長 - 漢字私註

説文解字

また𨱗につくる。
久遠也。从。兀者、高遠意也。久則變化。亾聲。[⿸厂丫]者、倒亾也。凡長之屬皆从長。
第二句の从匕はあるいは从𠤎。段注に會意。匕呼霸切。といふ。
長部
𠑷
また𠤐につくる。
古文長。
𠇬
また𠔊𠑻𠑿につくる。
亦古文長。

康煕字典

部・劃數
部首
古文
𨱗
𠤐
𠑷
𠔊
𠑻
𠑿
𡕣

『唐韻』『集韻』直良切『正韻』仲良切、𠀤音場。『增韻』短之對也。『孟子』今交九尺四寸以長。『前漢・田橫傳』尺有所短、寸有所長。

又久也。『詩・商頌』濬哲維商、長發其祥。《箋》長、猶久也。『老子・道德經』天地所以能長且久者、以其不自生、故能長生。

又遠也。『詩・魯頌』順彼長道、屈此羣醜。《箋》長、遠也。『古詩』道路阻且長。

又常也。『陶潛・歸去來辭』門雖設而長關。『李商隱詩』風雲長爲護儲胥。

又大也。『世說新語補』願乗長風、破萬里浪。

又善也。『晉書・樂廣傳』論人必先稱其所長。『唐書・韓琬傳』文藝優長。

又『博雅』長、挾也。

又『吳語』孤敢不順從君命、長弟許諾。《註》長弟、猶云先後也。

又星名。『博雅』太白謂之長庚。『詩・小雅』東有啓明、西有長庚。《傳》日旦出、謂明星爲啓明。日旣入、謂明星爲長庚。

又宮名。『班固・西都賦』北彌明光而亙長樂。『謝朓・怨情詩』掖庭聘絕國、長門失歡宴。《註》長門、漢𨻰皇后所居。

又地名。『玉海』長安、本關中地、西漢建都于此、後因謂天子所都爲長安。

又山名。『說林』公見東陽長山、曰、何其坦迤。『金史・禮志』有司言、長白山在興王之地、禮合尊崇。

又國名。『山海經』有鹽長之國。

又獸名。『山海經』有獸焉、其狀如禺、而四耳、其名長右。

又草名。『爾雅・釋草』長楚、銚芅。《疏》長楚、一名銚芅。

又姓。『左傳・僖二十八年』甯子先長牂守門。《註》長牂、衞大夫。又仲長、複姓。

又長乗、神名。『山海經・郭璞贊』九德之氣、是生長乗。人狀犳尾、其神則凝。妙物自潛、世無得稱。

又『韻會』『正韻』𠀤展兩切、音掌。孟也。『易・乾卦』元者、善之長也。《疏》元爲施生之宗、故言元者善之長也。『戰國策』君長齊奚以薛爲。《註》長、雄長之長。

又齒高也。『書・伊訓』立愛惟親、立敬惟長。『禮・曲禮』年長以倍、則父事之。十年以長、則兄事之。五年以長、則肩隨之。

又位高也。『書・益稷』外薄四海、咸建五長。《傳》言至海諸侯五國、立賢者一人爲方伯、謂之五長、以相統治。『釋文』五長、衆官之長。

又『周禮・天官・大宰』乃施則于都鄙、而建其長。《註》長謂公卿大夫、王子弟之食采邑者。

又進也。『易・泰卦』君子道長、小人道消也。

又生長也。『孟子』苟得其養、無物不長。

又長養之也。『前漢・董仲舒傳』陽常居大夏、而以生育養長爲事。

又『詩・大雅』克明克類、克長克君。《箋》敎誨不倦曰長。

又官名。『左傳・襄十一年』秦庶長鮑庶長武帥師伐晉、以救鄭。《註》庶長、秦爵也。

又縣名。『左傳・襄十八年』夏、晉人執衞行人石買于長子。《註》長子縣、屬上黨郡。

又『集韻』『韻會』『正韻』𠀤直亮切、音仗。『集韻』度長短曰長。

又『集韻』餘也。『正韻』多也、宂也、剩也。『論語』長一身有半。『世說新語』平生無長物。『陸機・文賦』故無取乎宂長。

又『正韻』知亮切、音障。增盛也。『韓愈詩』得時方長王。

部・劃數
長部(零劃)

『字彙』古文字。註詳上。『正字通』長字在旁之文、髟髮諸字从此。

部・劃數
長部(零劃)

『集韻』古作𨱗。註詳上。○按『字彙』𨱗字下尚有𠤐字、訓古文長字。『正字通』云、『說文』、『集韻』古文長字俱作𠑷、無有作𠤐者、『字彙』或另有據、但字形亦不應入長部。今移入𠤎部、此刪。

部・劃數
匕部三劃

『集韻』古作𠤐。註見部首。

部・劃數
儿部三劃

『玉篇』『集韻』𠀤古文字。註見部首。『同文舉要註』从上人。尚書長字。

部・劃數
八部五劃

『玉篇』古文字。註見部首。

部・劃數
儿部四劃

『集韻』古作𠑻。註見部首。

部・劃數
儿部五劃

『字彙補』古文字。註見部首。

部・劃數
夊部五劃

『字彙補』古文字。註詳部首。

部・劃數
儿部五劃

『字彙補』同。兏𤫋、玉名。見穆天子傳。

異體字

説文解字の重文第一をあるいは仧につくる。

説文解字の重文第二をあるいは𠇬につくる。

簡体字。

音訓

(1) チャウ(漢) 〈『廣韻・下平聲・陽・長』丈二切〉
(2) チャウ(漢、呉) 〈『廣韻・上聲・養・長』知丈切〉
(3) チャウ(漢) 〈『廣韻・去聲・漾・仗』直亮切〉
(1) ながい。とほい。たける。まさる。すぐれる(長所)。
(2) をさ。かしら。としかさ(年長)。そだつ(生長)。ます。ふやす。すすむ。
(3) たけ。ながさ。あまる(冗長)。

解字

長髮の人の象形。老人であるといふ。

白川

象形。長髮の人の形を象る。氏族の長老を意味する。上部は長髮の形。下部は人の側身形。長髮は長老の人にのみ許されたもので、部族を代表する者であつた。

徵は長髮の人を毆つ形で、この人をうち懲らしめることは、その部族に對して懲罰を與へる意味があつた。

は巫祝者を擊つ形で、その呪力を「くする」ために毆つ呪的行爲をいふ。

長髮、長老の意より、長久、首長などの意となる。

藤堂

象形。老人が長い髮を靡かせて立つさまを描いたもの。

落合

老と同じく長髮の人物の象形。

甲骨文での用例は「長子」の語にのみ見え、一般に年長者を指す語だつたかは不明。「ながい」は長髮からの聯想による派生義であらう。但し別源語に轉用されたとする説もある。

《合集》27641其侑長子、叀龜至、王受祐。

漢字多功能字庫

甲骨文、金文は、長髮の老人が杖をつく形を象る(葉玉森、劉釗、劉興隆、沈培)。本義は長者、年長、また長髮から長短の長の意を派生する。

長字と老字の構形初義は近く、長者は實のところ老人と同義であるため。部分字形は杖の形を省く。杖の形はあるいはの形に變形する。中山王鼎の長字は加へてに從ふ。

甲骨文では方國名あるいは地名に用ゐ、また人名、南方の風名などに用ゐる(徐中舒參考)。

金文での用義は次のとほり。

屬性

U+9577
JIS: 1-36-25
當用漢字・常用漢字
U+9578
JIS: 2-91-50
𨱗
U+28C57
𠤐
U+20910
𠑷
U+20477
𠔊
U+2050A
𠑻
U+2047B
𠑿
U+2047F
𡕣
U+21563
U+514F
U+4EE7
𠇬
U+201EC
U+957F

関聯字

長に從ふ字

長聲の字