訏 - 漢字私註

説文解字

訏

詭譌也。从聲。一曰訏𧪰。齊楚謂信曰訏。況于切。

説文解字注

訏

詭譌也。从言于聲。況于切。五部。

一曰訏𦎍。今字作吁嗟。此別一義。

齊楚謂信曰訏。按信當作大。『〔爾雅〕釋詁』訏、大也。『方言〔一〕』訏、大也。中齊西楚之閒曰訏。許語本楊。

康煕字典

部・劃數
言部・三劃

『唐韻』况于切『集韻』『韻會』匈于切、𠀤音欨。『說文』詭譌也。一曰訏𧪰。齊楚謂信曰訏。鄭云、誇也。

又『爾雅・釋詁』大也。『詩・大雅』訏謨定命。『揚子・方言』中齊、西楚之閒謂大曰訏。《註》訏亦作。『詩・小雅』君子攸芋。《傳》大也。

又通作盱。詳目部盱字註。

又『集韻』荒胡切『韻會小補』荒烏切、𠀤音呼。『博雅』大也。『玉篇』張口鳴也。『詩・大雅』實覃實訏、厥聲載路。《箋》謂張口鳴呼。『正義』引【儀禮】云、訏音呼。謂張口鳴呼、聲音則已大矣。

又『集韻』『韻會』𠀤火羽切、欨上聲。『類篇』訏訏、大也。『詩・大雅』川澤訏訏。《傳》大也。朱傳叶音許。

『說文』本作𧥦

部・劃數
言部三劃

『說文』本字。

音訓

ク(漢、呉) 〈『廣韻・上平聲・虞・訏』況于切〉
おほきい。ほこる。

解字

白川

形聲。聲符は。于に、盱の聲がある。

『説文解字』に詭譌なりと見え、于に大の意があり、みだりに大言して人を僞ることをいふ。

金文の《杕氏壺》に多寡いつはらずのやうに用ゐる。

また『詩・鄭風・溱洧』に洵訏且樂(まことおほいにして且つ樂し)とあり、廣大なさまをいふ。

『玉篇』に口を張りて鳴くなりと見え、大聲をいふ。

藤堂

と音符(于)の會意兼形聲。亏はの指示字で、息が一印にぶつかつて曲線型にまがることを示す。宇と同じやうに、大きいと言ふ派生義を含む。訏は、大袈裟な言葉。また、喉につかへて屈曲した歎聲のこと。

漢字多功能字庫

金文はに從ひ聲。杕氏壺自頌既好、多寡不訏。は、己がこの壺を稱讚し愛好し、壺の容量が恰度良いことを表す(參・商周青銅器銘文選)。

屬性

U+8A0F
JIS X 0212: 61-38
𧥦
U+2F9CC (CJK互換)