益 - 漢字私註

説文解字

益
饒也。从。皿、益之意也。
皿部

説文解字注

益
饒也。《食部》曰、、飽也。凡有餘曰饒。『易・象傳〔益〕』曰、風雷益。君子以見善則遷。有過則改。从水皿。水皿、此水字今補。益之意也。說會意之恉。伊昔切。十六部。

康煕字典

部・劃數
皿部・五劃
古文
𠍳

『唐韻』『集韻』𠀤伊昔切、嬰入聲。饒也、加也。『廣韻』增也、進也。『書・大禹謨』滿招損、謙受益。『詩・邶風』政事一𡌨益我。『左傳・昭七年』三命茲益共。『禮・曲禮』請益則起。『論語』益者與。《註》疑童子學有進益也。『春秋・繁露』有益者謂之公、無益者謂之私。

又多也。『史記・酷吏傳』上問張湯曰:吾所謂、賈人輒先知之、益居其物。

又盈溢也。『莊子・列禦𡨥』有貌愿而益。

又易卦名。『釋文』益、增長之名。又以弘裕爲義。

又『金史・國語解』益都、次第之通稱。

又『六書正譌』二十四兩爲益、假借別作鎰溢。

又草名。『詩・王風疏』蓷卽茺蔚。一名益母。又『爾雅・釋草疏』蛇牀、一名思益。

又果名。『博雅』益智、龍眼也。

又州名。古蜀國、漢武帝置益州。『釋名』益、阨也。所在之地險阨也。

又姓。『印藪』漢有益强、益壽。宋有益暢、紹興進士。

『六書正譌』益、器滿也。故从水从皿。會意。

部・劃數
人部・十二劃

『前漢・百官公卿表』𠍳作朕虞。《師古曰》𠍳、古益字。《應劭曰》𠍳、伯益也。

又『集韻』籀文嗌字。○按『說文』作、首上从卝、不連。

廣韻

增也、進也。伊昔切。八。

音訓

エキ(漢) ヤク(呉) 〈『廣韻・入聲・昔・益』伊昔切〉[yì]{jik1}
ます。ますます。

解字

白川

の會意。器上に水が溢れる意。

『説文解字』におほきなりと訓じ、水皿の會意とする。すなはち溢れる意。

また搤、も益に從ふが、その字は水溢の義と異なり、絲の末端をくくる形の象形字。

【補註】白川のいふ絲を縊る形の字は𠍳。『説文解字』に𠍳を嗌の籀文とする。漢字多功能字庫が嗌の金文として擧げる形を、白川は益の金文として擧げ、𠍳に當たる。

藤堂

字を橫にした形との會意で、水が一杯になるさま。

落合

會意。または水滴を表す小點とから成り、器物に液體を益し加へる樣。皿から皿に移す形の異體字もある。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. 祭祀名。《合補》6925丁巳、𣌧小⿱冖羊、益豕。
  2. 地名。《合補》8969其禦羌方益人、羌方異…。
  3. 動詞。詳細不明。《合集》28012勿益襄、人方不出之。

金文では(または公)と皿に從ふ字形が多いが、篆文で橫向きの水と皿に從ふ字形が採用され、また楷書で水の形が變化した。

漢字多功能字庫

甲骨文はに從ひ、器の中に水が滿ちて溢れ出る意と解く。本義は溢れ出ること。溢の初文。增益、利益の意を派生する。

金文はと血に從ふ。八は上に溢れる形に象る。血字の皿の中の圓點はあるいは中空の形に作り、上部の八と結合し、字形は公と混同する。

甲骨文辭殘での意義は不詳。

金文での用義は次のとほり。

戰國文字では咽喉を本義とする嗌字を借りて益を表す。

屬性

U+FA17 (CJK互換)
益︀
U+76CA U+FE00
CJK COMPATIBILITY IDEOGRAPH-FA17
益󠄁
U+76CA U+E0101
CID+8571
益󠄃
U+76CA U+E0103
MJ030209
U+76CA
JIS: 1-17-55
當用漢字・常用漢字
𠍳
U+20373