城 - 漢字私註

説文解字

城
以盛民也。从、成亦聲。
十三土部
𩫨
籒文城从𩫖

説文解字注

城
㠯盛民也。言盛者、如黍稷之在器中也。从土成。『左傳〔桓六年〕』曰、聖王先成民、而後致力於神。成亦聲。氏征切。十一部。
𩫨
籒文城从𩫖。

康煕字典

部・劃數
土部・七劃

『唐韻』是征切『集韻』『韻會』『正韻』時征切、𠀤音成。內曰城、外曰郭。『釋名』城、成也。一成而不可毀也。『古今注』盛也、盛受國都也。『淮南子・原道訓』夏鯀作三仞之城。一曰黃帝始立城邑以居。『白虎通』天子曰崇城。『史記・始皇本紀』帝築萬里長城。『前漢・元帝紀』帝初築長安城。城南爲南斗形、城北爲北斗形、因名斗城。

又諸侯僭侈、建城踰制、謂之產城、若生子長大之義。『司馬法曰』攻城者、攻其所產。

又『唐・李肇・國史補』元日冬至、大朝會、百官已集、宰相後至、列燭多至數百炬、謂之火城。『王禹偁・待漏院記』北闕向曙、東方未明。相君啓行、煌煌火城。

又層城。『淮南子・地形訓』掘崑崙墟以下地、中有層城九重。『孫綽・天台賦』苟台嶺之可攀、亦何羨于層城。

又官名。『左傳・文十六年』公子蕩爲司城。《註》宋桓公、以武公諱、司空攺司城。

又宮名。『前漢・班倢伃傳』倢伃居增城舍。

又山名。析城、在河東濩縣西。『書・禹貢』底柱析城。

又赤城山、在會稽東南。『孫綽・天台賦』赤城霞起以建標。

又墓地曰佳城。『博物志』夏侯嬰死、送葬至東都門外、馬踣地悲鳴、掘之、得石槨、銘曰、佳城鬱鬱、三千年見白日。吁嗟滕公、居此室。

又姓。城渾。又司城、複姓。

又叶辰羊切、音常。『韓愈・贈張籍詩』我友東來說、我家免禍殃。乗船下汴水、東去趨彭城。

部・劃數
高部・十三劃

『說文』籀文字。

音訓

ジャウ(呉) セイ(漢) 〈『廣韻・下平聲・清・成』是征切〉[chéng]{sing4/seng4}
しろ。きづく。

解字

白川

形聲。聲符は。成に戍守の意がある。

『説文解字』に以て民をるるなりとし、成を盛れる意とする。

釋名・釋宮室』にも盛なりとするが、盛はもと粢盛(お供へ)をいふ字であつた。

成は武器の制作に呪祝を加へる意であるから、城とは武裝都市をいふ。國の初文も、城邑の形()と戈とに從ひ、城邑をいふ字。

藤堂

と音符の會意兼形聲。成は、と音符(打つて固める)の會意兼形聲字で、とんとん叩いて固める意を含む。城は、住民全體を纏めて防壁の中に入れるため、土を盛つて固めた城のこと。

『説文解字』には城とは民を盛るものとある。

漢字多功能字庫

西周金文は𩫖に從ひ、成は亦た聲符。『説文解字』の籀文の本とするところ。𩫖は城郭の形に象る。成は斧鉞で城邑を守衞する形に象る。本義は城邑。

成はあるいは省略しての形に作る。東周金文はと成に從ひ、土で築いた城邑に象る。成の小縱劃はあるいは土の縱劃と共用される。

金文での用義は次のとほり。

屬性

U+57CE
JIS: 1-30-75
當用漢字・常用漢字
𩫨
U+29AE8