祿 - 漢字私註

説文解字

祿

福也。从聲。盧谷切。

示部

説文解字注

祿

福也。『詩』言福祿多不別。『商頌』五篇、㒳言福、三言祿。大恉不殊。『〔爾雅〕釋詁』《毛詩傳》皆曰、祿、福也。此古義也。鄭旣醉箋始爲分別之詞。

从示彔聲。盧谷切。三部。

康煕字典

部・劃數
示部・八劃

『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤盧谷切、音鹿。『說文』福也。『廣韻』善也。『詩・商頌』百祿是何。《箋》當擔負天之多福。

又俸也。居官所給廩。『禮・王制』位定然後祿之。『周禮・天官・大宰』以八柄詔王馭羣臣、二曰祿。《疏》以功詔祿。祿、所以富臣下、故云。『禮・曲禮』士曰不祿。《疏》士祿以代耕。不祿、不終其祿也。

又司祿、星名。『史記・天官書』文昌宮六曰司祿。

又回祿、火神。『左傳・昭十八年』鄭禳火於回祿。

又姓。紂子祿父後。

又州名。廣南化外有福祿州、唐總章二年置。

又天祿、獸名。『前漢・西域傳註』似鹿、長尾、一角者爲天祿、兩角者爲辟邪。漢有天祿閣、因獸立名、藏祕書。

又『集韻』註1龍玉切、音錄。祿祿、形貌爲禮也。陸德明說。

又叶錄直切、音力。『漢昭帝冠詞』摛顯先帝之光耀、以承皇天之嘉祿。欽奉仲春之吉辰、普遵大道之郊域。

又叶歷各切、音落。『前漢・敘傳』位過厥任、鮮終其祿。博之翰音、鼓妖先作。

註1
原版は『廣韻』とするが、『廣韻』には見えず、『集韻』に見える。

廣韻

四聲・韻・小韻
入聲
反切
盧谷切音1

俸也、善也、福也、録也。

又姓。紂子禄父之後。

盧谷切。四十七。

音訓義

ロク(漢)(呉)⦅一⦆
リョク(推)⦅二⦆
さいはひ⦅一⦆
官話
⦅一⦆
粤語
luk6⦅一⦆

⦅一⦆

反切
廣韻・入聲』盧谷切廣韻1
集韻・入聲上屋第一祿』盧谷切
『五音集韻・入聲卷第十三・屋第一・來切一禄』盧谷切
聲母
來(半舌音・次濁)
等呼
官話
粤語
luk6
日本語音
ロク(漢)(呉)
さいはひ
福。善。福祿。
俸給。俸祿。
祿祿とは平凡なさま。
不祿とは士の死のこと。『禮記・曲禮天子死曰崩、諸侯曰薨、大夫曰卒、士曰不祿、庶人曰死。

⦅二⦆

反切
集韻・入聲上屋第一・燭第三・錄』龍玉切
『五音集韻・入聲卷第十三・燭第三・來三錄』力玉切
聲母
來(半舌音・次濁)
等呼
日本語音
リョク(推)
『集韻』禄禄、形皃爲禮也。陸德明說。

解字

白川

形聲。聲符は

『説文解字』に福なり、『廣雅・釋詁一』に善なりと見える。天より與へられる福善をいふ。

金文には彔字を用ゐる。彔は錐もみ狀に刻む形の字であるから、その聲を假借して、の意に用ゐたものであらう。

藤堂

(祭壇)と音符の會意兼形聲。彔は、刀でぽろぽろと竹や木を削るさまを描いた象形字。小片が續いてこぼれ落ちるの意を含む。の原字。祿は、神からのおこぼれ、おかみの手からこぼれ落ちた扶持米などの意。

漢字多功能字庫

に從ひ聲。本義は福。『説文解字』祿、福也。(後略)《段注》『詩』言「福」「祿」多不別。『商頌』五篇、兩言「福」、三言「祿」、大恉不殊。『釋詁』、《毛詩傳》皆曰「祿、福也」、此古義也。

祿はまた官吏の俸給、俸祿を表す。『廣韻・屋韻』祿、俸也。

金文では彔を借りて祿となす。

屬性

祿
U+797F
JIS: 1-67-19
人名用漢字
U+7984
JIS: 1-47-29
人名用漢字