説文解字私註 品部

品 眾庶也。从三口。凡品之屬皆从品。
多言也。从品相連。『春秋傳』曰、次于喦北。讀與聶同。
鳥羣鳴也。从品在木上。

舊版

説文解字
多言也。从相連。『春秋傳』曰、次于喦北。讀與聶同。
康煕字典
口部九劃
『唐韻』『正韻』尼輒切『集韻』昵輒切、𠀤音聶。『說文』多言也、从品相連、春秋傳、次于喦北。◎按春秋僖元年、齊師宋師曹師次于聶北、三傳俱作、說文作喦、或古本喦聶通也。
『廣韻』而涉切『集韻』日涉切、𠀤音顳。義同。『集韻』本作。或作
『玉篇』曳喦、爭言也。
『集韻』逆吸切、音岌。地名。春秋取宋師于喦。〇按春秋哀十三年、鄭取宋師于喦、無釋文。十二年左傳釋文、喦、五咸反、𠀤不音入聲、然集韻當必有據、平聲一音當入山部嵒字註。字彙云、喦與山部嵒字音巖者不同。正韻引古文尚書、用顧畏于民喦、孔氏書作碞、音巖、與山部嵒字混、非。
デフ。ネフ。セフ。
解字(漢字多功能字庫)
甲骨文は三口に從ひ、品は大勢が口を開くを象り、山の形の筆劃で以て相連ねる。或は、品の下に人の形を加へ、一人が多く口を開くを象り、多言、長舌の意が明白である。喦は囁、讘の古字で、本義は多言。金文の嚴字は喦を意符とし、話が大袈裟であること、荒唐であることを示す。
甲骨文は地名や族氏名に用ゐる。古代には地名と族氏名は往々にして相互に借用される。
戰國竹簡では地名に用ゐる。

山部嵒字は別字。喦字の品の下は山ではない。

説文解字
鳥羣鳴也。从在木上。
康煕字典
口部十劃
『唐韻』蘇到切『集韻』『韻會』『正韻』先到切、𠀤音瘙。『說文』鳥羣鳴也、从品在木上。『集韻』或作𠹏
『集韻』千遙切、燥平聲。『玉篇』臿屬金作。『集韻』本作𣂀。或作𢊙𣂥
サウ
さわぐ。かしましい。
解字(白川)
口は祝禱を收める器。これを木の枝に多く著け、神に捧げて祈る。喿は祝禱の聲の盛んなことを示し、噪、譟、操などはこれに從ふ。また、字を喪の意に用ゐ、通用することがある。
解字(藤堂)
木の上で鳥が上擦つて忙しく騷ぐさま。
解字(漢字多功能字庫)
金文は、木と三口に從ふ。構形初義不明。三口は群鳥が樹上に集まつて鳴き叫ぶを象るともされ、噪の初文、本義は喧鬧。金文は人名に用ゐる。
簡帛文字に喿が多く見え、燥、噪などの初文である。