そして戸惑いが
すっかりと溺れてしまうまで
この赤いソースの中に

刻み入れたシナリオが
燃える油の中で香りをたてる
熱い湯気が
記憶と予感をないまぜに
溶かしてゆく
このソースの中に
とっぷりと
影かたちもなくなる
悪夢の手触りの冷たさ
暗記されたのは
弁明

それは紅の
どんな皿にもよく合うソース
思い出されない記憶と
退けられていく未来と
味付けた冷感
食べられる非情
明日の皿に盛りつける
運命の婚礼音楽
鈍磨する味覚の最後の香辛料


 
 
 
 
 
 
 
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