哀れな男がいたものさ
足に帽子を履きながら
頭に靴をかぶってた
哀れな男がいたものさ
町でも人に笑われながら
平気でにやにや笑ってた
哀れな男がいたものさ
足に帽子を履きながら
頭に靴をかぶってた
片手に聖書をかかげては
片手で財布をすりとった
哀れな男がいたものさ
足に帽子を履きながら
頭に靴をかぶってた
誰かが靴を脱がせては
帽子をかぶせてやったけど
行きつく先は同じこと
後ろ向きに歩いては
店の果物踏み潰し
空っぽの心臓は
鼓動の一つもならさない
ある時誰かが言ったのさ
「靴をかぶっているように
俺にはちっとも見えないよ
そのまま奴を歩かせて
放っておいて行かせろよ」
それから哀れな男はそのまま
あいも変わらず歩いていた
ある日自分はイーサーと
信じ込んで火の中へ
炎が自分をよけるんだと
喜び勇んで飛びこんだ
城門には揺れる骸骨が
足には焦げた麦藁帽子
頭に靴紐くくりつけ
夜の風にゆらゆらと
揺れる骨の音は鳴り
町までずっと響いてた
町の眠りを妨げて
昼夜もなく響いてる
哀れな男がいたものさ
足に帽子を履きながら
頭に靴をかぶってた
今やすっかり骨ばかり
夜風にうめく骨ばかり