夗 - 漢字私註

説文解字

またにつくる。
轉臥也。从。臥有卪也。
夕部

康煕字典

部・劃數
夕部二劃

『廣韻』『集韻』𠀤於阮切、音苑。臥轉貌。

又『集韻』烏勉切、音宛。『揚子・方言』夗專、簙也。

『說文』作夗。从夕从卪、臥有卪也。

第三項「作夗」の夗字は、嚴密には㔾中に丶を入れる形。

部・劃數
夕部二劃

『正字通』同。字彙作古文外字、失考。

方言・第五

簙謂之蔽、或謂之箘、秦晉之間謂之簙、吳楚之間或謂之蔽、或謂之箭裏、或謂之簙毒、或謂之夗專、或謂之𠥙璇、或謂之棊。所以投簙謂之枰、或謂之廣平。所以行棊謂之局、或謂之曲道。

音訓・用義

ヱン(漢)

夗專ヱンテンとは、雙六の賽のこと。(『方言・第五』上揭)

解字

白川

象形。人が坐して、その膝のふくよかな形を象る。

藤堂

會意。二人が身體をしなやかに曲げて、丸く屈んださま。宛の原字。

落合

甲骨文では單獨での使用例がない。宛はと夗に從ひ、夗は人が頭を垂れる形。

漢字多功能字庫

構形初義不明。徐在國は甲骨文をと乃に從ふが、意圖不明とする。季旭昇は肉に從ひ、動物がまさに死なんとして寢轉がり橫たはる形を象るとする。按ずるに甲骨文、金文とも動物の形を象らず、肉とに從つてゐるやうにみえる。あるいはを增すが、無意義の羨符(羨は餘剩の意)。

甲骨文では北方の風名に用ゐる(陳邦懷、劉釗)。金文では㘱盨に迺乍(作)余一人夗。と見えるが、釋義に定論がない。怨と讀み、怨恨を表す(徐在國)とも、故と讀み、災害を表す(馬承源)とも、咎と讀む(《殷周金文集成修訂增補本》)ともいふ。また人名に用ゐる。

小篆の字形は變化の結果、に從ふ。

屬性

U+5917
U+5918
JIS: 1-50-41