音楽と読書と雑多な断片記録
 
12月3日 
何故かいきなり恋に落ちてしまう。
たまにあることだが、急にある作家や音楽に取りつかれてしまうことがある。作家にはまるのは久々だ。他にはレイ・ブラッドベリくらいだった。音楽ならCheb Mamiだけど。

この作家の本を読むのは15年ぶり。うー。大袈裟ではなく15年も経ってしまった…。あの頃はディーン・R・クーンツなどモダンホラーが流行っていたっけ。私はホラーのものが好きではないので全く手を出さなかったのだが、友達に貸してもらって読んだ一冊は面白かった。
他の作品も読もうか、と思いながら後回しにしているうちに月日はたち…。
未だに、クーンツもキングも読まないが、何故か再びこの作家を手にとって見た。
ジョナサン・キャロル「死者の書」を。

15年も箱の中に仕舞われていたようなものだが、キャロルは腐っていませんでした。ああ、何と素晴らしい。いきなりはまってしまった。
背表紙に書かれた、不気味な奇妙な出来事も興味を引くが、架空の作家マーシャル・フランスの存在が魅惑的。まさにジョナサン・キャロル自身がマーシャル・フランスのような感じなのだ。

同時に買った「犬博物館の外で」。犬博物館! キャロルは犬好きと見えて、どの作品にも一匹は犬が出てくる。(まあ、ほとんどはシリーズ的な部分があるので、同じ犬、ビッグ・トップが出てくるのだが)特によたよたしたブルテリア。
この小説は中東の王国サルーのスルタンが犬博物館の建築を注文する、というもので、ファンタジーというか、真実を求める人間の成長物語りというか、それでいてユーモアがあり、読んでいてすがすがしい。

今日の購入書籍
「死者の書」ジョナサン・キャロル 創元推理文庫
「犬博物館の外で」ジョナサン・キャロル 創元推理文庫

11月30日 
風邪が直らないので、早く寝なければ、と思いつつ、暇つぶしに買った本を読んでしまう。
ベルトラン・ビュアール「夜の音楽」。前から気になっていたフランスミステリー。
音楽という言葉は色んな意味を含むものだが、これは音楽というよりは夜の歌という感じ。そしてそれが謎に関連してくる。
正直言って、このバンドはそれほど(というか全く)興味がないので、何かこのバンドのファンにありがちなマニアックな情熱を感じてしまう。返ってその謎解きが新鮮でした。ファンだったらすぐに分かってしまってつまらなさそう。解説でもこれが*****に関連すると聞いていなければ…と言われている。私なら聞いても全然分からなかったと思う。
でも、このミステリーを読んだお陰で、ちょっとは彼らの歌を聞いてみようかとも思ったりした。
おまけに丁度、FMで特集しているではないか。
昨日はたまたま西東詩集を読んでいたら、シューベルトのズレイカを流していた。こういう偶然はあると楽しい。

11月30日 
長い間、更新どころか、ネットにも繋げず、放置したままになってしまった。しかし、サイトをやる気はあるはあるので、何とかしたいと思っている。

この間、あまり本も読んでいなくて、フランス語の小説をとりあえず読む(通勤中に読むため、辞書とかあまり引いていないので全く語学力の向上に役立っていないと言う意味で、「とりあえず」)のを試みた後、暫くは推理小説など何でもいいので小説を読み散らかしていたり、適当。本もなるべく買わないようにしているが、何故か少しづつ増えている。推理小説は買っても売ってしまうつもりだが、本当はこんな買い方はしたくない。図書館に行く暇があればいいのだが…。

最近読んで、心を引かれたものは、奥泉光「ノヴァーリスの引用」。奥泉光は前から気になっていたが読んだことはなかった。これを読んで、他のものも読みたくなった。推理小説のスタイルを借りた幻想小説のような、青春の回顧と記憶についての物語り。

A・マコール・スミス「1レディーズ探偵社、本日開業」。何とボツワナを舞台にした小説である。日本ではボツワナなんて国名を知っている人すらそうはいるまい…(私も行ったことはないが)。買った理由もただただ、ボツワナが出てくるから、というだけの理由である。アフリカとは何か、という主人公の語りが良い。全体的にほのぼのとして感じが良い。歴史を背景とした部分などは解説に説明が欲しいところだ。ボプタツワナ・ホームランドのところなど。

ロバート・アーウィン 「アラビアン・ナイトメア」。千夜一夜物語りに想を得た物語りは幾多もあるだろうが、これはまた変わっている。また、こうした入り組んだ物語りと言うものは概して、終結が尻すぼみというか、夢オチであったり、まとめきれずに終わるものが多いのだが、これは終結もまた上手くまとめたと言う感じである。まあ夢オチに近いが、そもそも全編が夢のような物語りなのだから…。

現在はBrigitte Aubert「Transfixion」を読んでいる途中。難しい。口語表現の勉強になるけど。

来週からは勤務場所が変更になり、都会の真中になる。これで今まで行けなかった美術館へも行けるようになりそうだ。それに映画館が近い。家にテレビがないので、最近画像を見たくてたまらない。コンピュータも壊れていたし、インターネットにも接続できなかったせいもあるだろうが…。久々に映画館で映画を見たい。

5月6日 
仕事始め。
今日も、色々細かいことが山積みで手一杯。
電車の中で、「銀河ヒッチハイクガイド」を読了。結構笑えるSF。

5月5日 
整理する途中で発見した本をついつい読んでしまう。こんなことをするから時間がかかるのだ。

イアン・ワトスンの黒き流れシリーズ「川の書」を読了。
それほど期待はしていなかったのだが、これがかなり面白かった。かれこれ10年近く前のことだが、その頃はファンタジーの本を集めようとしていた。パトリシア・マキリップ、タニス・リー、e.t.c…。
で、これも出たばかりの時に買っておいたのだ。
しかし、二部以降が出る前に興味がなくなってしまって、結局買い揃えなかった。続きは読みたいが、今度は図書館で借りようと思う。
それから、他に、野町和嘉「メッカ」を読む。メッカ撮影の際の記録。写真も美しいが、これは、写真集の方の「Mecca」を見た方が勿論良い。写真集に感動したので、岩波新書版も買ったのだ。

今日はベッドが届いたので、組み立てる。身分不相応にもセミダブルのベッドで、また、マットレスが大きくて重いこと。玄関から入らないのではと思うくらいだったが、まあ、何とか出来てみると、新しい部屋も、ようやく自分の部屋、という感じになってきた。
最近、家にいる時は寝てばかり。まあ、家にいる時間自体が短いが。(通勤時間が長すぎるのだ)
そういうわけで、何よりも身体を休める場所としての機能を重視した部屋にすることにした。
早速、買っておいたシーツをセットして、ベッドメイキングしてみる。サンドベージュのシーツの色が、想像以上に、古い木造家屋の部屋にマッチしている。白いシーツできちんと包んで、その上から安物の羽根布団をふんわりと掛けた。
おお、素晴らしい。ホテルのようだ。横たわってみると、快適快適。これは、ホテルに生活しているのだ、と空想してみると何だかゴージャスな気分に。

しかし、セミダブルのベッドだと、シーツの洗濯が大変な上、ベッドメイキングも一苦労。
ホテルの滞在客としては、良い気分だが、兼メイドとしては面倒臭い。まあ、快適なものには、色々苦労が隠されているのだ。頑張ろう。

5月4日 
最近、引越す予定で色々ばたばたしている。元々インテリアには興味があったので、家具を選んだり、配色を考えたりして時間を過ごしている。休日をほぼそれに無駄に費やしたと言ってもいい。
そして、ついに本を捨てることを決意。
最初は辛かったが、段々、深く考えず勢いをつけて捨てはじめた。
数年前ならこんなことをするとは思いもしなかっただろうが、人生の残り時間というものを何かにつけて考えるようになったこの頃では、無駄なスペースを本に費やすことはできないと思うようになったのだ。
とは言え、本当は辛いけど。
しかし、何が一番辛いかと言って、売却先がブックオフだということである。シリーズで揃えていた本でも何でもバラでしか見てもらえないし、何より、買取の工程に本への愛が微塵も感じられない。でも、近所の古本屋と言えば、ブックオフしかないし、オークションに出している時間もないので、涙を飲んでブックオフへ行くのであった。

今度の部屋は、以前からの野望通りに中近東風インテリアにする計画である。早速モロッコランプを購入。しかしいつまできちんと家のことができるのか疑問だが…。

4月11日 
また、しばらくぶりの日記だ。
先週あたりから、また読書も再開。図書館で借りてきた本を徐々に読み始めるようになった。

まずは、アンネ・ホルト「悪魔の死」。まあまあ。児童福祉の問題なども考えさせられるものだが、それほど面白いわけでもない。

ヴァル・マクダーミド「殺人の儀式」。これは読むのが嫌になりそうだった。拷問についての描写は勘弁して欲しい。その他にも色々…思うところがあるが、ストーリーの作り方とかは、まあ、うまいのだろうと思う。

ジェリー・オスター「善意の殺人者」。今一つ。何と言うか、翻訳のせいなのか、原文がそうなのか良く分からないが、とにかく文章があまり良くない。読んでいて苛々する。着想はまあ酷くもないのだが…。

エメ・セゼールの「帰郷ノート/植民地論」。これは、前から、放送大学のフランス語の講座でも幾度か聞いており、読んでみたかったものである。
帰郷ノートは、長い、散文詩のような詩なのだが、シュールレアリスムの技法をとり入れた、印象深い、力強い詩句に心を打たれる。本当に素晴らしい。これの仏語朗読も素晴らしいと思う…。

それから、アントニオ・タブッキの「ダマセーノ・モンテイロの失われた首」。タブッキの文体、語り口は好きだ。しかし、ストーリーは…。いつも少々物足りない。

アゴタ・クリストフ「昨日」。これも、フランス語の講座で取り上げられていたもの。単語なども簡潔にして美しい。これは、やはり原語で読まなくては…いつか読んでみたい。

今は、この間買った、レイ・ブラッドベリ「塵よりよみがえりて」と、ボルヘスの詩集を読んでいる。
ああ、このレイ・ブラッドベリの語り口は久しぶりに触れる。大好きだった。今でも好きだ。そして、この本は、私が一番好きなシリーズ、あの奇妙な「一族」についての物語なのだ…! 読んでいて嬉しい。
ボルヘス詩集はゆっくりと、何度も読みたい詩集。少しづつ、読み進めようと思う。

忙しいのだが、仏語検定の試験を受けることにした。
何となく、また、色々やる気のでてきた最近。本当に、サイトも頑張って更新しよう。

3月29日 
出社して仕事するつもりが、天気もいいし、何だかやる気になれなくて、職場の近くにある県立図書館へ。久しぶりに行くが、やはり大きい図書館はいい。
アゴタ・クリストフ、エメ・セゼールなどを借りる。絶対読もう、と誓うが、時間があるのやら…。
プールに行き、それから、本屋に寄ると、ジェイムズ・ティプトリーJrの本があるではないか。これは読んでいないと思うので購入する。ジェイムズ・ティプトリーJrは久しぶりだ…。何とも複雑な気持ちになる。


今日の購入・貸出書籍
「星ぼしの荒野から」ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア ハヤカワ文庫

「昨日」アゴタ・クリストフ 早川書房
「帰郷ノート・植民地主義論」エメ・セゼール 平凡社
「ティブル」イブラヒーム・アル・クーニー 国際言語文化振興財団

3月26日 
図書館で借りた「タイタス・クロウの事件簿」を読了。オカルト探偵…。まあ、冗談半分で読んだ、という感じ。あまりオカルト自体興味が持てないし、ラヴクラフトについては、コリン・ウィルソンの評(一言で言って、虚仮脅し…)が記憶に残っているので、読む気になれなかった。
しかし、それはそれとして面白い部分もあったので、まあ、そのうち気が向いたら、ラヴクラフトも読んで見ようかと少し思った。

相変わらず、仕事のスケジュールは厳しいばかり。
最近は、切手に夢中なので、それにも時間をかけたいし、中々読書が進まない。来週はもう少し読まなくては。
このサイトでも切手を紹介したいなどという気もするが、そもそもサイトに手をかける時間も余裕もない…。

3月23日 
今週も近所の図書館へ。
一応読了本を上げておくと、「沙羅は和子の名を呼ぶ」加納朋子、「愛国殺人」アガサ・クリスティー、「風を売る店」「風を売る店」は歌集だが、言葉の感覚がいいと感じる時もあれば、そうでない時もあり。柔らかすぎる言葉は何となく今一つ。
及び、「SOMEONE TO WATCH」。そろそろこのサイトも新しいページを追加せねば、と思いつつ…。時間ばかりが過ぎて行く。
また、新しい本を借り出して帰宅。

back
アラブ小説紹介 ナイアドプレス作品紹介 読書メモ リンク
忙しいので読書メモより簡単に日記を不定期につけてみます。

Copyright (C) 2002- ROSARIUM