居 - 漢字私註

説文解字

尸部居字條

居

蹲也。从者、居从古。臣鉉等曰「居从古者、言法古也」。九魚切。

尸部
踞

俗居从

別條に揭出する豫定。

説文解字注

居

蹲也。《足部》曰、蹲、居也。二字爲轉注。今《足部》改居爲踞。又𡚶添踞篆、訓云「蹲也」。總由不究許書條理。㒺知古形古義耳。《立部》竣下亦曰「居也」。亦同義而譌爲「偓竣也」。葢俗本之紛亂如此。『說文』有凥、有居。凥、處也。从尸得几而止。凡今人居處字古衹作凥處。居、蹲也。凡今人蹲踞字古衹作居。『廣雅・釋詁二』「凥也」一條、『釋詁三』「踞也」一條。畫然分別。曹憲曰、按『說文』今居字乃箕居字。近之矣。但古人有坐、有跪、有蹲、有箕踞。跪與坐皆厀著於席。而跪聳其體。坐下其𦞠。『詩』所謂啟處。『〔小雅〕四牡・傳』曰、啟、跪也。處、居也。『四牡』「不遑啟處」、『采薇』、『出車』作「不遑啟居」。居皆當作凥。許凥下云「處也」。正本毛傳引伸之爲凡凥處字也。若蹲則足底著地。而下其𦞠、聳其厀曰蹲。其字亦作竣。原壤夷俟。謂蹲踞而待、不出迎也。若箕踞、則𦞠著席而伸其腳於前。是曰箕踞。趙佗箕踞見陸賈、聞賈言乃蹷然起坐是也。箕踞爲大不敬。三代所無。居篆正謂「蹲也」。今字用蹲居字爲凥處字、而凥字廢矣。又別製踞字爲蹲居字、而居之本義廢矣。

从尸古聲。各本作「古者居从古」。乖於全書之例。淺人因下云俗居从足而竄改譌謬耳。今正。九魚切。五部。

𧿃

俗居从小徐本如此、不誤。大徐本篆作踞、非也。小徐云「𧿃一本从居」、則小徐時固有兩本。

几部凥字條

凥

處也。从尸得而止。『孝經』曰、仲尼凥。凥、謂閒居如此。九魚切。

十四几部

説文解字注

凥

処也。各本作處。今正。凡尸得几謂之凥。尸卽人也。引申之爲凡凥処之字。旣又以蹲居之字代凥、別製踞爲蹲居字。乃致居行而凥廢矣。『方言』『廣雅』凥処字皆不作居。而或妄改之。許書如「家、凥也」、「宋、凥也」、「寁凥之速也」、「寠、無禮凥也」、「宭、羣凥也」之類皆改爲居。而許書之衇絡不可知矣。

从尸几。會意。九魚切。五部。尸得几而止也。釋會意之恉。較舊本增三字。

『孝經』曰、仲尼凥。『孝經』首章首句也。今作居。許君受魯國三老所獻、衞宏所校古文『孝經』如是。『釋文』引鄭本亦作凥。『顏氏家訓』云、「仲尼居」三字之中、三倉「尼」旁益「丘」、『說文』尸下施几。如此之類。何由可從。甚爲紕繆。鄭所據者古文眞本。屔字亦是孔子命名取字本義。何云不可從也。凥、逗、謂閒凥如此。此釋『孝經』之凥。卽小戴之孔子閒居也。鄭目錄曰、退朝而處曰燕居、退燕避人曰閒居。閒居而與曾子論孝。猶閒居而與子夏說愷弟君子。故『孝經』之凥謂閒處。閒處卽凥義之引申。但閒處之時、實凭几而坐。故直曰仲尼凥也。如此謂尸得几。

康煕字典

部・劃數
尸部五劃
古文

『廣韻』九魚切『集韻』『韻會』『正韻』斤於切、𠀤音車。『說文』凥處也。从尸、得几而止也。引孝經、仲尼凥、凥謂閒居、如此會意。今文作居。

又『廣韻』安也。『書・盤庚』奠厥攸居。『禮・王制』凡居民、量地以制邑、度地以居民、地邑居民、必參相得。

又『書・舜典』五宅三居。《註》三居、謂周之夷服、鎮服、蕃服也。

又坐也。『論語・陽貨』居、吾語女。

又積也、蓄也。『書・皋陶謨』懋遷有無化居。《註》化、易也。謂交易其所居積也。

又『史記・平準書』富商𨍭穀百數、廢居、居邑。『徐廣註』廢居、貯蓄之名。有所廢、有所蓄、言乗時射利也。

又止也。『禮・月令』季秋行春令、師興不居。《疏》不休止也。

又海鳥曰爰居。『魯語』爰居止於魯東門外。

又姓。漢居般、封宋城侯。

又『廣韻』『集韻』『韻會』𠀤居之切、音基。語助辭。『禮・檀弓』公儀仲子之喪、舍其孫而立其子。檀弓曰、何居、我未之前聞也。《註》怪之之辭、猶言何故也。一說何居、猶言此義何處。居讀如字、不必改音基。『集韻』通作其。

又叶居御切、音據。『詩・召南』惟鳩居之。叶下御。『唐風』無巳太康、職思其居。叶下瞿。瞿去聲。

○按【說文】居、一訓蹲。【長箋】以凥爲凥處、居爲蹲踞。【韻會】【正韻】收入御韻、引【詩】居居懷惡、不相親比、是居有倨音。【正字通】云、蹲踞通作倨。居止、居處、與蹲踞、貴倨、从經史分見可也。

部・劃數
尸部・五劃

『玉篇』古文字。註見上〔居〕

部・劃數
几部三劃

『集韻』『正韻』𠀤斤於切、音居。『說文』處也。从尸、得几而止也。『玉篇』與同。『晉書・胡母謙傳』凥背東壁。『正韻』古居字。凥从几案之几、與尻字不同。

部・劃數
宀部五劃

『字彙補』古字。註見尸部五畫。『說文先訓』古文居處之居从宀。今之居乃倨也。

部・劃數
足部三劃

『集韻』斤於切。同。『類篇』居、或作踞𧿃。臣光按、【說文・尸部・居字】云俗居从足、當作𧿃。今本誤作踞、非。

集韻

卷・韻・小韻
平聲一魚第九
反切
斤於切音1

斤於切。

『說文』蹲也。从尸。古者居从古。徐鉉曰「言法古也」。

亦姓。

或作踞𧿃。

文二十六。

卷・韻・小韻
平聲一魚第九
反切
斤於切音1

『說文』處也。从尸得几而止。引『孝經』仲尼凥。凥、謂閑居如此。

或作㞐。

音訓義

キョ(漢) コ(呉)⦅一⦆
キ(漢)(呉)⦅二⦆
ゐる。をる。おく。⦅一⦆
⦅二⦆
官話
⦅一⦆
⦅二⦆
粤語
geoi1⦅一⦆
gei1⦅二⦆

⦅一⦆

反切
廣韻・上平聲』九魚切
集韻・平聲一魚第九』斤於切
『五音集韻・上平聲卷第二・魚第七・見・三居』九魚切
聲母
見(牙音・全清)
官話
粤語
geoi1
日本語音
キョ(漢)
コ(呉)
ゐる
をる
おく

⦅二⦆

反切
廣韻・上平聲』居之切
集韻・平聲一・㞢第七・姬』居之切
『五音集韻・上平聲卷第一・脂第五・見・三飢』居宜切
聲母
見(牙音・全清)
官話
粤語
gei1
日本語音
キ(漢)(呉)
助辭。
何居は、なんぞ、なんぞやと訓み、どうして、何故、の意。

解字

白川

正字は凥に作り、の會意。几は牀几。牀几に腰掛ける形。間居するときの姿。居はその形聲字で聲。

『説文解字』は兩字を區別し、凥字條にるなり、居字條にうづくまるなりとする。また凥字條に仲尼、凥すと『古文孝經』の句を引き、『釋文』に引く《鄭本》も同じ。今本は居に作る。

凥、居が同字として用ゐられるに及んで、別に形聲字の踞が作られた。

藤堂

(尻)と音符(固。固定させる。据ゑる。)の會意兼形聲。臺上に尻を乘せて、腰を落ち著けること。踞(尻を下ろして構へる)の原字。

尸(尻)と(脚つきの臺)の會意。ある場所に尻を落ち著けることを示す。居は凥の後に出來た字。

漢字多功能字庫

金文では居に二つの字形がある。一つは西周で出現し、广あるいはと、に從ひ、屋宇(家屋)の下に人の立つさまに象る。《汗簡》の古文と相同じ。金文では周王が臨時に駐留する所を表す。蔡簋王在淢㡴

いま一つは戰國以後に出現し、に從ひ聲。尸は人の形に象る。金文では姓氏、人名に用ゐる。九年呂不韋戟東工守文居。また地名に用ゐる。鄂君啟車節居鄵(巢)

戰國竹簡や漢帛書では居、處は通用する。《郭店楚簡・老子丙》戰勝則以喪禮居之の「居」を、今本や漢帛書《老子》は「處」に作る。

屬性

U+5C45
JIS: 1-21-79
當用漢字・常用漢字
U+3790
U+51E5
JIS X 0212: 19-10
U+3752
𧿃
U+27FC3

関聯字

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