読書メモのページ
 
「わたしの外国語学習法」
ロンブ・カトー 著
ちくま学芸文庫

9月5日

外国語は勉強するのも楽しいが、こういう勉強法を読むのも楽しいのだ。
著者は通訳者で、25年の間に16カ国語に通じたと言う。と、聞けば、自分もやって見よう、という意欲が…。この中には、著者独特の「読書を中心とした勉強法」が載っているが、中々面白い。(というわけで、来月からのこのページは原書を中心にご紹介したいなどと目論んでみたりします…もしできれば…。)勉強する意欲が失せた時は、こういう本を読んでモチベーションを高めるのもよい。外国語の勉強にはどんな方法を取っても、それが自分にあっていればそれでいいと思うので。

しかし、一日二時間が取れないのが現代人の生活というものだ。8・8・8の分割はあまりに非現実的…。仕事+雑用14:休息7:他4くらいの割合が普通であろう…と呟いたりもする…。
「鏡の魔術」
由水常雄 著
中公文庫

9月3日

ガラスに関する著作の多い著者が、鏡の歴史について書いた本。
どちらかと言えば、鏡の精神的な意味よりも、歴史を中心としている。
古代の青銅鏡に始まり、ガラスの鏡の発展がよくわかる。特に、フランスの鏡を多用した建築の発展が興味深い。
「CURIOUS WINE」
Katherine.V.FORREST 著
SILVER MOON BOOKS

8月30日

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「つぎの岩へつづく」
R・A・ラファティ 著
ハヤカワ文庫

8月23日

再読

蜘蛛をモチーフにした「むかし、アラネアで」、異星人との交歓を描く「問答無量」が面白い。また、「ブリキ缶にのって」もいつまでも記憶に残る話だ。
「九百人のお祖母さん」
R・A・ラファティ 著
ハヤカワ文庫

8月21日

再読。
ラファティは何度読んでも面白い。そして、ずっと印象に残る話が幾つもある。
カミロイ人の教育方法なんて中々秀逸ではないか? 時の六本指、山上の蛙もふとした時に思い出してしまう話。

この短編集の中では、カミロイ人のシリーズと、「他人の目」が特に気に入り。他人の視点から世界を見ることができるこの機械は本当に覗いて見たいと思う。
「囁く影」
T・J・マグレガー 著
創元推理文庫

8月20日

大学で起きた殺人を捜査するコンウェイ刑事。殺害された女性化学者デニスは秘密裏にある研究を行っていた…。

LSDの記述が一瞬面白く感じたが、総じて登場人物の描き方が平板な感じを受ける。コンウェイ刑事の捜査方法も全くリアリティがない。ここまで一般人に捜査上知り得た内容を明らかにしてしまう刑事がいるだろうか?

小道具などの描写を楽しむくらいの内容であった。
「樽」
クラフツ 著
創元推理文庫

8月17日

再読。

今更ながらに、パトリシア・コーンウェルの「警告」はこの作品をなぞったところがあるのだと思った。英仏海峡と大西洋では距離が違うので恐ろしいことになるわけだが…。
庭園の歓び

「庭園の歓び」
高木昌史編訳 著
三交社

8月16日

ヨーロッパの庭園について記された詞華集。ドイツ文学を中心として、ギリシャの古代庭園や、ゲーテの庭、ホフマンスタールの庭、とにかく読んでいて心地よく、また美しい本。
庭園の夢想を広げてくれる。
「女神の沈黙」
アンネ・ホルト 著
集英文庫

8月14日

かなり以前に読んだ同じ作者の「土曜日の殺人者」が面白かった記憶があるので借りてきた本。ノルウェーのミステリで、英米とは違った社会の仕組み・警察組織などの様子が窺えて面白い。
「土曜日の殺人者」の方は、警察官ハンネ・ヴィルヘルムセンが主役であり、彼女の恋人であるセシリーとの関係を公にするべきかどうかの悩みが綴られていたが、この作品では、ホーコン・サンド法務官の方が主役という感じで、ハンネは外部から見た感じで描かれている。

ストーリー自体は、あまり凝ったものではないが、主役が警察のため、こういう淡々とした捜査が続いて行く方が本当なのかもしれないと思う。
「いつか還るときは」
シャーリーン・マクラム 著
ハヤカワ・ミステリアス・プレス

8月9日

ヴェトナム戦争、記憶、年齢を重ねること、60年代のフォークソング、南部の文化などが盛り込まれたミステリ。
文章の書き方が非常に印象的で、エピソードを繋ぎ合わせるように織り込まれた歌も効果を上げている。

しかし、ヴェトナムについての文章の端々は、読んでいてアジア人としては少々辛いものがあった。勿論登場人物の思考=作者の思考とは限らないのであるが(この場合は恐らく違うとは思うが)、ある意味リアリティを感じさせる不愉快さだ。
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