治 - 漢字私註

説文解字

治
水。出東萊曲城陽丘山、南入海。从聲。直之切。
十一水部

説文解字注

治
治水。出東萊曲城陽丘山、南入海。當作。字之誤也。東萊郡曲成、二志同。今山東萊州府掖縣東北六十里有曲成故城。前志曲成下曰、陽丘山、治水所出。南至沂入海。按沂字疑誤。一本作至臨沂尤誤。當作計斤二字。今掖縣東南三十里有陽邱山。亦名馬鞍山。今治水名小沽河。自掖縣馬鞍山南流至平度州東南。與出登州府黃縣之大沽河合流。逕卽墨。至膠州之麻灣口入海。『一統志』曰。『左傳昭二十年』姑尤以西。《杜注》姑水、尤水、皆在城陽郡。東南入海。『齊乘』姑卽大沽河。尤卽小沽河。玉裁謂尤古音讀如貽。與治同在第一部。『齊乘』之言可信也。从水台聲。直之切。一部。按今字訓理。葢由借治爲理。

康煕字典

部・劃數
水部・五劃
古文
乿

『唐韻』直之切『集韻』『韻會』澄之切『正韻』陳知切、𠀤音持。水名。『說文』水、出東萊曲城陽丘山、南入海。

又水、出泰山。『前漢・地理志』泰山郡南武陽冠石山、治水所出、南至下邳入泗。

又『集韻』湯來切、音胎。水名。水出鴈門郡。『前漢・地理志』鴈門郡隂館累頭山、治水所出、東至泉州入海。

又理也。『周禮・天官』大宰以九職任萬民、七日嬪婦、化治絲枲。

又盈之切、音怡。義同。

又『廣韻』『集韻』『韻會』直利切『正韻』直意切、𠀤音穉。亦理也。『荀子・修身篇』少而理曰治。

又𥳑習也。『周禮・春官・大宗伯』治其大禮。

又校也。『戰國策』皆無敢與趙治。

又有所求乞也。『周禮・地官・旅師』凡新甿之治、皆聽之。

又監督也。『周禮・地官・鄕師』用役則帥其民而至、遂治之。

又聽獄之成辭亦曰治。『周禮・秋官・方士』凡都家之士所上治、則主之。《註》所上治、謂獄訟之小事、不附罪者也。

又才多亦曰治。『左傳・莊九年』鮑叔曰、管夷吾治于高傒、使相可也。《註》言管仲治理政事之才多于敬仲。

又道家靜室曰治。『六朝詩話』送謝靈運於杜治、猶今之宮觀也。

又所都之處曰治。『前漢・田儋傳』更王膠東、治卽墨。《註》治、謂都之也。

又州郡所駐曰治、如蜀刺史曰治成都、揚刺史曰治會稽。

『毛氏韻增』治字本平聲、脩治字借爲去聲、經典釋文治字平聲皆無、音假借治道平治字、𠀤直吏切。

部・劃數
乙部・十劃

『集韻』古作乿。註詳水部五畫。

音訓

(1) チ(漢) ヂ(呉) 〈『廣韻・去聲・至・緻』直利切/『同・同・志・值』直吏切〉[zhì]{zi6}
(2) チ ヂ 〈『廣韻・上平聲』直之切〉[chí]{ci4}
(1) をさめる。をさまる。なほす。なほる。まつりごと(政治)。
(2) をさめる

KO字源に、一説に(1)はをさまる、(2)はをさむ、とある。

解字

白川

形聲。聲符は。台に笞の聲がある。台は耜の形である()に、祝禱の器を添へて祓ひ清める意。

『説文解字』に川の名とするが、本義は治水。すべて條理に從つてことを治めることをいふ。

藤堂

と音符の會意兼形聲。台はと音符(以)の會意兼形聲。古人は曲がつた棒を耕作の耜として用ゐた。以の原字はその曲がつた棒の形で、工具を用ゐて人工を加へること。台は、物を言つたり、工作をするなど作爲を加へること。治は、河川に人工を加へて流れを調整すること。㠯、以、台、治などはすべて人工で調整する意を含む。

漢字多功能字庫

に從ひ聲。本義は山東半島の大沽河とその支流の小沽河。治理の意に常用する。『漢書・地理志上』陽丘山、治水所出、南至沂入海。

治理を表す。『易・繫辭下』上古結繩而治、後世聖人易之以書契。

政績(役人の業績)を表す。『周禮・天官・小宰』二曰以敘進其治。鄭玄注治、功狀也。

備辦(調達すること)を表す。『周禮・天官・小宰』大喪小喪、掌小官之戒令、帥執事而治之。鄭玄注治謂共辦。

醫治(治療)を表す。『莊子・列禦寇』子豈治其痔邪。

攻讀(一心に學ぶ、專攻する)、研究を表す。『漢書・董仲舒傳』(董仲舒)少治『春秋』、孝景時為博士。

求取(求めること)を表す。『周禮・地官・旅師』凡新甿之治、皆聽之、使無征役、以地之媺惡為之等。鄭玄注治、謂有所求乞也。

匹敵を表す。『戰國策・趙策四』齊秦交重趙、臣必見燕與韓魏亦且重趙也、皆且無敢與趙治。

平順、平靜、清明の意に用ゐる。『韓非子・解老』聖人在上則民少欲、民少欲則血氣治。

屬性

U+6CBB
JIS: 1-28-3
當用漢字・常用漢字
乿
U+4E7F
JIS X 0212: 16-28