説文解字私註 吅部

吅部

説文解字
驚嘑也。从二。凡吅之屬皆從吅。讀若讙。 また註に臣鉉等曰、或通用讙、今俗別作喧、非是。とある。
康煕字典
口部三劃
『唐韻』『集韻』𠀤况袁切、音萱。『說文』驚虖也、讀若讙。『徐鉉曰』今俗別作、非。『玉篇』囂也、與通。『廣韻』喚聲。
『集韻』荀緣切、音宣。義同。
『集韻』古作吅。註詳言部四畫。
『字彙補』與同。『漢隸衡立𥓓』『孫根𥓓』俱有吅字。『釋文』卽鄰字。『吹景錄』鄰吅三字、一字也。
ケン。クヮン。
やかましい
解字(白川)
は祝詞を收める器。これを竝べて祈ることをいふ。及びその形に從ふ字は、すべて祝告の器を列して祝禱することをいふ。
解字(藤堂)
口々に喋る意。
解字(漢字多功能字庫)
字條に、喧は吅に同じ、驚呼を表すとする。

𤕦

説文解字
亂也。從、交、。一曰窒𤕦。讀若禳。
𤕧 籒文𤕦。
康煕字典
爻部十一劃
《古文》𠹣
『唐韻』女耕切『集韻』尼庚切、𠀤音獰。『說文』亂也。从爻工交叩。一曰窒𤕦。《註》徐鍇曰、二口噂沓也。爻物相交貿也。工人所作也。已象交構形。○按玉篇書作𤕦、誤。
『說文』讀作穰。○按韻書無此音。籀文作𤕧。

説文解字
嚴𡃫 教命急也。从𠪚聲。
𡅮 古文。
康煕字典
口部十七劃
《古文》𡅾
『唐韻』語杴切『集韻』魚杴切『韻會』疑杴切、𠀤音䉷。『說文』本作𡃫。敎命急也。
『爾雅・釋詁』嚴、敬也。『書・皋陶謨』日嚴祇敬六德。
『玉篇』威也。『禮・祭義』嚴威儼恪。《疏》嚴謂嚴肅。
尊也。『禮・大傳』收族故宗廟嚴。《註》嚴猶尊也。『史記・游俠傳』諸公以故嚴重之。
『廣韻』嚴、毅也。
『前漢・史丹傳』聲中嚴鼓之節。《註》李奇曰、莊嚴之鼓節也。
『韻會』戒也。昏鼓曰夜嚴。
『正字通』寒氣凜冽曰嚴。『李白詩』霜朽楚關木、始知殺氣嚴。
『正字通』敵將至、設備曰戒嚴。敵退、弛備曰解嚴。
姓。『戰國策』嚴遂政議直指舉韓傀之過。『正字通』漢明帝諱莊、攺莊助爲嚴助、莊光爲嚴光。
『史記・封禪書』諸布諸嚴諸逑之屬、百有餘祠。
嚴道、縣名。『史記・鄧通傳』啺鄧通蜀嚴道銅山。
『韻會』州名。隋睦州、宋攺嚴州。
『前漢・元帝紀』嚴篽池田。《註》晉灼曰、嚴籞、射苑也。
國名。『後漢・西域傳』嚴國在奄蔡北、屬康居。
『正字通』樹名。『一統志』瓊州有嚴樹、擣皮葉、浸水、和以釀、數日成酒、能醉人。
同。『周禮・秋官・小司寇註』鍼嚴子爲坐。『釋文』嚴、劉音莊、左傳作莊。漢明帝名莊、攺爲嚴。『後漢・𨻰紀傳』不復辦嚴卽時之郡。《註》嚴讀曰裝。『風俗通』汝南應融義高、聞之驚愕、卽嚴便出。○按『詩』商頌、下民有嚴。朱子叶剡剛反、與下遑叶。古嚴與莊本同音、故漢避明帝諱、攺嚴爲莊、似不必別增叶音也。
『集韻』魚銜切。字省文。詳山部巖字註。
『五音集韻』五犯切。與同。『詩・大雅』有嚴天子。《傳》嚴然而威。『釋文』嚴、毛讀魚檢反、鄭如字。『書・無逸』嚴恭寅畏。『釋文』作儼。○按皐陶謨『釋文』亦云又魚檢反。『荀子・儒效篇』嚴嚴兮其能敬已也。《註》嚴或作儼。
『集韻』魚窆切、音驗。酷也。
ゲム。ゴム。
つつしむ。おごそか。きびしい。いかめしい。たふとい。つよい。
解字(白川)
聲符は𠪚。𠪚は嚴の初文。嚴は𠪚の上に祝禱の器を竝べた形。金文には三口を列する形がある。金文に、𠪚、嚴を同義に用ゐる。「敢て」といふのは「肅みて」といふのと同じ。敢は鬯酒(匂酒)を酌む形で、灌鬯の儀禮を示す。厂は崖下の聖所を示す形であるが、金文の字形は廟屋に從ふ。廟中で灌鬯の儀禮を嚴修する意。
解字(藤堂)
二口(口喧しい)と𠪚の會意、𠪚は亦た音符。𠪚は嚴つくどつしりした意を含む。嚴つい言葉を使つて口喧しく取り締まることを示す。
解字(漢字多功能字庫)
金文はに從ひ敢聲。喦は多言の意。嚴は譀の初文で、本義は誇張して話すの意。
金文では嚴肅、莊重、恭敬を表す。典籍には或は儼につくる。
當用漢字・常用漢字
《漢字表字體》厳
《人名用許容字體》嚴

説文解字
咢㖾 譁訟也。从聲。
康煕字典
口部六劃
『廣韻』五各切『集韻』『韻會』『正韻』逆各切、𠀤音愕。『玉篇』驚咢也。『詩・大雅』或歌或咢。『爾雅・釋樂』徒擊鼓謂之咢。《疏》孫炎云、聲驚咢也。
『韻會』與通。『前漢・韋賢傳』咢咢黃髮。《註》師古曰、咢咢、直言也。
『後漢・張衡思玄賦』冠咢咢其映蓋。《註》咢咢、冠高貌也。一作。『文選』作
『正韻』與同。『前漢・王褒傳』越砥斂其咢。《註》刃旁曰咢。
『說文』本作㖾。
ガク
おどろく
解字(白川)
正字は㖾につくり、聲。金文に字を噩につくり、祝禱の器を四つ列し、その中央に犬牲らしい牲獸を置く。即ち騷がしく祈り立てる意。屰は其の擬聲語であらうが、或は牲獸の形から變化したものかも知れない。
解字(藤堂)
二口と屰の會意、は亦た音符。口は喧しく話す意。屰は交叉して逆方向に立ち向かふ意。

説文解字
大也。从、[田十]、吅亦聲。闕。
康煕字典
口部九劃
『唐韻』都寒切『集韻』『韻會』多寒切、𠀤音丹。『說文』大也。
『書・洛誥』乃單文祖德。『傳』單、盡也。『詩・小雅』俾爾單厚。《箋》單、盡也。『禮・郊特牲』惟爲社事單出里。『鄭語』夏禹能單平水土。『晉語』單善而內辱之。
『揚雄・甘泉賦』單埢垣兮。《註》單、周也。
縣名。『前漢・地理志』牂牁郡母單縣。
『廣韻』單複也。『正字通』單者、複之對也。『杜甫詩』歲暮衣裳單。
『玉篇』一也、隻也。『詩・大雅』其軍三單。《箋》大國之制、三軍以其餘卒爲羨、單者無羨卒也。『禮・禮器』鬼神之祭單席。『史記・信陵君傳』今單車來代之。『後漢・耿恭傳』以單兵固守孤城。又『高彪傳』家傳單寒。
姓。『廣韻』可單氏、後攺爲單氏。
『集韻』唐干切、音壇。亦姓也。鄭有櫟邑大夫單伯。通作
『廣韻』市連切『集韻』『韻會』時連切、𠀤音蟬。『廣韻』單于。『前漢・匈奴傳』單于者、廣大之貌也。言其象天、單于然也。
『爾雅・釋天』太歲在卯曰單閼。『釋文』單音蟬、又音丹、或音善。
『廣韻』『韻會』常演切『集韻』『正韻』上演切、𠀤音善。『玉篇』大也。
縣名。『前漢・地理志』山陽郡單父縣。《註》師古曰、音善甫。
姓。『廣韻』單襄公之後。『史記・儒林傳』桓生單次。《註》單音善、單姓、次名。
人名。『書序』咎單作明居。『傳』咎單、臣名、主土地之官。《註》單音善。
『集韻』齒善切、音闡。與同。詳後嘽字註。
『集韻』黨旱切『正韻』多簡切、𠀤音狚。『集韻』本作、多穀也。一曰誠也、厚也。『書・洛誥』乃單文祖德。『釋文』單音丹、又丁但反、信也。『詩・小雅』俾爾單厚。『傳』單、信也、或曰厚也。『釋文』單、毛音都但反、鄭音丹。又『周頌』單厥心。『傳』單、厚也。『釋文』都但反。
。『史記・歷書』端蒙單閼二年。《註》單閼、一作亶安。
『集韻』徒案切、音憚。與𢠸同、𢠸狐、邑名。
『集韻』『正韻』𠀤之膳切、音戰。單至、輕發之貌。
『集韻』『韻會』𠀤時戰切、音繕。單父、邑名。亦姓。
(1) タン
(2) ゼン。セン。
(1) ひとへ。ひとり。ひとつ。
解字(白川)
楕圓形の盾の象。上に二本の羽飾りをつけてゐる。古くは軍事にも狩獵にも盾を用ゐたので、戰は單と戈、狩の初文はで單と犬を要素として用ゐる。ただその義に用ゐることがなく、戰、獸の字形によつてそのことが知られるだけである。『詩・大雅・公劉』に其軍三單とあり、一隊を單、三隊を軍とする。もと軍事に關する語であつたことが知られる。『逸周書・大明武解』老弱單處にある單處とは、特に防衞の施設のない所で、大盾を竝べて身を守るやうな狀態をいふのであらう。『越絶書・越絶呉内傳』に致之於單。單者、堵也。とあることが注意される。それで單獨、單一の意となる。
解字(藤堂)
籐の蔓を編んでつくつたはたきの象。はたきは兩側に耳があり、これでぱたぱたと叩き、埃を落としたり、鳥や小獸を叩き落としたりする。字に意符として含まれる。また、このはたきは薄く平らなので、一重であり薄い意を生ずる。
解字(落合)
武器、狩獵に用ゐた刺叉のやうな形の道具の象。狩の甲骨文は單と犬に從ひ、につくる。殷代には單一の意の用法はない。
解字(漢字多功能字庫)
甲骨文、金文は、木枝に石刀を縛り附けた武器の一種を象る。獵や戰爭で打つことに用ゐる。中間の田の形は恐らく柄の部分に繩を卷いた形を象り、投擲後の回收に用ゐた。偏旁の單は聲符と義符を兼ね、獵や戰爭に關はりある。戰は戰爭を表し、彈は彈弓を表し、殫は竭盡(盡くすこと)を表し、殫殘は毁滅を表す。單が一個を表すのは、假借義であらう。
甲骨文では族氏名、地名に用ゐる。金文では姬姓の國名に用ゐ、その後、國名を姓氏となす。
戰國竹簡で下に口を加へ、につくる。字がこれに從ふ。憚の通假字となし、畏懼を表す。また鄲の通假字となし、地名に用ゐる。また戰の通假字となし、戰爭を表す。
漢帛書では地名に用ゐる。また、戰の通假字となす。
當用漢字・常用漢字
《漢字表字體》単
《人名用許容字體》單

説文解字
呼雞重言之。从州聲。讀若祝。
康煕字典
口部九劃
『唐韻』『集韻』𠀤之六切、音祝。『說文』呼雞重言之。从吅州聲、讀若祝。『廣韻』亦作𠱙
『廣韻』職流切『集韻』之由切、𠀤音周。義同。『集韻』或作