氐 - 漢字私註

説文解字

氐
至也。从下箸。一、地也。凡氐之屬皆从氐。丁礼切。
十二氐部

説文解字注

氐
至也。氐之言抵也。凡言大氐、猶大都也。本也。小徐本有此二字。氐爲本。故柢以會意。『國語』曰、天𣒨見而水涸。韋曰、天𣒨、亢氐之閒。从氏下箸一。箸、直略切。會意也。許書無低字。底、一曰下也。而昏解云。从日、氐省。氐者、下也。是許說氐爲高低字也。『廣韵』都奚切。『玉篇』丁兮切。十五部。大徐丁禮切。一、逗、地也。一之用甚多。故每分別解之。凡氐之屬皆从氐。

康煕字典

部・劃數
氏部(一劃)
古文
𢎮

『唐韻』丁禮切『集韻』典禮切、𠀤音邸。『說文』氐、至也。从氏、下著一。一、地也。

又本也。『詩・小雅』尹氏大師、維周之氐。《毛傳》氐、本也。正義曰、氐、讀從邸。若四圭爲邸、故爲本、言是根本之臣也。又《鄭箋》氐、當作桎鎋之桎。【孝經鉤命決】云、孝道者、萬世之桎鎋。【說文】云桎車鎋也。則桎是鎋之別名、以鎋能制車、喻大臣能制國也。桎、之寔反、又丁履反。鎋又作轄、胡𦟈反。○按今『詩』從毛傳、讀若邸。

又與同。歸也。『前漢・食貨志』天下大氐無慮皆鑄金錢。『又』大氐皆遇吿。《註》師古曰、氐、讀曰抵、歸也。大氐、猶言大凡也。又『左思・三都賦』作者大氐舉爲憲章。《註》氐、音旨。義同。今俗書作抵。

又氐人、外國名、在建木西、人面魚身、無足。見『山海經』。氐、音觸抵之抵。舊註附入都奚切、今訂正。

又木之根氐也。亦作柢。義詳木部。

又人所托宿亦曰氐。通作邸。

又『集韻』軫視切、音旨。氐道、地名、在廣漢。

又『廣韻』丁尼切『集韻』張尼切、𠀤音胝。氐池、縣名。或作旨而切、音支、非是。

又『廣韻』都奚切『集韻』『韻會』『正韻』都黎切、𠀤音低。氐羌也。『詩・商頌』自彼氐羌、莫敢不來享、莫敢不來王。『正義曰』氐羌之種、漢世仍存。其居在秦隴之西。『路史』氐羌數十、白馬最大。『前漢・地理志』隴西郡有氐道、羌道二縣。『魚豢・魏略』漢置武都郡、排其種人、分竄山谷、或號靑氐、或號白氐。

又星名。『爾雅・釋天』天根、氐也。孫炎曰、角亢下繫于氐、若木之有根。『史記・天官書』氐四星、東方之宿。氐者、言萬物皆至也。『甘氏星經』氐四星爲天宿宫、一名天根、二名天符。『禮・月令』季冬之月旦氐中。又『前漢・地理志』韓地、角、亢、氐之分野。

又同低。俛也。『前漢・食貨志』封君皆氐首仰給。《註》師古曰、氐首、猶俯首。

又賤也。『前漢・食貨志』其價氐賤減平。

又墨神曰回氐。見『致虛閣雜俎』。

又『集韻』『韻會』『正韻』𠀤丁計切、音帝。東方宿也。義見上。

部・劃數
弓部・三劃

『字彙補』古文字。星名也。註詳氏部一畫。

音訓・用義

(1) テイ(漢) タイ(呉) 〈『集韻』典禮切、音邸、上聲薺韻〉[dǐ]{dai2}
(2) テイ(漢) タイ(呉) 〈『廣韻・上平聲・齊・低』都奚切〉[dī]{dai1}
(1) もと。いたる。そこ。
(2) ひくい。うつむく。

大氐は大抵、おほよそ、おほむねの意。音(1)に讀む。

二十八宿の氐宿は音(2)に讀み、ともぼしと訓ず。

解字

白川

の會意。氏は細長い曲刀の形。それで底を削つて低平にする。

『説文解字』は氏を土崩れの意とし、氐をその土崩れの土を平らかにする意とするものであらうが、氏は曲刀、その曲刀を以て、底邊を削つて低くするので、、低はみな氐に從ふ。

砥礪のも氐に從ひ、砥石を以てぐ意。

藤堂

甲骨文は、積み重ねた土の底を一印で示した指示字。

【補註】 藤堂の示す甲骨文は[⿱𠂤一]に作り、落合は次の甲骨文として擧げる。

篆文は、(匙)と一印で、匙の下端が低い下の面に屆いたさまを示す指示字。

西藏のの名は、その背丈の低いことによる。

漢字多功能字庫

氐は、柢などの初文。地下の根の生える處を指す。

氐は古代の陝西省、甘肅省一帶の少數民族の名。また、二十八宿の東方七宿の一。

屬性

U+6C10
JIS: 1-86-47
𢎮
U+223AE

関聯字

氐に從ふ字を漢字私註部別一覽・氏部・氐枝に蒐める。