丿 - 漢字私註

説文解字

丿
右戾也。象左引之形。凡丿之屬皆从丿。
註に徐鍇曰、其爲文舉首而申體也。といふ。
十二丿部

説文解字注

丿
又戾也。象𠂇引之形。𠂇各本作左。今正。戾者、曲也。右戾者、自右而曲於左也。故其字象自左方引之。丿音義略同撆、書家八法謂之掠。房密切。又匹蔑切。十五部。凡丿之屬皆从丿。

康煕字典

部・劃數
部首

『廣韻』普蔑切『集韻』匹蔑切、𠀤音瞥。『說文』右戾也。象左引之形。《徐鍇曰》其爲文舉首而申體也。

又『集韻』於兆切、音殀。義同。

又『廣韻』餘制切、音曳。至也、至地也。

音訓

ヘツ(漢) ヘチ(呉) 〈『廣韻・入聲・屑・撆』普蔑切〉[piě]{pit3}

解字

白川

象形。右上より左下に引く斜線。

『説文解字』に右より戾るなり。左に引く形に象る。といふ。

獨立した用法のない字であるが、「丿乀」は左右に引く形であるので、「漁舟丿乀」のやうにいふことがある。

藤堂

指示。右上から左下に引いた形を示すもので、分ける、拂ふの意を示す。

落合

指示。分かれた物體を示すの片割れの部分。甲骨文では主に肩甲骨の片方を意味して用ゐられてゐる。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. 肩甲骨の片方。例へば「十屯又一丿」であれば十對と一つの片割れの意であり、合計21個になる。《東京大學東洋文化研究所藏甲骨文字・圖版篇》548・貢納記錄利示三屯又一丿。
  2. 祭祀名か。《懷特氏等所藏甲骨文集》1636…河奭以丙…衣丿衣…。

屬性

丿
U+4E3F
JIS: 1-48-8