彭 - 漢字私註

説文解字

彭
鼓聲也。从聲。薄庚切。
壴部

説文解字注

彭
𡔷聲也。『詩』之言𡔷聲者惟鼉𡔷逢逢。毛曰、逢逢、和也。逢逢埤蒼、『廣雅』作韸韸。高注『淮南』『吕覽』、郭注『山海經』引『詩』皆作韸韸。許無字。彭卽韸也。東陽合韵也。『毛詩』出車彭彭。又四牡彭彭。又駟騵彭彭。又以車彭彭。凡言彭彭皆謂馬。卽『鄭風』駟介旁旁之異文。彭旁皆假借。其正字則《馬部》之也。言馬而假𡔷聲之字者。其壯盛相似也。『齊風』行人彭彭。傳曰、多皃。亦盛意。从壴。𡔷省。从彡。从彡各本作彡聲。今正。从彡猶从三也。指之列多略不過三。故毛飾畫文之字作彡。彭亦从彡也。大司馬冬狩言三𡔷者四。言𡔷三闋者一。『左傳』曹劌亦言三𡔷。雖未知每𡔷若干聲。而从彡之意可見矣。薄庚切。古音在十部。同

康煕字典

部・劃數
彡部・九劃

『唐韻』『集韻』薄庚切『韻會』『正韻』蒲庚切、𠀤音棚。『說文』鼓聲也。

又軍器。『釋名』彭排、軍器也。彭、旁也、在旁排禦敵攻也。

又水名。『左傳・桓十二年』伐絞之役、楚師分涉於彭。《註》彭水、在新昌衞縣。

又國名。『書・牧誓』及庸蜀羌髳微盧彭濮人。《傳》盧彭、在西北。

又地名。『詩・鄭風』淸人在彭。《傳》衞之河上、鄭之郊也。『春秋・文二年』晉侯及秦師戰于彭衙。《註》馮翊郃陽縣西北有彭衙城。

又州名。『唐書・地理志』彭州、垂拱二年、析益州置。

又彭盛、縣名。『史記・項羽本紀』項王都彭城。『正義』徐州縣。『後漢・郡國志』彭城國、彭城縣、古大彭邑。

又彭亡、聚名。『後漢・郡國志』武陽有彭亡聚。又『岑彭傳』彭至武陽、所營地名彭亡。

又彭蠡、湖名。『書・禹貢』彭蠡旣豬。『前漢・地理志』豫章郡彭澤縣、彭蠡澤在西。

又彭門、山名。『後漢・郡國志』蜀郡湔氐道縣前有兩石、對如闕、號曰彭門。

又姓。『史記・楚世家』陸終生六子、三曰彭祖。《註》虞翻曰、名剪、爲彭姓、封於大彭。『鄭語』彭姓豕韋諸稽、則商滅之矣。『廣韻』左傳、楚有彭仲爽、漢有大司空彭宣。

又『韻會』逋旁切『正韻』博旁切、𠀤榜平聲。『玉篇』多貌。『詩・齊風』行人彭彭。『釋文』彭、必旁反。

又『玉篇』盛也。『韻會』壯也。『詩・大雅』駟騵彭彭。『集韻』强盛貌。

又『廣韻』行也。『詩・小雅』四牡彭彭。《傳》彭彭、不得息也。

又『廣韻』道也。

又『集韻』晡橫切、音閍。衆車聲也。

又『韻會』『正韻』𠀤蒲光切、音旁。『韻會』近也。『正韻』旁也。『易・大有』九四匪其彭、无咎。《疏》彭、旁也。

又『類篇』彭亨、驕滿貌。『韓愈・城南聯句』苦開腹彭亨。

又『詩・魯頌』有驪有黃、以車彭彭。『劉歆・遂初賦』求仁得仁、固其常兮。守信保己、比老彭兮。

又與魴通。『公羊傳・成十八年』晉侯使士彭來乞師。《註》二傳士彭作士魴。

音訓

(1) ハウ(漢) 〈『廣韻・下平聲』薄庚切〉[péng]{paang4}
(2) ハウ(漢) 〈『韻會』逋旁切、榜平聲、唐韻〉[bāng]{bong1/pong4}
(1) ふくれる
(2) さかん

音(1)は、鼓の音をいふのに用ゐる。

音(2)は、數多きさまや盛んなさまをいふのに用ゐる。

解字

白川

の會意。壴は鼓の形。彡は音や色彩、充實した狀態などを示す記號。彭は音、、彩は色、穆は穀實の熟して穗先のひげのある形。但し、彭の卜文、金文の字形は、振動音を示す斷續の線記號であり、彡ではない。

『説文解字』に鼓の聲なりとし、壴に從ひ、彡に從ふ。とするが、初形は彡に從ふものではない。

藤堂

鼓字の左側と(模樣、しきりに)の會意。太鼓の張つた腹をしきりに叩いてばんばんと音を立てることを示す。

落合

指示。太鼓の象形であると指示記號のに從ひ、彡は太鼓の音を表してゐる。

用法が壴に近く、甲骨文の段階ではその異體であつたかも知れない。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. 地名またはその長。第三期には貞人(何組)としても見える。《甲骨綴合集》538癸丑王卜在彭貞、旬亡禍。
  2. 祭祀名。《合集》7064辛丑卜亘貞、呼取彭。

漢字多功能字庫

に從ふ。壴は鼓の初文。彡は鼓を叩くときに發する音。本義は鼓聲。『説文解字』は彡聲とするが、按ずるに彡は聲符ではなく、鼓の音の標識(李孝定)。

甲骨文での用義は次のとほり。

金文での用義は次のとほり。

戰國文字では多く姓氏に用ゐる。《上博竹書三・彭祖》簡1狗老問于彭祖。《古璽彙編》3513にも「彭𣇾」の名がある。『通志・氏族略二』彭氏、即大彭之國。在商時為諸侯伯。古祝融氏之後、有陸終氏、六子。第三子彭祖建國于彭、子孫以國為氏。

傳世文獻での用義は次のとほり。

いまなほ粵語では「彭彭聲」で事物の美盛なさまを形容する。

屬性

U+5F6D
JIS: 1-55-37