説文解字私註 茻部

茻 眾艸也。从四屮。凡茻之屬皆从茻。讀與冈同。
莫 日且冥也。从日在茻中。
莽 南昌謂犬善逐菟艸中爲莽。从犬从茻、茻亦聲。
藏也。从死在茻中。一其中、所以薦之。『易』曰、古之葬者、厚衣之以薪。

舊版

説文解字
藏也。从中。一其中、所以薦之。『易』曰、古之葬者、厚衣之以薪。
康煕字典
艸部九劃
《古文》𦽱𦱼𧂥𦿑
『唐韻』『集韻』『正韻』𠀤則浪切、音髒。『說文』从死在茻中、一其中、所以薦之。『禮・檀弓』國子高曰:葬者、藏也。
『集韻』才浪切、音臓。義與藏同。
『正韻』兹郞切、音臧。『周禮・地官』族師、以相葬埋。劉昌宗引『漢書・尹賞傳』枯骨後何葬、協乎聲讀。
『韻學集成』或作、見『三輔黃圖』。
解字(白川)
茻と死の會意。死は風化した殘骨である歺を拜する形。茻は原野。その叢中に屍を棄て、風化を待つて骨を收め葬るのであるから、葬は複葬を意味する字と見て良い。
解字(藤堂)
二艸と死の會意。死體を草生す土の中に隱し去ることを表す。
解字(漢字多功能字庫)
甲骨文は、囗と、人あるいは歺(殘骨の象)に從ひ、屍體あるいは殘骨を坑の中に埋めるさまを象る。或は囗とと人に從ひ、牀の上に死人を載せ、坑の中に埋める意であらう。爿は亦た聲符。本義は埋葬。
甲骨文は異體がとても多い。或は、歺と爿に從ひ、爿は亦た聲符。或は、死と爿に從ひ、爿は亦た聲符。或は、小點を加へ、砂土の中に埋藏するを象る形。また、一説には、囗は棺槨の象。
補註: 漢字多功能字庫の擧げる甲骨文に、落合がの甲骨文とする字があるか?
サウ
當用漢字・常用漢字

補遺

説文解字
康煕字典
日部十一劃
『廣韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤莫故切、音慕。本作莫。『說文』莫、日且冥也。从日、在茻中。《註》平野中望日將落、如在草茻中也。『史記・伍子胥傳』吾日暮塗遠。『屈原・離騷』恐美人之遲暮。○按經典本皆作。今或相承用暮字。
當用漢字・常用漢字

の繁文。莫が否定詞などに多用されるに及び、を加へて原義を表す。