左 - 漢字私註

説文解字

𠂇部𠂇字條

𠂇
𠂇あるいはにつくる。
𠂇手也。象形。凡𠂇之屬皆从𠂇。
𠂇部

左部左字條

左
手相左助也。从𠂇、。凡左之屬皆从左。
註に臣鉉等曰、今俗別作佐。とある。
説文解字注は初句に各本俱誤。今正。左者、今之佐字。說文無佐也。𠂇者、今之左字。𠂇部曰、左手也。謂左助之手也。以手助手是曰左。以口助手是曰と註する。
左部

康煕字典

部・劃數
丿部(一劃)

『唐韻』本字。

『集韻』古作𠂇。註詳月部二畫。

部・劃數
屮部(零劃)

『玉篇』作可切佐上聲。『説文』屮手也。象形。今作。『集韻』又作𠂇

部・劃數
工部二劃

『唐韻』『正韻』臧可切『集韻』『韻會』子我切、𠀤音𡯛。『增韻』左右定位。左、右之對、人道尚右、以右爲尊。『禮・王制』男子由右、婦人由左。『史記・文帝紀』左賢右戚。《註》韋昭曰、左猶高、右猶下也。

又『增韻』手足便右、以左爲僻、故凡幽猥、皆曰僻左。『前漢・諸侯王表』作左官之律。《註》師古曰:左官猶言左道。僻左、不正也。漢時依古法、朝廷之列以右爲尊、故謂降秩爲左遷。佐諸侯爲左官也。『韻會』策畫不適事宜曰左計。

又『正韻』左、戾也。

又乗車尚左。『禮・曲禮』祥車曠左。《疏》曠、空也。車上貴左、僕在右、空左以擬神也。

又吉尚左。『禮・檀弓』孔子與門人立拱而尚右、二三子亦皆尚右、孔子曰、我則有姊之喪故也、二三子皆尚左。《註》喪尚右、右、隂也。吉尚左、左、陽也。

又不助也。『左傳・襄十年』天子所右、寡君亦右之、所左、亦左之。《疏》人有左右、右便而左不便。故以所助者爲右、不助者爲左。

又證也。『前漢・楊惲傳』左驗明白。《註》左、證左也。言當時在其左右、見此事者也。

又姓。『廣韻』齊之公族有左右公子、後因氏焉。又漢複姓二氏、左傳公子目夷爲左師、其後爲氏。秦有左師觸讋。晉先蔑爲左行、其後爲氏。漢有御史左行恢。

又『唐韻』則箇切『集韻』『韻會』『正韻』子賀切、𠀤音佐。『說文』手相左助也。『爾雅・釋詁』詔亮、左右相導也、詔相導、左右助勴也、左右亮也。《疏》皆謂佐助、反覆相訓、以盡其義。『易・泰卦』以左右民。《疏》左右、助也。『書・畢命』周公左右先王。

又叶總古切、音祖。『王逸・九思』逢流星兮問路、顧我指兮從左。俓娵觜兮直馳、御者迷兮失軌。軌音矩。

又叶祖戈切、挫平聲。『詩・小雅』左之左之、君子宜之。宜叶牛何反。

音訓

(1) サ(漢、呉) 〈『廣韻・上聲・哿・左』臧可切〉
(2) サ(漢、呉) 〈『廣韻・去聲・箇・佐』則箇切〉
(1) ひだり。あかし(證左)。くだる。くだす。しりぞける(左遷)。もとる。たがふ。よこしま。
(2) たすける。

解字

𠂇は左手の象形で左の初文。右手の象形は。篆文は左右對稱。また屮︁の形につくる。

後にを加へて左につくる。佐助の意には後に佐につくる。

白川

左は𠂇との會意。𠂇は左の初文、手の象形。工は巫祝の持つ呪具。は祝禱を收める器を持つ形。左右は神を尋ね、その祐助を求めるときの行動を示す。故に尋は左右を重ねた形。左右は援助を意味する語となる。

藤堂

𠂇

象形。左手の形を描いた字で、左の原字。

象形。左手を描いた字。左に含まれる𠂇と同じ。

屮︀は別字。

左手と(仕事)の會意で、工作物を右手に添へて支へる手。

落合

初文は屮︁。()とは逆に指先を右に向けてをり、左手を表す。金文で、左手に持つ鑿の形のを加へた繁文が作られた。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. ひだり。《殷墟花園莊東地甲骨》60惟左馬其有[土刀]。
  2. 軍隊の編成區分。後にいふ左軍に當たる。左師や左旅ともいふ。《合集》33006丁酉貞、王作三師右中左。
  3. 神が祐助を與へないこと。の意の又の對義語。この義に特化した異體字(中に屮︁)がある。(補註: 落合は後代には使はれなくなつた用法といふが、康煕字典左字條に不助也と訓ずるのが近いか。) 《英國所藏甲骨集》1136壬寅卜㱿貞、帝弗左王。

周代には「たすける」の意で使はれるやうになつてをり、その意での繁文は佐。

漢字多功能字庫

甲骨文、早期金文は𠂇につくり、左手の形を象る。後期金文はを加へて左につくる。

甲骨文、金文では方位詞に用ゐ、左右の左。

金文ではまた輔助を表し、佐の初文。

屬性

𠂇
U+20087
屮︀と包攝されてゐる。
U+5C6E
JIS: 1-54-5
屮
U+2F878
屮︁
U+5C6E U+FE01
屮󠄁
U+5C6E U+E0101
CID+4658
屮󠄂
U+5C6E U+E0102
JA5405
MJ010388
U+5DE6
JIS: 1-26-24
當用漢字・常用漢字

関聯字

左聲の字