㕚 - 漢字私註

説文解字

㕚
丮也。覆手曰爪。象形。凡爪之屬皆从爪。
又部

康煕字典

部・劃數
又部二劃

『唐韻』『韻會』𠀤古文字。註見部首。『說文』手足甲也。象其甲指端生形。○按『正譌』覆手曰爪。㕚、手足甲形。分爪、㕚爲二、太泥。

音訓

サウ(漢)
つめ

解字

白川

象形。手指()の間に爪のあることを示す。

『荀子・大略』に爭利如㕚甲、而喪其掌。(利を爭ひて㕚甲の如くなれば、すなはち其の掌を喪はん)といふ諺がある。(補註: 中國哲學書電子化計劃WIKISOURCEの版はにつくる。)

字はまた蚤につくり、『禮記・曲禮下大夫、士、國を去るときは〜蚤鬋すとあり(補註: テキストを見る限り蚤鬋せずが正しい?)、そのときは居喪の禮に從ふ。

字はまたにつくる。

藤堂

指示。(手)に點々をつけて、爪、または爪で引つ搔くことを示す。

落合

指示。と小點に從ふ。甲骨文の字形は物を挾み持つ樣子を表してゐる。丑やに從ふ異體字もある。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. 地名またはその長。《英國所藏甲骨集》2562辛巳王卜在㕚貞、今日、步于沚、亡災。
  2. 祭祀名。《殷墟花園莊東地甲骨》267甲辰卜、㕚祭祖甲、叀子祝。

後代には爪の意味で用ゐられた。字音は後代には爪と同一とされたが、轉換した字義に影響された結果かも知れない。

篆文で出現した派生字に叉とがある。甲骨文に釆に當たる形の異體字が見える。

漢字多功能字庫

叉の本字。

屬性

U+355A

関聯字

㕚に從ふ字

㕚聲の字