尾 - 漢字私註

説文解字

尾
微也。从到後。古人或飾系尾、西南夷亦然。凡尾之屬皆从尾。
尾部

説文解字注

尾
微也。从到毛在𡰣後。古人或飾系尾、西南夷皆然。凡尾之屬皆从尾。

康煕字典

部・劃數
尸部四劃
古文
𡱕
𡱓
𡲵

『廣韻』『集韻』『正韻』無匪切『韻會』武匪切、𠀤音委。『說文』微也。从倒毛在尸後。『玉篇』鳥獸魚蟲皆有之。又末後稍也。『易・未濟』狐濡其尾。『書・君牙』若蹈虎尾。

又『詩・邶風』瑣兮尾兮、流離之子。《註》瑣、細。尾、末也。

又『戰國策』王若能爲此尾。《註》終也。

又東方星名、十八度尾爲大辰。又次名。『禮・月令』日月會於鶉尾、斗建申之辰也。

又底也。『爾雅・釋水』瀵大出尾下。《註》尾猶底也。言其源深出於底下者名瀵。瀵猶灑散也。

又『書・堯典』仲春鳥獸孶尾。《註》乳化曰孳、交接曰尾、因物之生育、驗其氣之和也。

又陪尾、山名、在江夏安陸縣。一名橫尾。一曰負尾。

又姓。『左傳』殷民六族有尾勺氏。又漢劉虞吏尾敦。

部・劃數
尸部六劃

『玉篇』古文字。註詳四畫。

部・劃數
尸部六劃

『字彙補』古文字。註詳四畫。

部・劃數
尸部十劃

『集韻』古作𡲵。註詳四畫。

音訓

ビ(漢) 〈『廣韻・上聲・尾・尾』無匪切〉
を。うしろ。しりへ。つるむ(交尾、孳尾)。

解字

白川

象形。獸の尾毛の形に象る。

『説文解字』に微なり。到毛の尸後に在るに從ふ。古人或いは飾りて尾にいとかく。西南夷皆然り。と人の尾後、其の尾飾と解する。

『玉篇』に鳥獸魚蟲に皆之れ有りといふやうに、人後をいふものではない。その屈尾の象は。牡獸の牡器を示す蜀と連ねて屬となり、連屬すること、牝牡相屬することをいふ。尾は獸尾と解すべきである。

系尾の俗は古い時代にあつたと見てよく、本邦の神武東征の説話の中にも、「尾ある人」の出沒したことが見えてゐる。

藤堂

(尻)との會意。尻に生えた毛のこと。

眉と同系の言葉。また媚、娓とも緣が深く、微妙で美しい意を含む。

落合

甲骨文は、屈んだ人の形のと毛の生えた尻尾の象形のに從ふ。人に尻尾はないが、比喩的な表現なのか何らかの儀禮裝飾なのかは不明。現用字では勹はの形になつてゐる。

また豚の象形のに從ふ字形も同意。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. 尻尾がある動物の意。有尾とも言ふ。《合集》136王占曰、其惟丙戌執、有尾。其惟辛、家。

漢字多功能字庫

甲骨文、金文は、と倒に從ひ、人の臀部の後に尾のある形に象る。尾は人の尾あるに非ず、古く服飾に尾あること。按ずるに、『後漢書・西南夷列傳』に槃瓠之後、好五色衣服、製裁皆有尾形とあり、西南夷の衣服は尾を裝飾とするのを好むと説明してゐる。雲南・晉寧・石寨山に見える青銅器はまた滇人(西南夷)には衣服に尾を帶ぶる習慣のあることを證明する(汪寧生)。甲骨文の僕もまた尾の形に從ふ。

甲骨文の尾の辭義は不明。疑ふらくは方國名に用ゐる(徐中舒、參《合集》136正)。

金文では人名に用ゐる。

戰國竹簡では本義に用ゐる。《上博三・周易》簡30初六、遯丌(其)尾、𥖣(厲)。初六爻は遯卦の末尾で、將に危險有り、の意(季旭昇)。

尾とは古く通じる。『論語』の微生高は、『漢書・古今人表』、『戰國策・燕策』では尾生高に作る。『尚書・堯典』の「孳尾」の語を『史記』に「字微」に作り、兩字の音義が同じであることが十分に見て取れる。

尾の語義は段々と擴大し、人の背後の裝飾から引伸して動物の尾となし、更に進んで引伸して年尾(年末)、尾聲(樂曲の結尾部、演劇の終章、物事の最終段階の意)など末端の意となる。ほかに、古文字は本來尾に從ふものの、後に省略されてに從ふ字がある。

屬性

U+5C3E
JIS: 1-40-88
當用漢字・常用漢字
𡱕
U+21C55
𡱓
U+21C53
𡲵
U+21CB5

關聯字

尾に從ふ字

尾聲の字