莊 - 漢字私註

説文解字

莊

上諱。臣鉉等曰、此漢明帝名也。从、未詳。側羊切。

艸部
𤖄

古文莊。

説文解字注

莊

上諱。見《示部〔祜字條〕》。其說解當曰「艸大也。从艸壯聲」。其次當在菿蔪二字之閒。此形聲兼會意字。壯訓大。故莊訓艸大。古書莊壯多通用。引伸爲凡壯盛精嚴之義。『論語〔爲政〕』「臨之以莊」苞咸曰「莊、嚴也」、是也。側羊切。十部。

𤖄

古文莊。莊字篆文本不書。今書之者、後人補也。然則錄古文注之曰「古文莊」、亦恐後人所加。且其形本非莊字。當是奘字之譌。古文或作士、譌爲歺也。凡古文經後人轉寫𣴭昧難知者、舉以𥲮奘二字爲例求之。

康煕字典

部・劃數
艸部・七劃
古文
𤖄
𤖈
𦻊
𠗎
𤕶

『唐韻』『集韻』𠀤側羊切、音裝。草盛貌。『六書正譌』艸芽之壯也。

又嚴也。『論語』臨之以莊則敬。

又『韻會』盛飾也。

又『左傳・襄二十八年』得慶父之木百車于莊。《註》莊、六軌之道。『爾雅・釋宮』六達謂之莊。

又田舍也。『通鑑・史炤・釋文』唐置莊宅使。《胡三省註》蓋主莊田及外舍之事。

又『公羊傳・定八年』矢著于莊門。《註》莊門、孟氏之門名。

又姓。『通志・氏族略』楚莊王之後、以諡爲氏、楚有大儒曰莊周。

又『雲南通志』海貝一枚、土人謂之莊。

又『篇海』側亮切、音壯。恭也。『說文』作。『干祿字書』通作。俗作庄、非。

部・劃數
艸部・十二劃

『字彙補』古文字。註詳七畫。

部・劃數
冫部・七劃

『字彙補』古文字。註見艸部七畫。

部・劃數
爿部・六劃

『字彙補』古文字。註詳艸部七畫。

部・劃數
爿部・八劃

『玉篇』古文字。註詳艸部七畫。

部・劃數
爿部・八劃

『字彙補』古文字。註詳艸部七畫。

部・劃數
疒部・三劃

『唐韻』俗字。

異體字

いはゆる新字体。

音訓義

サウ(漢) シャウ(呉)⦅一⦆
サウ(推)⦅二⦆
おごそか⦅一⦆
官話
zhuāng⦅一⦆
粤語
zong1⦅一⦆

⦅一⦆

反切
廣韻・下平聲』側羊切
集韻・平聲三陽第十』側羊切
『五音集韻・下平聲卷第五・陽第一・照二莊』側羊切
聲母
照(正齒音・全清)
等呼
官話
zhuāng
粤語
zong1
日本語音
サウ(漢)
シャウ(呉)
おごそか
草が盛んに茂るさま。盛んなさま。
裝飾。盛んに飾ること。
嚴か。莊重、莊嚴、莊潔。
田舍、村落。村莊。
田舍にある家。 別莊、山莊。
莊園。
商店。茶莊、錢莊。
四方八方に通ずること。また四方八方に達する道。康莊、莊馗。
賭け事の親。莊家。
姓。

⦅二⦆

反切
集韻・去聲下漾第四十一』側亮切
『五音集韻・去聲卷第十二・漾第一・照三壯』側亮切
聲母
照(正齒音・全清)
等呼
日本語音
サウ(推)
恭也。(『集韻』)

解字

白川

形聲。聲。壯に盛大の意がある。

『説文解字』に上の諱なりとして解説を加へてゐない。後漢明帝の諱。當時、莊姓の人は、その諱を避けて嚴と改めた。

金文に字を⿱爿甾(補註: 以降は𪺟で代用する)に作り、ときに祝禱の器の形を加へる(補註: 𬌊の形)。《毛公鼎》にれ天𪺟おほいに厥の命を集すとあり、𪺟は將大の意。また《虢季子白盤》に戎工(軍事)に𪺟武なりとは、その嚴莊なることをいふ。宋器の《𧽙亥鼎》に莊公を𪺟公と記してゐるので𪺟が莊と聲近く、恐らくその初文と見てよいであらう。(補註: 各所で《𧽙亥鼎》の作例として擧げられてゐるのは𬌊の形の字。)

𪺟の從ふは、、壯と同じく、殷器の圖象から出て、のち將、壯の字となつた。

『説文解字』古文の字形はに從はず、もと嚴莊の意の字であらう。

藤堂

と音符(すらりと長い)の會意兼形聲で、草の丈が長く生ひ立つこと。轉じて形が整つて勢ひが盛んであるの意。また細長い草葺きの納屋や、田舍の農家のこと。

漢語多功能字庫

金文は甾とに從ひ爿聲(【補註】𬌊の形)。これは莊の古字で、金文では諸侯の稱號に用ゐる。𧽙亥鼎宋莊公之孫𧽙亥自乍(作)會鼎。

小篆はに從ひ聲。壯はに從ひ聲で、兵士の強壯を表す。莊字は莊嚴、嚴正を表す。『説文解字』莊、上諱。𤖈、古文莊。

莊嚴、嚴正を表す。 『論語・為政』臨之以莊則敬。何晏集解引包咸曰莊、嚴也。君臨民以嚴、則民敬其上。

また恭敬を表す。『呂氏春秋・孝行』居處不莊、非孝也。高誘注莊、敬。

また裝飾を表す。南朝宋・顏延之〈三月三日曲水詩序〉靚莊藻野、袨服縟川。

また通道(通路、往來、大通り)を表す。『左傳・襄公二十八年』得慶氏之木百車於莊。

また村莊、園圃を表す。唐・杜甫〈懷錦水居止〉萬里橋西宅、百花潭北莊。

屬性

U+838A
JIS: 1-72-23
人名用漢字
𦻊
U+26ECA
𠗎
U+205CE
𤕶
U+24576
𤖄
U+24584
𤖈
U+24595
U+3F75
JIS: 2-81-38
U+8358
JIS: 1-33-81
當用漢字・常用漢字