説文解字私註 士部

士 事也。數始於一、終於十。从一从十。孔子曰、推十合一爲士。凡士之屬皆从士。
夫也。从士胥聲。『詩』曰、女也不爽、士貳其行。士者、夫也。讀與細同。
婿 壻或从女。
大也。从士爿聲。
舞也。从士尊聲。『詩』曰、墫墫舞我。

士部 舊版

説文解字
夫也。从胥聲。『詩』曰、女也不爽、士貳其行。士者、夫也。讀與細同。
婿 壻或从女。 (康煕女部)
康煕字典
士部九劃
『廣韻』蘇計切『集韻』『韻會』『正韻』思計切、𠀤音細。女之夫曰壻、妻謂夫亦曰壻。『左傳・文八年』晉侯使解揚歸匡戚之田于衞、且復致公壻池之封。《註》公壻、晉君壻。池、其名。『爾雅・釋親』江東呼同門爲僚壻、兩壻相稱爲亞壻。又家貧出贅妻家曰贅壻。『史記・滑稽傳』淳于髠、齊之贅壻。又『孟康曰』西方謂亡女壻曰丘壻。丘、空也。
公壻、楚地名。『左傳・定二年』戰于公壻之谿。
鄕名。壻鄕、在漢中城固縣。『華陽國志』唐公房成仙之日、其壻未還、約此川爲居、因名其鄕曰壻鄕、水曰壻水。
『說文』从士、胥聲、或从女作婿、義通。『徐曰』胥有才智之稱。又長也、壻者女之長也。別作𦕓𡎎
康煕字典・婿
女部九劃
『集韻』同壻。
解字(白川)
形聲。聲符は胥。
『方言・三』に、東齊では壻をセイの音で讀むといふ。倩に美士の意があるといふ。(補註: 『方言・三』東齊之間聓謂之倩。)
俗に聟の字につくるが、造字の由來を知り難い。
解字(藤堂)
婿は女(むすめ)と胥の會意。疋は足のことで、左右の足で一對をなす。胥も對をなす仲間の意を含む。むすめと結ばれて對をなした男性のこと。
當用漢字・常用漢字
《漢字表字體》婿

説文解字
大也。从聲。
康煕字典
士部四劃
『廣韻』『集韻』『韻會』側亮切『正韻』側况切、𠀤莊去聲。『說文』大也。又彊也、盛也。『爾雅・釋天』八月爲壯。『易・卦名』震上乾下、大壯。『禮・曲禮』三十曰壯。『月令』仲冬之月、冰始壯。
『史記・趙后傳』額上有壯髮。『師古曰』俗呼圭頭是也。
『前漢・食貨志』貝有五種、一曰壯貝。
傷也。『郭璞曰』淮南呼壯爲傷。
醫用艾灸、一灼謂之壯。
側羊切、音莊。亦姓。『晉語』趙𥳑子問賢人、得壯馳兹。
『伏滔・望濤賦』宏濤於是鬱起、重流於是電驤。起沙渟而迅邁、觸橫門而克壯。
俗从土作𡉟、省作、𠀤非。
サウ。シャウ。
さかん。つよい。
解字(白川)
形聲。聲。
爿に從ふ字には版築の版木の形と、また牀に從ふ形の二系がある。ただ壯、の從ふところは、この二系に屬するものとみえず、殷金文に多く見える圖象から出てゐるものであらう。銘文の内容によつて考へると、當該圖象は王子の後、いはば親王家の身分を示す圖象とみられ、王朝の軍政の執行者であつた。壯はそのやうな特定身分の集團をひきゐるものであり、將はその指揮官、壯はその年齢階層的な呼び方であつたと思はれる。『禮記・曲禮上』三十曰壯とあり、『廣雅・釋詁二』に健なりといふ。健兒の類であらう。は鉞頭を儀器とする意で、戰士階級をいふ。
解字(藤堂)
(をとこ)との會意、爿は亦た音符。爿は寢臺にする長い板を縱に描いた象形字で、長い意を含む。壯は堂々とした背丈の長い男のこと。また、堂々と體格の伸びた意から、勇ましい意を派生する。
解字(漢字多功能字庫)
に從ひ、爿は亦た聲符。士は武士を表す。本義は強壯。壯年の意を派生する。
壯字は戰國期に初めて見える。士は斧鉞の類の武器を象り、これは古代の兵士の武器で、強い武士を表すために用ゐる。本義は強壯、轉じて壯大。
金文では壯年を表す。中山王鼎含(今)舍(余)方壯
戰國竹簡では本義に用ゐる。《睡虎地秦簡.封診式》簡60男子丁壯。漢帛書でも本義に用ゐる。如《馬王堆.天下至道談》第27行老者復壯は、老人が恢復し壯健であるの意。
莊と通ずる。『荀子・非十二子』儼然、壯然、楊倞注壯然、不可犯之貌、或為莊。
當用漢字・常用漢字
《漢字表字體》 壮
《人名用許容字體》壯

説文解字
舞也。从聲。『詩』曰、壿壿舞我。 段注は士舞也。とする。
康煕字典
士部十二劃
『集韻』七倫切、音逡。『爾雅・釋訓』喜也。『說文』舞也。引『詩』、壿壿舞我。○按『詩・小雅』今作
『韻會』粗本切、音僔。義同。
ソン
まふ。よろこぶ。
解字(白川)
形聲。聲符は
説文解字に士の舞ふなりとあり、壿壿とはその舞ふさまをいふ。
『爾雅・釋訓』に坎坎壿壿、喜也。(坎坎カンカン壿壿ソンソンは喜ぶなり)と見える。
字はまた蹲につくる。

墫は別字。