旦 - 漢字私註

説文解字

旦

明也。从上。一、地也。凡旦之屬皆从旦。得案切。

旦部

説文解字注

旦

朙也。當作。下文云、朝者、旦也。二字互訓。『〔詩〕大雅・板・毛傳』曰、旦、明也。此旦引伸之義。非其本義。『〔同〕衞風〔氓〕』信誓旦旦。傳曰、信誓旦旦然。謂明明然也。

从日見一上。一、地也。易〔晉・象傳〕』曰、明出地上、㬜。得案切。十四部。

凡旦之屬皆从旦。

康煕字典

部・劃數
日部(一劃)

『唐韻』『集韻』『韻會』得案切『正韻』得爛切、𠀤丹去聲。『說文』明也。从日見一上。一、地也。『玉篇』朝也、曉也。『爾雅・釋詁』旦、早也。『書・大禹謨』正月朔旦。『詩・陳風』穀旦于差。又『大雅』昊天曰旦。『淮南子・天文訓』日至于曲阿、是謂旦明。

又『詩・衞風』信誓旦旦。《箋》言其懇惻款誠。《疏》旦旦猶怛怛。『釋文』旦旦、『說文』作𢘇𢘇。

又『詩・衞風・朱傳』旦旦、明也。

又『前漢・惠帝紀』當爲城旦舂者。《註》城旦者、旦起行治城。舂者、婦人不豫外徭但舂作米、皆四歲𠛬也。

又震旦、西域稱中國之名。『樓炭經』蔥河以東名震旦。

又盍旦。『禮・坊記』相彼盍旦。《註》盍旦、夜鳴求旦之鳥。

又與神同。『禮・郊特牲』所以交於旦明之義也。《註》旦當爲神、篆字之誤也。

又『韻補』叶都眷切。『庾敳・意賦』宗統竟初不別兮、大德亡其情願。天地短於朝生兮、億代促於始旦。

音訓・用義

タン(漢、呉) 〈『廣韻・去聲』得按切〉[dàn]{daan3}
あした。あける。

また戲劇の女形を指す。粤語では、旦角、花旦、刀馬旦など、女形を表す旦をdaan2に讀む。

解字

白川

象形。金文の字形は、雲上に日が半ば現れる形。

『説文解字』に明なり。日の一上にあらはるるに從ふ。一は地なり。とするが、日が雲を破つて出る形。

金文の廷禮冊命を記すものに旦に王、大室にいたといふものが多く、重要が儀禮は旦、昧爽、昧辰のやうに、早朝に行はれた。

藤堂

と一印(地平線)の會意で、太陽が地上に現れることを示す。目立つた物が外に現れ出ること。

落合

甲骨文は、の下に四角形や日などを加へた形の會意字。明け方の時間帶を表した字であり、日の出の直後に低い位置にある太陽が水面に映つた樣子であらう。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. 明け方の時間帶。《屯南》42自旦至食日、不雨。
  2. 祭祀名。《合集》32718于南門旦。

古文で下部を地平線を表す橫線に替へた指示字となつた。

漢字多功能字庫

甲骨文、金文は、に從ひ聲(于省吾)。朝に昇つたばかりの太陽に象り、本義は夜明け、日の出の頃。『説文解字』、吳大澂、容庚、張世超は、旦は太陽が地面から昇り出でる形に象るとする。按ずるに金文、古幣、古璽の文字は、あるいは日が下にあり、丁が上にあり、旦字は丁聲に從ふとするのが比較的に理に合ふ。金文の從ふ丁は塗り潰されてをり、小篆に至つて下にある橫劃に改まり、より地面の形に似る。

甲骨文では本義に用ゐ、夜明け、朝を表す。

金文でも本義に用ゐる。此鼎旦、王各(格)大(太)室。は、夜明け頃に周王が太室(大廟の中央の部屋、また大廟を指す。)に來るの意。

戰國竹簡では本義に用ゐる。《睡虎地秦簡・日書乙種》簡233清旦は明け方を指す。

『説文解字』旦、明也。(後略)王筠『說文釋例』吾聞之海人云、日之初出、為海氣所吞吐、如火如花、承日之下。余居土國、日出亦近似所言、但土氣不如水氣之大耳。

卿雲歌日月光華、旦復旦兮。は日月の輝きが延々と續くことを表す。旦は夜明けを表し、旦復旦は夜明けの後にまた夜明けの來る意。

屬性

U+65E6
JIS: 1-35-22
常用漢字(平成22年追加)

關聯字

旦に從ふ字を漢字私註部別一覽・日部・旦枝に蒐める。