几 - 漢字私註

説文解字

几
踞几也。象形。『周禮』五几、玉几、雕几、彤几、䰍几、素几。凡几之屬皆从几。
十四几部

説文解字注

几
凥几也。各本作踞。今正。凥几者、謂人所凥之几也。凥、処也。処、止也。古之凥今悉改爲居。乃改云居几。旣又改爲蹲踞俗字。古人坐而凭几。蹲則未有倚几者也。几俗作。『左傳〔昭五年〕』設机而不倚、『周易〔渙〕』渙奔其机、皆俗字。象形。象其高、而上平可倚、下有足。居履切。十五部。『周禮』五几、玉几、彫几、彤几、䰍几、𦃃几。周禮〔春官〕司几筵職』文。䰍几、今『周禮』作漆几。葢許所據不同。䰍者、桼也。凡几之屬皆从几。

康煕字典

部・劃數
部首

『唐韻』居履切『集韻』『韻會』舉履切『正韻』居里切、𠀤寄上聲。『說文』踞几也。《徐曰》人所凭坐也。『詩・大雅』或肆之筵、或授之几。『周禮・春官』五几、玉几、雕几、彤几、漆几、素几。『劉歆・西京雜記』漢制、天子玉几、冬加綈錦其上、謂之綈几。凡公侯皆竹木几、冬則細𦇧爲橐以馮之。『玉篇』案也。亦作。『左傳・昭五年』設机而不倚。

又几几、安重貌。『詩・豳風』赤舄几几。

音訓・用義

キ(漢、呉) 〈『廣韻・上聲』居履切〉[jī/jǐ]{gei2/ji2/gei1}
おしまづき。ひぢかけ。つくえ。

几几は、安重の貌、落ち著いて重々しいさま。

現代官話では、本義に用ゐる場合は第一聲(平聲; jī)に讀み、と通用して幾つの意に用ゐる場合や「几几」は第三聲(上聲; jǐ)に讀む模樣。

解字

白川

象形。兩端に足のある臺の形に象る。の初文。机はにれに似た木の名で、もと別の字。

『説文解字』に踞几なりとあり、坐几をいふ。

老者には特に几を薦めるのが禮で、『詩經・大雅・行葦』に或授之几。(或は之に几を授く)といふ。また祭禮や儀禮のときには、薦獻のため几筵を設けた。

のち文書を几上で扱ふので几案といひ、棚に用ゐるやうになつて几閣といふ。

藤堂

象形。足つきの四角い臺を描いたもの。の原字。

屬性

U+51E0
JIS: 1-49-60

関聯字

几に從ふ字

漢字私註部別一覽・几部に蒐める。

其の他

別字。几を幾の簡体字として用ゐる。