牀 - 漢字私註

説文解字

牀

安身之坐者。从聲。徐鍇曰、『左傳〔襄二十一年〕』薳子馮詐病、掘地下冰而牀焉。至於恭坐則席也。故从爿、爿則𤕬之省。象人衺身有所倚箸。至於牆、壯、戕、狀之屬、竝當从牀省聲。李陽冰言、木右為、左為爿、音牆。且『說文』無爿字、其書亦異、故知其妄。仕莊切。

木部

説文解字注

牀

安身之几坐也。《鉉本》作安身之坐者五字。非是。牀之制略同几而庳於几。可坐。故曰安身之几坐。牀制同几。故有足有桄。牀可坐。故下曰、処也、從尸得几而止。引『孝經〔開宗明義〕』仲尼凥、而釋之曰、謂閒居如此。按得几而止者、謂得牀而止也。仲尼凥者、謂坐於牀也。上文曰、凭、依几也。乃謂手所馮之几。漢管寜常坐一木榻。積五十餘年未嘗箕股。其榻上當膝處皆穿。此皆古人坐於牀、而又不似今人垂足而坐之證也。牀亦可臥。古人之臥、隱几而已。牀前有几。『孟子〔公孫丑下〕』隱几而臥、是也。『孟子〔萬章上〕』曰、舜在牀琴。葢『尚書』佚篇語也。而古坐於牀可見。琴必在几。則牀前有几亦可見。然則古人之臥無横陳者乎。曰有之。『〔管子〕弟子職』曰、先生將息、弟子皆起。敬奉枕席、問疋何止。『〔禮記〕內則』曰、父母舅姑將衽。長者奉席請何趾。『論語〔鄕黨〕』曰、寢不尸。『左傳〔襄二十一年〕』掘地下冰而牀焉。鮮食而寢。皆是也。『內則』云、少者執牀與坐、御者舉几。謂晨興時也。卽以所衽爲所坐也。

從木爿聲。今書𢪇牂斨牆壯戕狀將字、皆曰爿聲。張參『五經文字・爿部』曰、爿、音牆。『九經字㨾』字注云、下𧰼析木以炊。篆文木、析之兩向。左爲爿、音牆。右爲片。李陽冰亦云、木字右旁爲片。左爲爿、音牆。許書列部之後次以。然則反片爲爿。當有此篆。『六書故』曰、『唐本說文』有爿部。葢本晁氏說之參記許氏文字一書。非肊說。其次弟正當在片後鼎前矣。二徐乃欲盡改全書之爿聲爲牀省聲。非也。顧野王片部後出牀部。則其誤在前耳。仕莊切。十部。

康煕字典

部・劃數
爿部・四劃

『唐韻』『集韻』仕莊切『正韻』助莊切、𠀤狀平聲。『說文』安身之坐者。『廣韻』簀也。『釋名』人所坐臥曰牀。牀、裝也。所以自裝載也。『廣雅』棲謂之牀。『通俗文』八尺曰牀。『易・剝卦』剝牀以足。《註》牀者、人所以安也。

又井榦曰牀。『樂府・淮南王篇』後園鑿井銀作牀。

又『爾雅・釋草』盱虺牀。《註》蛇牀也。一名馬牀。

『廣韻』俗作

部・劃數
广部・四劃

『玉篇』俗字。

音訓

シャウ(慣)
サウ(漢) ジャウ(呉) 〈『廣韻・下平聲・陽・牀』士莊切〉[chuáng]{cong4}
とこ。ゆか。

解字

白川

形聲。聲符は。爿は牀の象形で、牀の初文。

『説文解字』に身を安んずるの几坐なり(段注本)とあり、牀几をいふ。

坐して安んずるものと、臥して安んずるものとがあり、『詩・小雅・ 斯干載寢之牀(すなはち之れを牀にねしむ)とは臥牀をいふ。

卜文に爿に從ふ形の字があり、疾病や夢に關するものが多い。

床は牀の俗字。

正字は牀に作り、爿聲。床はその俗體の字。

本邦では牀の常用字として床を用ゐる。床の間のやうなときには、牀を用ゐることはない。

藤堂

と音符の會意兼形聲。爿は、細長い寢臺を縱に描いた象形字。牀は、木を加へて、爿の原義を明示した字。

床はもとその俗字。

广(いへ)との會意。木で作つた家の臺や家具を表す。もと細長い板を竝べて張つたベッドや細長い板の臺のこと。牀と全く同じ。

落合

牀は寢臺の意のの繁文。

漢字多功能字庫

初文はに作る。後に意符のを加へて、牀に作る。木に從ひ爿聲。本義は人が坐つたり臥したりするための器具。『釋名・釋牀帳』人所坐臥曰牀。牀、裝也、所以自裝載也。『說文』(上揭)。異體を床に作る。

金文では疑ふらくは地名に用ゐる。十四㭉銅犀牀麀嗇夫䣄(徐)戠靭(製)[倝目]器。

帛書では藥名に用ゐる。《馬王堆帛書・五十二病方》第370行蛇牀子

本義に用ゐる例。

引伸して器物を置く臺を表す。

井欄(井筒、井戸の圍ひ)を表す。

量詞に用ゐる。

屬性

U+7240
JIS: 1-64-14
U+5E8A
JIS: 1-30-18
當用漢字・常用漢字