、かがむ、ちぢまる、分局、局守、局部、局面などの意となる。
解字(藤堂)
の字形の變はつたもので、小さい枠を區切ること。
解字(漢字多功能字庫)
が尺の下にある形。局促を表す。
當用漢字・常用漢字

説文解字
山閒陷泥地。从口、从水敗皃。讀若沇州之沇。九州之渥地也、故以沇名焉。

新附

説文解字
吟也。从口我聲。

説文解字
嗃嗃、嚴酷皃。从口高聲。

説文解字
賣去手也。从省聲。『詩』曰、賈用不售。

説文解字
噞喁、魚口上見也。从僉聲。

説文解字
鶴鳴也。从戾聲。

説文解字
食也。从契聲。
當用漢字・常用漢字

説文解字
𧦝也。从聲。古通用奐。
當用漢字・常用漢字

説文解字
蚩笑也。从从台。

説文解字
謔也。从聲。漢書通用
常用漢字(平成22年追加)

説文解字
張口皃。从聲。

補遺

當用漢字・常用漢字

康煕字典
口部七劃
『廣韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤薄邁切、音敗。『玉篇』梵音聲。『集韻』西域謂頌曰唄。『法苑』西方之有唄、猶東國之有讚。讚者、從文以結章。唄者、短偈以流頌。比其事義、名異實同。
バイ
うた
解字(白川)
貝聲。いはゆる梵唄。玉篇に梵音の聲なりとあり、梵語のpāṭhaka(補註: पाठक)を唄匿と釋する。
本邦では小唄、俗謠の類にこの字を用ゐる。
解字(藤堂)
音符は貝。梵語bhāșaの音譯語「唄匿」の略。三國時代につくられた字。
常用漢字(平成22年追加)

康煕字典
口部七劃
『廣韻』『集韻』『韻會』蘇禾切『正韻』桑何切、𠀤音梭。『玉篇』㗻唆、小兒相應也。
『正字通』俗云使唆。
『集韻』數化切、音傻。與同。枉也。詳言部誜字註。
解字(白川)
聲符は夋。夋にの聲がある。人を使嗾する意。その擬聲的な語であらう。
解字(藤堂)
會意、夋は亦た音符。夋は、俊(すらりと細い人)や梭(細い杼)に含まれ、細い意を含む。唆は、他人を嗾けるときに、口を細く窄めて合圖する姿のこと。
當用漢字・常用漢字

康煕字典
口部二劃
『集韻』火跨切、音化。開口貌。○按『正字通』同、通作。無據。

上記のとほり、康煕字典に𠮟と違ふ音義を採るため、別に立てた。

康煕字典
口部二十一劃
『廣韻』之欲切『集韻』朱欲切、𠀤音燭。『玉篇』付囑也。『廣韻』託也。『字彙』俗作嘱。
いひつける。たのむ。
解字(白川)
屬聲。屬に連屬するものの意があり、囑とは付託して己の意をつぎ行はせることをいふ。
解字(藤堂)
會意、屬は亦た音符。屬はぴつたりくつついて離れない意を含む。囑は相手の耳に口をくつつけて言ひ含めること。
當用漢字・常用漢字
《漢字表字體》嘱

常用漢字(平成22年追加)

康煕字典
口部七劃
『玉篇』力忌切、音吏。出陀羅尼。『正字通』語餘聲。
『正字通』音里。元人詞曲、借爲助語。
『正字通』明制、冬至日、賜諸臣甜食一盒、凡七種、一松子海哩𠿨。鄭以偉曰、𠿨字諸字書俱不載、今亦不識海哩𠿨爲何物。
○按五音『集韻』又莫六切、音目、楚人謂欺爲哩𣐉、乃嚜字之譌。互詳嘿嚜二字註。
人名用漢字

強調の助辭。また、マイルに當てる。

クヱン
かまびすしい
人名用漢字

(1) テフ
(2) タフ
(1) しやべる
(2) ついばむ
人名用漢字

康煕字典
口部十二劃
『廣韻』楚耕切『集韻』初耕切、𠀤音琤。『玉篇』噌吰、市人聲。
『集韻』鋤耕切、音崢。義同。
慈陵切、音繒。泓噌、空囂意。『晉書・王沈傳釋時論』空囂者、以泓噌爲雅量。
サウ
かまびすしい
人名用漢字

本邦では味噌の字に用ゐる。