彤 - 漢字私註

説文解字

彤
丹飾也。从。彡、其畫也。徒冬切。
丹部

説文解字注

彤
丹飾也。春秋經〔莊二十三年〕』曰、丹桓宫楹。从丹彡。以丹拂拭而涂之。故从丹彡。彡者、毛飾畫文也。飾拭古今字。彡、其畫也。說从彡之意。彡亦聲。小徐有此三字。然則彤古音當在七部矣。今音徒冬切。

康煕字典

部・劃數
彡部・四劃

『唐韻』『集韻』『韻會』𠀤徒冬切、音佟。『說文』丹飾也。从丹、从彡。彡、其畫也。『玉篇』赤色。『詩・邶風』貽我彤管。『左傳・定九年』靜女之三章取彤管焉。《註》彤管、赤管筆、女史記事規誨之所執。《疏》必用赤者、示其以赤心正人也。『書・文侯之命』彤弓一。『詩・小雅・彤弓傳』彤弓、朱弓也。

又姓。『史記・夏本紀』禹爲姒姓、其後分封、用國爲姓、有彤城氏。《註》索隱曰、周有彤伯、蓋彤城氏之後。『廣韻』彤伯爲成王宗枝。

音訓

トウ(漢) 〈『廣韻・上平聲・冬・彤』徒冬切〉[tóng]{tung4}
あか

解字

白川

の會意。丹は丹井の象。水銀からとる丹は變色することがなく、神聖な色とされた。彡はその光彩あることを示す。

『説文解字』に丹飾ありとあり、聖器、儀器には丹漆を加へることがあつた。

金文の賜與には「彤弓彤矢」といふものが多く、黑塗りのものは「旅弓旅矢」といふ。はもとに從つて玈に作る。

青丹を用ゐるものを𩇕といふ。

藤堂

(赤)と(模樣)の會意。

漢字多功能字庫

金文はに從ふ。丹は丹砂。彡は色取り取りで美しく鮮やかな形に象る(張世超)。彤は紅色の紋彩を表す。

金文では本義に用ゐ、「彤沙」は戈の紅い緌、「彤弓」、「彤矢」は紅い弓や矢を表す。彤と弓、矢を合文にするとき、彡を省く。

漢簡では彤と音の近い桐に通じて作る。阜陽漢簡《詩經》桐筦は『邶風・靜女』彤管のこと。

段注に以丹拂拭而涂之、故从丹彡。彡者毛飾畫文也。といふ。

屬性

U+5F64
JIS: 1-84-29
JIS X 0212: 28-93