ああ、そして
あなたは海から戻った
ある夜のこと
扉を開いて言う
久し振りだと
腕を延ばして
手のひらに乗せた
貝殻の煌きを指差す
ね、ご覧よ

潮の匂いがしているのに
気づかない振りで
久し振りだと
答える

あなたの名前は扉に刻んであるから
座る椅子がなくても
嘆かないで

あなたはある夜
突然に戻る
海藻の絡んだ髪が
濡れたまま
扉を開いて言うのだ
久し振りだと
上潮に
打ち上げられて
ゆらゆらした眼差しで


 
 
 
 
正門
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