广 - 漢字私註

説文解字

广
因广爲屋、象對剌高屋之形。凡广之屬皆从广。讀若儼然之儼。
广部

康煕字典

部・劃數
部首

『唐韻』『集韻』魚檢切『韻會』疑檢切、𠀤醃上聲。『說文』因广爲屋。象對刺高屋之形。『徐鉉曰』因广爲屋、故但一邊下。『增韻』棟頭曰广。『韓愈・遊湘西寺詩』剖竹走泉源、開廊架屋广。

又『釋名』衾、广也。其下廣大、如广受人也。

又『廣韻』魚掩切、音隒。義同。

音訓

ゲム(漢) 〈『廣韻・上聲・儼・儼』魚掩切〉[yǎn]{jim5/jim2}

解字

白川

象形。崖によつて屋根がけした家。巖窟の家。はいはゆる巖屋、その屋根がかりしたものを广といふ。古くは聖屋にその地勢を用ゐることが多く、巖窟そのものが聖所であつたかも知れない。金文の广に從ふ字に、そのやうな建物が多い。

藤堂

象形。家の屋根を描いたもので、家屋に關係する字の意符に用ゐる。

落合

片方の壁が空いた建築物の形。甲骨文では、單獨では用ゐられてをらず、意符としては大きな建物の表現として使はれてゐる。

漢字多功能字庫

房屋の形に象る。に比べて簡單な建築。甲骨文、金文は「︿」とに從ふ。「︿」は屋根を表し、頂きから兩端に向かつて斜めになつてゐるさまを象る。丨は壁。王筠は、广は三面に壁があるさまを象り、宀は四面に壁が有るさまといふ。王筠『說文釋例』實則广以一牆見其三面。宀以兩牆見其四面。而中高者為棟極、左右殺者為兩宇。

徐鍇『說文解字注箋』對刺謂屋上作「︿」形相對也。

甲骨文、金文では單獨の广は見えず、字の構成要素として見える。金文では宀と广は字の構成要素として通用する。

广とには區別がある。广は房屋に象る。厂は甲骨文のと同じもので、崖巖、山石に象る。しかし、金文の要素として、形が近いため混用されることがある。また、現在、广をの簡化字として用ゐる。

裘錫圭は、比較的簡單な建築物、あるいは住居用ではない建物が、往々にして广に從ふ、といふ。また簡化字には广を厂に簡化した字もある。簡化字の厂は繁體では廠につくり、广に從ふ。(簡化字の厂と厈(厂の籀文)の初文の厂は同形字。)

屬性

广
U+5E7F
JIS: 1-54-88

関聯字

广に從ふ字

广部 - 漢字私註部別一覽に蒐める。

其の他

广を廣の簡体字に用ゐる。