攻 - 漢字私註

説文解字

攻
擊也。从聲。古洪切。
攴部

説文解字注

攻
擊也。〔周禮〕考工記』攻木、攻皮、攻金《注》曰、攻猶治也。此引伸之義。从攴工聲。古洪切。九部。

康煕字典

部・劃數
攴部・三劃

『唐韻』古洪切『集韻』『韻會』沽紅切『正韻』古紅切、𠀤音公。『說文』擊也。『博雅』伐也。『易・同人』乗其墉弗克攻。『書・伊訓』造攻自鳴條。

又『類篇』一曰治也。『書・甘誓』左不攻于左。《傳》治也。『論語』攻乎異端。

又『詩・小雅』我車旣攻。《傳》攻、善也。『朱傳』攻、堅也。

又心爲物欲所侵曰攻。『唐書・太宗紀』一心攻之者衆。

又摘人過失亦曰攻。『蜀志・諸葛亮傳』勤攻吾闕、則事可定。

又『詩・大雅』庶民攻之。《傳》攻、猶作也。

又『博雅』攻、𩋆也。

又姓。『何氏姓苑』漢有攻生單。

又『廣韻』古冬切、音釭。義同。

又『集韻』古送切、音貢。『周禮・夏官・司弓矢』利攻守。『釋文』攻、如字、劉音貢。

又『韻補』叶姑黃切。『史記・龜筴傳』入於周地、得太公望、與卒聚兵、與之相攻。

『說文』从攴作

音訓

コウ(漢) 〈『廣韻・上平聲・東・公』古紅切〉[gōng]{gung1}
せめる。をさめる。

解字

白川

の會意。工は工具。攴は打つこと。工を用ゐて器を作ることをいふ。

周禮・考工記』に、攻木、攻皮、攻金の職があり、みなその材質に加工することをいふ。

攻、工は通用の字。は假借。金文に軍事を戎攻、また戎工といふ。學術を修めることを攻學、攻究といふ。

工はまたの字中に含まれて、呪具の意がある。その呪具を用ゐて、攻擊する意がある。

藤堂

(動詞の記號)と音符の會意兼形聲。工は、上下の面を丨線で突き拔いたさまを示す指示字。攻は、突き拔く、突つ込むの意。

落合

甲骨文は、鑿の象形のと、槌を持つた手の形のに從ふ。工亦聲。後に引伸義で攻擊の意味になつたが、原義は加工すること。甲骨文には手の形のに從ふ異體字もある。

甲骨文では、地名またはその長を表す。領主は攻伯とも呼ばれる。《懷特氏等所藏甲骨文集》53・貢納記錄攻以三百。

字形は金文以降に旁がに變へられた。

漢字多功能字庫

金文はに從ひ聲。攴は手に棍棒を持つ形に象り、攻擊の意を有す。疑ふらくは本義は攻擊。

金文での用義は次のとほり。

屬性

U+653B
JIS: 1-25-22
當用漢字・常用漢字