大 - 漢字私註

説文解字

大
天大、地大、人亦大。故大象人形。古文也。凡大之屬皆从大。
説文解字注は第二句を古文也。と、大と亣を篆文で書き分ける。
大部

康煕字典

部・劃數
部首
古文
𠘲

『唐韻』『集韻』『韻會』徒蓋切。『正韻』度柰切、𠀤音汏。小之對。『易・乾卦』大哉乾元。『老子・道德經』域中有四大、道大、天大、地大、王亦大。『莊子・天地篇』不同同之謂大。『則陽篇』天地者、形之大。隂陽者、氣之大。

又初也。『禮・文王世子』天子視學、大昕鼓徵。《註》日初明、擊鼓徵召學士、使早至也。

又徧也。『禮・郊特牲』大報天而主日。

又肥美也。『儀禮・公食大夫禮』士羞、庶羞皆有大、贊者辨取庶羞之大、以授賓。《註》大、以肥美者特爲臠、所以祭也。

又過也。『戰國策』無大大王。

又長也。『爾雅・釋器』珪大尺二寸謂之玠。《疏》大、長也。

又都大、官名。宋制有兩都大、一提舉茶馬、一提點坑冶鑄錢與提𠛬序官。

又措大、士也。『書・言故事』窮措大、眼孔小、與錢十萬貫、塞破屋子矣。

又唐大、弓名、見『周禮・夏官』。

又四大、地、水、火、風也、見『梵書・圓覺經』。

又姓大。廷氏之後、見『風俗通』。

又『集韻』『韻會』『正韻』𠀤他蓋切、音忲。『易』、大和大極。『書』、『詩』、大王大師。『禮』、大羹大牢。𠀤音泰。

又『廣韻』『集韻』『韻會』𠀤唐佐切、音䭾。『杜甫・天狗賦』不愛力以許人兮、能絕目以爲大。

又『集韻』『韻會』『正韻』𠀤吐臥切、音拕。猛也、甚也。『禮・童子不衣裘裳註』鄭康成爲大溫也。徐邈大音唾。

又叶徒計切、音第。『詩・大雅』戎雖小子、而式弘大、叶厲泄愒敗。『正字通』楊愼曰、大無音一駕切者、韻書二十二禡不收。考淮南子、宋康王世、有雀生鸇。占曰、小而生大、必霸天下。大叶下、古亦有一駕切之音。

『說文』天大、地大、人亦大。象人形。《徐曰》本古文人字。一曰他達切、經史大太泰通。

部・劃數
几部三劃

『字彙補』古文字。註見部首。亦作[⿱一𢁒]。

音訓

(1) ダイ(呉) タイ(漢) 〈『廣韻・去聲・泰・大』徒蓋切〉
(2) ダ(呉) タ(漢) 〈『廣韻・去聲・箇・䭾』唐佐切〉
(1) おほきい。おほいに。はじめ。あまねし。すぎる。ながい(長大)。おもい(重大)。おほよそ(大凡)。おごる(尊大)。
(2) たけし。はなはだしい。

解字

白川

象形。人の正面形に象る。

説文解字の釋は『老子・二十五故道大、天大、地大、王亦大。による。

藤堂

象形。人が手足を擴げて大の字に立つた姿を描いたもの。大きく、たつぷりとゆとりがある意。

達(ゆとりがある)はその入聲に當たる。

落合

象形。手足を擴げて身體を大きく見せた人を正面から見た形。

甲骨文では字形が近い夫や天を大の代替字とすることもある。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. おほきな。大豕や大星などの用法がある。また年長や格上の意でも用ゐられる。
  2. おほいに。非常に。大規模に。
  3. 系譜上で遠い先王の名に加へられる字。大乙や大丁など。
  4. 地名またはその長。殷に敵對して大方と呼ばれることもある。また出組、何組の貞人名としても見える。
大子
年長の男子。
大水
水害。洪水。單に水ともいふ。
大示
大乙以後の遠い先祖の集合。
大吉
甲骨占卜において、より強い吉兆が出現すること。合文で記されることもある。
大邑商
殷の都の商の別稱。大邑や天邑商ともいふ。但し大邑は大きな都市の意であり、稀に商以外にも用ゐられることがある。
大牢
祭祀犧牲の種別であり、後代にいふ大牢と同じく牛、豚、羊のセットと考へられてゐる。甲骨文では單に牢とする記述が多い。
大宗
祭祀施設。具體的な位置などは不明。殷都には小宗も置かれてゐる。
大學
施設名。後代にいふ大學と同じく王立學校と言はれるが、甲骨文には詳細な記述がなく、正否不明。
大食
午前中の時間帶を指す。大食日、食日、大采、采日ともいふ。それぞれ異なる時間帶とする説もある。
大歳
祭祀對象。後にいふ歳星(木星)と言はれるが、甲骨文には詳細な記述がなく、正否不明。

甲骨文の要素として使はれる場合には、と同じく、人の動作や狀態を表す字の一部となることが多い。

漢字多功能字庫

正面に立ち、兩手を下に垂れる人を象る。本義は成年の人で、子供を象ると相對し、年齢が子供に比べて大きいので、大きいの義を派生する。

金文では大を表し、小と相對する。また人名に用ゐる。また通讀して太となす。「大(太)史」(史官)、「大(太)保」(官名、輔弼重臣)、「大(太)室」(太廟の中室)、「大(太)師」(官名)など。

古文字の大と夫は一つの字の分化したもので、大は本來は夫(成年男子)を表し、また大を表す。後に大の上に短い橫劃を加へて夫字を分化した。

またにつくる。

屬性

U+5927
JIS: 1-34-71
當用漢字・常用漢字
𠘲
U+20632

関聯字

大に從ふ字

説文解字・大部のほか、以下の字など。

大聲の字