刃 - 漢字私註

説文解字

刃
刀堅也。象刀有刃之形。凡刃之屬皆从刃。
刃部

康煕字典

部・劃數
刀部(一劃)

『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤而振切、忍去聲。『說文』刀堅也。象刀有刃之形。《徐曰》若今刀刃、皆別鑄剛鐵、故从一。『玉篇』刀刃也。『莊子・養生主』臣之刀十九年矣、所解數千牛、而刀刃若新發于硎。

又『韻會』刀加距爲刃。『字彙』俗作、非。

又而鄰切、音人。『揚子・太玄經』旌旗絓羅太恨民也。兵衰衰不血刃也。

廣韻

四聲・韻・小韻
去聲・震・刃
反切
而振切

刀刃。而振切。十一。

異體字

或體。

音訓

ジン(漢) ニン(呉) 〈『廣韻・去聲・震・刃』而振切〉
は。やいば。やいばする(自刃)。

解字

白川

象形。刀の刃部に光のあることを示す字。

『説文解字』に刀堅きなりとし、刀に刃有るの形に象るといふ。

字を指示とする説もあるが、指示は場所的な關係の表示を主とする。刃の刃光を示す方法は、の玉光の表現と同じと見て良い。

藤堂

指示。刀の刃のある所を、印で指し示したもの。刃毀れのしないやうに鍛へて黏り強くした刀の刃のこと。

落合

指示。の刃の部分に丸印を附けて示したもの。曲線の指示記號を用ゐた異體もある。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. 地名またはその長。殷王に反抗した記述もある。《合集》5475辛亥卜賓貞、刃戴王使。
  2. 動詞。詳細は不明。《合集》117王臣其有刃。

篆文で指示記號が下部に移動したが、もとは上部に附く形。

漢字多功能字庫

甲骨文に二種類の字形があり、一つは丿に從ふ。丿は指示記號。もう一つは刀と丸い指示記號に從ふ。指示記號は刀の刃の所在を顯示してゐる。本義は刀の切つ先、刃。

金文は刀とに從ひ、小篆の形に同じ。

甲骨文では方國名や人名に用ゐる。

金文での用義は不詳。

《睡虎地秦簡・法律答問》に兵刃とあり、武器を指す。

屬性

刃󠄁
U+5203 U+E0101
CID+13858
刃󠄃
U+5203 U+E0103
MJ007450
U+5203
JIS: 1-31-47
當用漢字・常用漢字
U+5204
JIS: 1-49-67

関聯字

刃に從ふ字を漢字私註部別一覽・刀部・刃枝に蒐める。