あの樹の枝になった赤い実を
取りに登って欲しいと
頼みはしない、もう
あの樹は滑りやすく
枝は細い
優しい偽善にさえも折れてしまう
鳥が群がる
嘲っている

紅いパスポートがなければ
これは越えられないという
昨日は
何かを売り渡してきた
この線の向こうが
螺旋階段の国

あの樹の枝になった実が欲しいと
頼みはしない、もう
苦い果物を
定めの種を

あなたは子供を孕んでいる
あなたは家になる
檻になる
監視者になる
あなたは小さくなる
あなたは未来に売り渡された
小さな玩具
あなたは樹に登り
あなたは樹から

熟れた果物が欲しいなら
熟れた時間が落ちてくるまで

もう、欲しいと頼みはしない

待っていればただそれでいい
あなたの明日が落ちてしまうまで


 
 
 
 
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