娯樂系感想ログ: この素晴らしい世界に祝福を! 2

基礎情報あるいは諸元

放送時期
2017Q1
放送局
三重テレビ、BS11、他
公式サイト
http://konosuba.com/

#1

アクシズ教徒としては、我らが水の女神アクア樣の大活躍が拜めると期待……はしてゐなかつたけれども、いや、この駄女神、相變はらず要らんことしかしてへんなあ。

といふわけで、主人公のカズマが檢察官から國家顚覆罪の追及を受けるところから始まつた異世界轉生ファンタジーの2期目。折角異世界に轉生してファンタジーなのに逮捕されたよ、可哀相に。いや、原作讀んだから知つてたけどさ。

それにしてもこの噓發見機の優秀なこと。といふか、とんでもなく信用されてゐること。これだけ優秀な機械(魔道具?)があるんなら、もう少し色々遣り方を考へた方が良いのでは?と思ふ程。まあ、それはそれで、色々な社會的な問題を惹起しさうではあるけれども。……アニメの感想としては色々をかしいな。

今回は、カズマvs檢察官のセナが軸だつたので、駄女神も爆裂魔法少女もそこまでの見せ場がなかつた印象。次回以降、大暴れして欲しい。家財道具を根刮ぎ持つて行かれた恨みを晴らすのだ。……つてか、あのシーン、本當容赦なかつたよなあw

#2

自稱めぐみんのライバルにして紅魔族の長の娘、ゆんゆん登場の回。OVAには出演してゐたし、何なら第1期でもOPには姿を見せてゐたが、さういふのは扨置く。

家財は差し押さへられるわ、ダクネスは歸つて來ないわ、寒々とするしかない三人は、爆裂魔法少女の所爲で季節外れにも目を覺ました蛙を退治する羽目に。ぬるぬるべとべと再びに捲き込まれた檢察官こそ良い迷惑。それにつけても我等が駄女神樣には相變はらず色氣がない。蛙に蹂躙された時の、アクアとセナの聲の對比が其の邊りを如實にさせてゐたのが良い證據。いや、あんな狀況で艷つぽい聲を上げる方がどうかしてゐるのかもしれないが。

ともかく、そんな感じで最早お手上げな一同を助けたのはゆんゆんの魔法。一日一發限りではない素晴らしい魔法。しかし、恰好が附いたのはそこまでで、めぐみんに散々おちよくられた揚句、黏液まみれにされてしまつた。可哀相、としか言ひやうがない。

其の後歸宅したカズマとめぐみんの遣り取りの色氣のなさは、まさに子供同士の諍ひ。湯槽に浸かるために髮を括つためぐみんはなかなか可愛かつた。第1期第9話のダクネスの扱はれ方とはえらい違ひだが、惡餓鬼なロリッ子にあんな眞似させたつて仕方ないし、まあこんなもんよなあ。あと、駄女神は水を操る權能でぬるぬるをどうにか出來ないのだらうか、みたいなことを思つたが、こんなのは蛇足である。

そして今回のメインイベント。ウィズの店の魔道具で明かされためぐみんとゆんゆんの黑歷史の數々は、涙無しには見られぬ慘狀であつた。いや、まあ、げらげら笑ひながら見たんですけどね。それにしても可哀相。こめっこと一緒に逞しくサバイバルしてゐためぐみんよりも、ゆんゆんの方が可哀相に見えた。魔道具破壞による強制終了の後、めぐみんに追ひ打ちを掛けられ泣いて逃げるゆんゆんときたら、とことん可哀相で仕方なかつた。本當、輝いてゐたのは最初の魔法だけやつたな、この子。

他に目を引いたのは、ちょむすけとこめっこ。ちょむすけは猫の形をしてゐるので可愛いのは論ずるまでもない。こめっこに聲が附いてゐたことに正直驚いた。更に動き回るこめっこを見る機會は今後あるのかしら。

#3

國家豫算竝の借金を背負つたカズマ達は生活苦に耐へかね、ギルドのお姉さんにリークして貰つた情報を頼りにダンジョンを探索することに。ダクネスは依然として歸つてこないが構はずダンジョン探索に。

とはいへ足手纏ひになりさうといふことで、駄女神も爆裂娘も待機を指示されたわけだが、そんなことで大人しく待つ駄女神ではなかつた。女神の能力を發揮してカズマに附いてきた。思へば彼らがダンジョンに潛るところを初めて見た氣がする。冒險者つて何なんだらうな。

我等が駄女神アクア樣は、時折女神らしく死者を成佛させたり、駄女神らしく羂に引つ掛かりさうになつたり、ターンアンデッドを放つたり、花鳥風月を使つたり、ゴッドブローを放つたりして、進路を切り開くのであつた。何だらうなあ、このギャップ。尤も、神樣といふのはそもそもさういふものなのかも知れないが。あと、女神なのに成佛させるつてどういふことなの、みたいなことを思はぬでもない。あんまり深入りするとエンタテインメントを愉しめなくなるので程々の所で割り切るわけだがw ともかく、アクシズ教徒としては、女神なところと駄女神なところがころころ入れ替はる樣を視たり聽いたりするにつけ、にやにやを留めることが出來なかつた。

ダンジョンの主のキールを淨化するあたりはとても良かつたのだが、そんなところでエピソードが終るこのすばではない。駄女神はいつぞやのやうにアンデッドに集られ、這ふ這ふの體でダンジョンから脱出した。本當、あのあたりのカズマとアクアの遣り取りは、狎れきつた感だけで出來てゐるやうに感じる。其の後のギルドでの亂癡氣騷ぎからの駄女神のリバースで締めとか、もう、ね……。

今回一番可哀相だつたのは、カズマでもアクアでもゆんゆんでもなく、パンツを取られるために登場したやうにしか見えないクリスだと思ふw

#4

見慣れぬ恰好で屋敷に歸つてきたダクネスが領主の息子と見合ひをすることになるお話。

筋書きは原作を讀んだから頭に入つてゐた筈なのだが、何でこんなにげらげら笑ひながら見ることになつたのか。本當に酷いなこのクルセイダー。酷いといふのは勿論いい意味でですよww あんな素敵な聲であんな酷いことを次から次に。いや、もう、本當に酷かつた。

#5

滿を持して、見通す惡魔バニル登場の卷。正直なところを言へば、第二期があるといふことを聞いたときから、バニルがどういふ感じになるのかといふことが一番氣になつてゐたわけで、待ちに待つた回と言つても良い。

期待しておいて肩透かし食つたらどうしようとか思ひながら觀たけれども、杞憂に終つたので、とても滿足してゐる。

登場してからダクネスの身體を乘つ取るあたりまでは、思つてゐたよりも大人しい氣もしたわけだが、ダクネスと入れ違ひに喋る段を聽いたら、そんな印象はどこかに飛んでしまつた。いやはや、聲が附いたことによる面白さの增大が、ここまで凄まじいとは。今回のバニルとダクネスの遣り取りだけで、今回のシリーズは大成功と言つて良いのではくらゐのことを思ふ。

他には、バニルinダクネスに追ひ詰められた我等が駄女神がいつになく鬼氣迫つてゐたのが印象に残つてゐる。

それと、貰へるものなら、爆發しないミニバニルを一體欲しいと思つたw

#6

バニルの殘機をひとつ減らし、借金を完濟してお釣りまで貰つたカズマは、炬燵を調達した結果、どうしやうもなく墮落した。炬燵に立て籠もつてめぐみんとダクネスを拂ひ除けてゐたときの惡い顏ときたら、屑だの糟だの言はれてゐるのも納得ですわ。炬燵ごと棄てられたのも當然。

氣を取り直して註文してゐた裝備を引き取りに行つたら、甲冑を着けたら重くて動けず、日本刀は長さを持て餘したので短くするしかなかつた。其の揚句、めぐみんによつて紅魔族的な銘を入れられてしまふといふ落ち。可哀相……なのかどうかは微妙。それより、アニメーションであることが如實に顯れてゐたやうに思つたのは、めぐみんのアスパラガスの食ひ方だつたりする。

そして一行はリザードランナー討伐の任を受けることとなつたわけだが、ギルドのお姉さんがその説明をしてゐる裏で畫面に映つてゐた冒險者の男女の遣り取りが何ともかんとも。愚かな男どもを嘲笑ふべきか、それとも女の人つて怖いと恐れるべきか。ともかく討伐に出掛けたカズマ達は段取りを組んでリザードランナーを迎へ擊たうとしてゐたわけだが、例によつて我等が駄女神樣が餘計に氣を回したばかりに手順が狂ひ、炬燵引き籠もりの件の伏線回收で危機は更に強まり、それでもどうにか狙擊目標を倒した、までは良かつたが、倒した姫樣ランナーの衝擊で哀れカズマは墜落死、女神樣の御前に送られた。駄女神の所爲なので可哀相な氣もするが、自業自得な面もあるから仕方ない氣もする。

いつも駄女神とか爆裂娘とかドMなクルセイダーとかばかり見てゐる所爲か、エリス樣を見てゐると、心が洗はれるやうな氣がする。それはともかく、カズマは復活を澀つたので、めぐみんの手で酷いことにw あんなに涙目になつてゐたのに、あんな仕打ちをしてゐたあたり、爆裂娘は伊達ではなかつたww

#7

バニルとの商談により金に困らなくなつたカズマはアクアとともにそれはそれは酷い感じに。なんだこのインチキ臭い夫婦みたいなコンビはw めぐみんがドン引くのも當然。こんな駄目なのを見ても昂奮できるダクネスはいよいよ末期なんぢやないかな。

それにつけても見通す惡魔と水の駄女神の醜い爭ひときたら、精神レベルは子供の喧嘩。やつてゐることは人間離れしてゐる筈なのだが、呆れることくらゐしかできない。それを思ふと、假面の惡魔と一往まともに取引できてゐるカズマは立派なのかも知れない。單にバニルがお人好しなだけな氣もするけど。

ともかく駄目になつたカズマを連れ出すべくめぐみんが持ち掛けたのは、温泉旅行。これに二人はあつさり乘つた。ちょろい。といふか、先に起き出すあたり、子供だよなあ。ウィズが附いて來ることになつたり、アクアだけ荷臺に載せられることになつたくだりは、もう良いかな。ジャンケンに負け續ける運の惡い駄女神樣は物凄く駄女神樣だつた、といふ感想だけ述べておく。今回はアクアの駄女神振りが良く發揮された駄女神回だつたなあ……。

と思つてゐたらとんでもない。最後の最後でダクネスが色々持つて行つた。この變態、搖るがないのは立派だが、餘所のパーティーの冒險者にまで迷惑掛けるなよ。いや、それよりも、こんなところで次回に續くのかよww

#8

ダクネスが自ら望んで縛られたあたりから開始された今回。馬車で引き摺り回すとか、とんでもない虐待だが、それで喜んでゐるわけだから、手の施しやうがない。カズマがまともに見えるといふか、まともにならざるを得ないんだらうなあ、と同情するしかない。しかし、ダクネスの癡態は、今回のお話に於いては、ほんの序の口に過ぎなかつた。

夜になり、忍び寄るのは駄女神に引き寄せられたゾンビ。酒甁抱へたまま淨化魔法を使ふ我等が駄女神樣の惡いお顏、惡いお聲が、とても禍々しかつた。キールのダンジョンで見せた女神つぷりは一體何だつたのか。いや、でも、まあ、邪惡な顏をしたアクアも嫌ひぢやないですよw

苦勞を重ねてやうやく辿り着いた水と温泉の町は、そんな邪惡なお顏をする女神樣を崇め奉るアクシズ教の聖地であつた。次から次に現れるアクシズ教徒が一々厄介なこと。俺なんかがアクシズ教徒を名乘つて良いんですかね、とか、アクシズ教徒を續けて良いんだらうか、とか、さういふ迷ひが心の中から湧き出て來たよw あと、これつて豪華キャストの無駄遣ひぢやないのか、みたいな感想も湧いたww

それよりなにより、まさかベルディアがこんな形で出て來るとは。意表を突かれてしまつた。

#9

厄介なアクシズ教徒達にたうとう我慢ならなくなつたカズマが教會に乘り込んだ。そこにはすつかり意氣銷沈した爆裂娘の姿が。あんなに駄目になつためぐみんを見たのは初めてだと思ふ。恐るべし本場のアクシズ教徒。

それにしても今回はアクアが良く喋つた。意氣揚々と話してゐたかと思へば、泣き喚かざるを得ない狀況に追ひ込まれたりするわけで、日頃から起伏の激しい駄女神樣の感情もいよいよ亂高下。エリスの胸はパッド入りといふ呪文を教へたときの口の動きがえらく作り込まれてゐたあたりが、色々間違つてゐるww

いつもの魔法使ひの恰好ではないめぐみんはとても可愛いかつたが、精神狀態があんなだつたところが惜しまれる。本場のアクシズ教徒怖い。本當怖い。最後には宿にまでやつて來たりしたわけで、これ、次回で本當に終るの??

今回もちやつかり出て來たベルディアには微苦笑を禁じ得なかつたが、ふと、こいつは轉生とかしないんだらうか、と思つてしまつた。まあ、深く考へたら負けなんだらうな、屹度。

#10

宿を狂信者に圍まれた一行は、アクアの羽衣を使つて脱出。酷い始まり方をしたものである。

ともかく温泉に毒が撒かれてゐる件を解決すべく、源泉に。見張りの人に見咎められ、ダスティネス家の威光を使つて押し通る。評者のやうなもはや若いとは言ひ難い人間はモチーフを知つてゐるが、今時の若い人は、ああいふ表現を見て、何のパロディなのか分かるものなのかしら。かういふのを老婆心といふんだよね。ああ、もう駄目かも。

といふことで、今回の敵役、毒スライムのハンスと御對面。スライムは雜魚といふJRPG的固定觀念は割とあつさり打ち碎かれました。いやあ、これは恐ろしい。何しろでかいし、聲もまるで雜魚には聞こえない(おい)

これまで拔けた印象を拭へなかつたウィズが、今回ばかりは豹變。あれはなかなか凄まじかつた。ウィズに畏怖まで覺えたのは、今回が初めてだと思ふ。

ともかく手が足りないので、蘇生魔法を當てにしてカズマが囮になつたあたりは、多少考へるところはあつたけれども、あの骸骨が何となく滑稽味を出してゐたから、良いことにするw 爆裂魔法も良かつたが、今回のシリーズ、めぐみんは爆裂魔法の印象よりも、あれこれの可愛らしいところの印象の方が強いかもなあ、と思つた。それもその筈、前シリーズは最後の最後、其の日二度目の爆裂魔法でとどめを刺したわけで、それと比べたら仕方ないとしか言へない。

しかし、今回の壓卷は何と言つても、我等が駄女神樣がやうやく必殺技をヒットさせたことに盡きるわけで。バックの狂信者どもの信仰告白の内容にうつかり感動しつつ、思ひ切り堪能させて頂いた。あの教義、まともに受け取るととことん駄目人間になりさうではあるが、世知辛い現代社會を生き拔くには、心の片隅には入れておくべき内容のやうにも思へるわけで。要はバランス。前回はアクシズ教徒であることに迷ひを感じてしまつたが、今回はそれが淺慮であつたと懺悔するしかなかつた。今後とも、女神アクアの導きにより、愉しく生きていけたら良いと思つてゐる。

これで最終回といふのが少々寂しい。10回では少ない。12回くらゐはやつて欲しかつた。第三期があることを期待しつつ、筆を閣きたい。

BD#1

第1話第2話を收錄。特典は、複製臺本、コメンタリ、ノンクレジットOP、ゲームなど。

第1話キャストコメンタリは、雨宮天、高橋李依、茅野愛衣。熱量が物凄かつたといふ印象。

第2話キャラクターコメンタリは、めぐみんとゆんゆんの紅魔族コンビ。ゆんゆんはここでも可哀相な感じをしつかりと出してゐたが、本當、どこを間違へてかうなつてしまつたのやら、彼女の根底にあるものが氣に掛かる。

ゲームの感想はまたそのうち。アクションゲームが得意ではないので、感想書けるほど遊べるかも分からんのだが。

BD#2

第3話第4話を收錄。特典は、複製臺本、コメンタリ、ノンクレジットEDなど。

第3話キャストコメンタリは、福島潤と雨宮天。何といふか、アクアの裏側的な話が多めだつた印象。

第4話キャラクターコメンタリは、カズマとダクネス。ダクネスが延々弄られつつも、ダクネスなのでまるで可哀相な氣がしないといふ鹽梅。第4話の内容も相俟つて、本當、ダクネスの底知れなさを思ひ知らされた氣がする。

BD#3

第5話第6話を收錄。特典は、複製臺本、コメンタリ、PV集など。

第5話キャラクターコメンタリは、アクア、バニル、ウィズ。うん、お前らを一緒にするとかうなるよね、みたいな雜な感想が湧いた。

第6話キャストコメンタリは、茅野愛衣と西田雅一。例のシーンを中心にあれこれ話してゐたといふ印象。

BD#4

第7話第8話を收錄。特典は、複製臺本、コメンタリ、CM集など。

第7話キャストコメンタリは、高橋李依と堀江由衣。何と言ふか、お二人の仲が垣間見えるやうな印象を受けた氣がした。

第8話キャラクターコメンタリは、アクア、めぐみん、ルナ。普通にコメンタリをすると、一行が隱してゐるあれやこれやがギルドに筒拔け、といふのは如何ともし難かつたらしく、設定の力で強引に捩ぢ伏せてゐたのは、仕方ないよねと思ふしかなかつた。とは言へ、強引なことをやつただけの面白さはあつたのではなからうか。最初は單なる綺麗どころといふ風情だつたルナが、そろそろ殘念女子の仲間入りをしてゐるあたり、このすば時空は恐ろしいw

BD#5

第9話第10話を收錄。特典は、複製臺本、コメンタリ、書き下ろし小説など。

第9話キャラクターコメンタリは、カズマ、エリス、ミツルギ。カズマとミツルギのずれに振り回されるエリス樣、といふのは最初のうちのみ。惡魔やアンデッドに對しては吾等が駄女神にも增して過激思想をお持ちといふ一面が顏を覗かせるのであつた。

第10話スタッフコメンタリは、プロデューサー、監督、音響スタッフの面々。