角 - 漢字私註

説文解字

角

獸角也。象形。角與相似。凡角之屬皆从角。古岳切。

角部

説文解字注

角

獸角也。人體有偁角者、如日月角、角犀豐盈之類。要是假借之辭耳。

象形。古岳切。三部。按舊音如榖。亦如鹿。角與刀魚相佀。其字形與刀魚相似也。此龜頭似蛇頭、虎足似人足之例。

凡角之屬皆从角。

康煕字典

部・劃數
部首

『唐韻』古岳切『集韻』『韻會』『正韻』訖岳切、𠀤音覺。『說文』角、獸角也。本作𧢲、从力从肉。『易・大壯』羝羊觸藩、羸其角。『春秋・成七年』鼷鼠食郊牛角。『禮・月令』仲夏鹿角解、仲冬麋角解。『大戴禮・易本命』四足者無羽翼、戴角者無上齒。『列子・黃帝篇』傅翼戴角、謂之禽獸。

又犀有食角。『爾雅・釋獸』犀似豕。《註》犀三角、一在頂、一在額、一在鼻。鼻上者、食角也。《蘇頌曰》一名奴角。

又龍角。『埤雅』有角曰虯龍。

又角弓、以角飾弓也。『詩・小雅』騂騂角弓。『周禮・冬官考工記』弓人爲弓角者、以爲疾也。『魏志・鮮𤰞傳』端牛角爲弓、世謂之角端者也。○按角端卽角顓、謂一角正立不斜、故名角端。角、古音祿、【字林】【正韻】譌作、非。

又額角。『逸雅』角者、生於額角也。『後漢・光武紀』隆準日角。《註》謂庭中骨起、狀如日。『論語・撰考讖』顏回有角額、似月。

又隅也。『易・晉卦』晉其角。《疏》西南隅也。『後漢・郞顗傳』顗父宗善風角星算。《註》角、隅也。𠋫四隅之風以占吉凶。又『唐書・裴坦傳』含人初詣省視事、四丞相送之、施一榻堂上、壓角而坐。『宋敏求・春明退朝錄』舍人院每知制誥上事、必設紫褥于庭、北面拜、㕔閣長立褥東北隅、謂之壓角。

又男女未冠笄曰總角。『詩・衞風』總角之宴。『朱傳』結髮爲飾也。『禮・內則』剪髮爲鬌、男角女羈。《註》夾囟曰角、兩髻也。午達曰羈、三髻也。

又校也。『禮・月令』仲春、角斗甬。《註》較其同異也。『管子・七法篇』春秋角試。

又『廣韻』競也。『戰國策』駕犀首而驂馬服、以與秦角逐。『前漢・谷永傳』角無用之虛文。

又『增韻』通作。『前漢・李廣傳』數與鹵确。《註》謂競勝負也。

又『韻會』角抵、戲名。六國時所造、使兩兩相當、角力相抵觸。『史記・李斯傳』作觳抵。『前漢・武帝紀』作角抵。又『張騫傳』作角氐。角與觳通。

又掎角、駐兵以制敵也。『正韻』紲其後曰掎、絓其前曰角。『左傳・襄十四年』譬如捕鹿、晉人角之、諸戎掎之。『魏志・少帝紀』吳𡨥屯逼永安、遣荆、豫諸軍、掎角赴救。『韻會』亦作捔。

又東方之音也。『禮・月令』孟春之月、其音角。『前漢・律歷志』角、觸也。物觸地而出、戴芒角也。『爾雅・釋樂』角謂之經。『韻會』通作龣。『魏書・江式傳』宮商龣徵羽。《註》龣卽角字。

又大角、軍器。『演繁露』蚩尤率魑魅與黃帝戰、帝命吹角爲龍鳴禦之。『唐書・百官志』節度使入境、州縣築節樓、迎以鼓角。今鼓角樓始此。

又星名。『韻會』東方七宿之首、蒼龍之角十二度。『爾雅・釋天』壽星、角亢也。《註》列宿之長。又『博雅』大角謂之棟星。『史記・天官書』大角者、天王帝廷。

又羊角、旋風也。『莊子・逍遙遊』摶扶搖羊角而上者九萬里。

又酒器。『禮・禮器』𤰞者舉角。《疏》四升曰角。角、觸也。不能自適、觸罪過也。

又量器。『管子・七法篇』斗斛也、角量也。『呂覽・八月紀』正鈞石、齊升角。

又木角、㪺水斗名。『禮・喪大記』虞人出木角。

又角人、官名。『周禮・地官』角人掌以時徵齒角、凡骨物于山澤之農。

又履名。『釋名』仰角、屐上施履之名也。『揚子・方言』徐土邳圻之閒、大麄謂之䩕角。《註》今漆履有齒者。

又艸名。『博雅』𦯊明、羊角也。『埤雅』莪、一名角蒿。

又果名。『淸異錄』新羅國松子有數等、惟玉角香最奇。『本草綱目』芰實、一名沙角。

又鳥名。『本草綱目』鷹、一名角鷹。『李時珍曰』頂有毛角、故名。

又小魚名鹿角。『歐陽修・達頭魚詩』毛魚與鹿角、一龠數千百。

又地名。『韓愈・祭張員外文』避風太湖、七日鹿角。《註》地在洞庭湖。

又城名。『左傳・襄二十六年』襲衞羊角、取之。《註》今廩丘縣所治羊角城是。

又縣名。『南齊書・州郡志』角陵縣、屬南新陽左郡。

又姓。『後漢・馮異傳』角閎據汧駱。

又『唐韻』『集韻』𠀤盧谷切、音祿。『類篇』獸不童也。又『廣韻』漢四皓有角里先生。○按【通雅】角、古音祿。【詩・召南〔行露〕】誰謂雀無角、何以穿我屋。【史記・刺客傳】天雨粟、馬生角。【前漢・東方朔傳】臣以爲龍又無角、謂之爲蛇又有足。揚子【太玄經〔太玄棿〕】嘖以牙者童其角、㩣以翼者兩其足。崔駰【杖頌】用以爲杖、飾以犀角、王母扶持、永保百祿。俱叶音祿。李因篤曰、杜甫赤霄行、孔雀未知牛有角、渴飮寒泉逢觝觸。唐人亦作祿、音用。又李濟翁【資暇錄】云、漢四皓、其一號角里先生。角音祿、今多以覺音呼、誤也。至於讀角爲覺、而角里之音祿者、輒攺作甪、則益謬矣。又【東都事略】崔偓佺云、刀下用音榷、兩點下用音鹿、一點一撇不成字、未詳。【唐韻】角音祿、又音覺、其實字無二形。【說文】角訓象獸角形、亦無刀用兩點之說。偓佺臆說、不可从。【佩觿集】、【字林】、【韻會】、【正韻】分角甪爲二、𠀤誤。

又『字彙補』古祿切、音谷。『韓愈・贈張籍詩』角角雄雉鳴。『方崧卿云』角音谷。

又『音學五書』叶良拒切、音慮。『尉繚子・兵談篇』兵如總木、弩如羊角、人人無不騰陵張膽絕乎疑慮、堂堂決而去。

『集韻』通作捔。

部・劃數
用部(一劃)

『正字通』字之譌。詳角字註。

異體字

或體。

或體。

音訓義

カク(漢)(呉)⦅一⦆
ロク(漢)(呉)⦅二⦆
つの⦅一⦆
かど⦅一⦆
すみ⦅一⦆
あらそふ⦅一⦆
くらべる⦅一⦆
官話
jiǎo⦅一⦆⦅二⦆
jué⦅一⦆
⦅二⦆
粤語
gok3⦅一⦆
luk6⦅二⦆

⦅一⦆

反切
廣韻・入聲・覺』古岳切
『集韻・入聲上・覺第四・覺』訖岳切
『五音集韻・入聲卷第十三・覺第四・見二覺』古岳切
聲母
見(牙音・全清)
等呼
官話
jiǎo
jué
粤語
gok3
日本語音
カク(漢)(呉)
つの
かど
すみ
あらそふ
くらべる
牛、羊、鹿などの角。あるいはそれに似たもの。
二線が一點に出合ふところ。直角。角度。三角形。
物の尖つたところ、突き出た部分。
子供の髮形、あげまき。總角。
角笛、喇叭。号角。
二十八宿の一。(jawp:角宿)
計量單位。
貨幣單位。
爭ふ。較べる。競ふ。
角の形の酒器。
五音(jawp)の一。
芝居の役者、あるいは演ずる役柄。
補註
現代官話では、前八義(貨幣單位まで)はjiǎo、後四義はjuéと使ひ分けるらしい。

⦅二⦆

反切
廣韻・入聲』盧谷切廣韻1
集韻・入聲上屋第一祿』盧谷切
『五音集韻・入聲卷第十三・屋第一・來切一禄』盧谷切
聲母
來(半舌音・次濁)
等呼
官話
jiǎo
粤語
luk6
日本語音
ロク(漢)(呉)
『集韻』獸不童也。
角里先生は商山の四皓(zhwp)の一人。
補註
藤堂は官話發音をlùとする。汉典など漢語資料は角里先生について管見の限りではjiǎoを示す。

解字

白川

象形。獸角の形。

『説文解字』に獸角なり。象形。とし、字形について角と刀魚と相ひ似たりとする。漢碑の《曹全碑》《景北海碑》などの鰥の字形を、角に從ふ形に作る。

殷周の酒器に角と呼ばれる酒器があり、古くは角を酒器に用ゐた名殘。

藤堂

象形。∧型のつのを描いたもので、外側が堅く、中空であるつの。

落合

牛の角の象形。

甲骨文では、地名またはその長を表す。王朝と敵對することもあつた。領主は角婦とも呼ばれる。《合集》20532庚戌卜王貞、伯⿱丙丙允其服角。

甲骨文では、角を用ゐた行爲を表す字の構成要素として用ゐられてゐる。

また甲骨文に酒器の象形字があり、字形は角に當たる。繁文は觥。

漢字多功能字庫

甲骨文、金文は、彎曲した獸の角の形に象り、中間は角の筋模樣に象る。獸角の上端に飾筆を加へることがあり、小篆や楷書はこれが變じたもの。『説文解字』𧢲(角)、獸角也。象形。(後略)

甲骨文、金文では地名に用ゐる。金文ではまた疑ふらくは通假して慤となし、恭敬を表す。史牆盤櫅(齊)角(慤)熾光、義(宜)其禋祀。前の句の文意は難解で、疑ふらくは、恭敬にして盛んに光有り、その種の祭祀に適してゐること、を表す(參: 裘錫圭)。

戰國竹簡での用義は次のとほり。

屬性

U+89D2
JIS: 1-19-49
當用漢字・常用漢字
角󠄀
U+89D2 U+E0100
CID+13682
角󠄃
U+89D2 U+E0103
MJ024283
角󠄄
U+89D2 U+E0104
MJ024282
U+752A
JIS: 2-81-19
JIS X 0212: 45-9
𧢲
U+278B2

關聯字

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