濊 - 漢字私註

説文解字

水部𤃴字條

𤃴
礙流也。从聲。『詩〔衞風・硯人〕』云、施罟𤃴𤃴。呼括切。
十一水部

説文解字注

濊
礙流也。有礙之流也。『衛風』施罛濊濊。毛曰、罛、魚罟。濊濊、施之水中。按施罟而水仍流。故曰礙流。礙流者、言礙而不礙也。『韓詩』云流貌、與毛許一也。濊又訓多水貌。『〔史記〕司馬相如傳』湛恩汪濊。从水聲。各本篆作𤃴、云薉聲。今正。呼括切。十五部。按『釋文』不云『說文』作𤃴。證一。『玉篇』瀏濊二字相連、與『說文』同。濊下云呼括切。水聲。又於衛於外二切。多水貌。不云有二字。證二。『廣韵〔入聲〕十三末』濊、水聲。𤃴、上同。證三。『類篇』濊又呼括切。礙流也。引『詩』施罟濊濊。證四。是知妄人改礙流之字爲𤃴。而別補濊篆於部末、云水多貌、呼會切。不知部末至澒萍等篆已竟。水多非其次也。今刪正。『詩』曰、施罟濊濊。罟當作罛。濊濊今本作𤃴𤃴。大繆。

水部濊字條

濊
水多皃。从聲。呼會切。
十一水部

説文解字注

刪去。

康煕字典

部・劃數
水部・十三劃

『唐韻』呼會切『集韻』呼外切、𠀤音翽。『說文』水多貌。

又『廣韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤烏外切、音薈。汪濊、深廣也。『前漢・郊祀歌』澤汪濊、輯萬國。《註》汪濊者、言饒多也。

又『廣韻』於廢切『集韻』『韻會』烏廢切『正韻』烏胃切、𠀤音穢。義同。一曰濁也。亦與通。『前漢・李尋傳』盪滌濁濊。

又水名。『水經注』淸漳自章武縣故城西、故濊邑也、枝瀆出焉、謂之濊水。

又『廣韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤呼括切、音豁。與𤃴同。礙流也。一曰罟入水聲也。『詩・衞風』施罛濊濊。

部・劃數
水部・十七劃

『唐韻』『集韻』𠀤呼括切、音豁。『說文』礙流也。與同。

又『集韻』於月切、音菀。義同。

又烏廢切、音薉。濁也。

音訓・用義

(1-1) クヮイ(漢) 〈『廣韻・去聲・泰・𧬨』呼會切〉[huì]{wai3}
(1-2) ワイ(漢、呉) 〈『廣韻・去聲・泰・懀』烏外切〉
(2) ワイ(漢) 〈『廣韻・去聲』於廢切〉[wèi/huì]{wai3}
(3) クヮツ(漢) 〈『廣韻・去聲・末・豁』呼括切〉[huò]{kwut3/kut3}
けがれる

音(1)に讀み、水が多いさま、深く廣いさま。

古代滿洲に在つた族の名を音(2)に讀む。近緣の貊と合はせて濊貊とも呼ぶ。官話發音はwèi。粤語は不詳。

「けがれる」の訓義について、藤堂、KO字源は泰韻(上記音(1))とし、『康煕字典』は音穢(廢韻; 上記音(2))とする。現代官話はhuì、粤語はwai3に讀む。

濊濊は音(3)に讀み、網を打つて水中に入るときの音。

解字

白川

形聲。聲符は。歲に(クヮイ)の聲があり、また(ワイ)の聲がある。

『説文解字』にさまたげられたる流れなり(段注本)とし、『詩・衞風・硯人』(上揭)あみ(今文は罛に作る)を施すこと濊濊なりの句を引き、濊濊は罟のために水が停滯する意とする。

また汚穢の意となる。

別に外族の名。『後漢書・東夷傳』に濊族の記述がある。

藤堂

と音符の形聲。

屬性

U+6FCA
JIS: 1-87-24
JIS X 0212: 40-94
𤃴
U+240F4